2008年(平成20年)
相模経済新聞社
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11月10日 月曜日

[相模原西門商店街]
市が支援打ち切り、再生計画暗礁に
岡本太郎モニュメント「呼ぶ手」活かせず

 かつては相模原きっての中心商業地として栄えた西門商店街が郊外型大型店の出店などで衰退してきたため、行政の協力も受けて再生計画の一環として2006年度から始めた「アートフェスタロー」のイベントが今年で3回目を迎え、10月18日と19日に西門買物公園道路で行われた。ところが、その人出は昨年の半分にも満たない2000人程度と振るわず、暗礁に乗り上げた格好の再生計画に関係者が頭を抱えている。
 西門商店街は相模原市役所のさくら通りと国道16号線をはさんで連結する一角に位置し、1952年(昭27)頃に米軍相模補給廠の門前商店街として形成され、同基地の「西門」に直結するためその名を冠した。生鮮食料品を中心にした商店街として昭和40年代から50年代にかけて歳末の大売出しには埼玉県あたりからも来客があるなど、相模原で一番の賑わいを見せて栄えた。
 その余勢で行政が取り組んだのが同商店街の近代化事業。相模原市は「工業立市」を掲げて内陸工業都市として発展したきたが、一方で商業基盤が手薄のため町田への消費流出を余儀なくされてきた。このため地元の商業振興を目指して、行政が最初に白羽の矢を立てたのが同商店街だった。
 近代化事業の柱は西門市場(グリー、バザール西門)や第2ブロック(サンマート西門)の再整備、仲通りのアーケード化などで、表通りの買物公園道路化(グリーンプラザさがみはら)もその1つだった。こうして1982年(昭57)12月に出来上がったのが幅員40メートルのうち相模原、矢部両サイドに設けたグリーンプラザで、総面積は1万7550平方メートルに及ぶ。
 と同時に同商店街協同組合は岡本太郎画伯に依頼して赤と青のモニュメント「呼ぶ手」2基を両サイドに設置した。数千万円を投じて土台を含め高さ約5メートルの「手」を設けたものだが、「お客を呼び込む手」の意図どおり、当時の商店街の活気をシンボルライズするモニュメントとして、大きな話題を集めた。
 一方で行政は、この西門の事業を契機として1983年度(昭58)に商業振興ビジョンを策定、3つの中心商業地づくりなどを推進する運びになり、その中で西門は中心商業地としてJR相模原駅周辺エリアに含まれた。
 ところが、こうした動きと人口増が連動し、市内では郊外型大型店の出店が相次ぎ、とりわけJR古淵駅周辺の国道16号線沿いにはジャスコ、イトーヨーカドーなどが集積した。この影響を受けて西門商店街の地盤沈下が急速に進み、今でも衰退の動きは止まらず、最盛期には約150店あった商店が今では約80店(商協組と市場組合の組合員は約30人)と大幅に減り、仲通りもさることながら表通りもシャッター通りと化している。
 そこで、この動きに歯止めをかけて商店街の再生をはかろうと計画されたのが「アートフェスタロー」で、岡本画伯のモニュメントを活かし、近隣の美大生の参加も巻きこんでアートの街による商業の再生策を目指した。このため商店街だけにとらわれず住民も巻き込もうと自治会などを加え、相模原、矢部両サイドを一本化した西門地区商業地活性化協議会(会長・浦上裕史西門商協組理事長、会員99人)が組織化された。
 ところが、そのイベントは「芸術と商業は相いれない」という指摘もあって盛り上がるどころか、尻つぼみになっているのが実態。それでも活性化協議会としては「今後も続けていく」意向だが、再生計画に関与し、3年間にわたりイベント事業費を補助してきた市商業サービス業課は来年以降の補助金打ち切りを示している。
 モニュメントを制作した岡本画伯は1970年の大阪万博における「太陽の塔」で一躍著名になり、同氏のモニュメントを導入する自治体も増え、生家が歌人の岡本かの子の実家という経緯から、川崎市は1999年に岡本太郎美術館を開館した。
 そうした中で、同氏の主要作品リストに西門の「呼ぶ手」は入っていない。また、西門商協組所蔵になっている関係からか、相模原市が発行する観光マップやパンフレットでも紹介されていない。言わば「宝の持ち腐れ」で、今後このイベントを継続していくうえでは買物公園道路の使い勝手も含めて、これらの課題にどう取り組かが先決になっており、行政が「商業者のためのイベントだから商業者にもっと頑張ってもらわないと」と言うのは当然としても、それだけではなにも進まない状況になっている。

 

[カタヤマ・プランニング]
片山右京チャレンジスクール開校へ

 ダカールラリーやアウトドア・アドベンチャーとして知られる片山右京氏のカタヤマ・プランニング(株)(相模原市鵜野森3—36—13)は2009年から小学生を対象にした「チャレンジスクール」を開校するが、これに先駆けて11月15日と16日に相模原市藤野町の「篠原の里」で、スペシャルイベントとして「オータムキャンプ」を行う。
 「片山右京チャレンジスクール」は「身体は心が動かす」「がんばることは恥ずかしくない」「夢はいつか実現する」という片山氏のスピリッツを子どもたちに伝えるための冒険学校で、小学4年から6年生を隊員に2009年3月に開校、6月までフリークライミング、ウォークラリー、アウトドアクッキング、7月から10月にかけて沢登り、サマーキャンプ、トレッキング(高学年向け)、山小屋宿泊体験、11月から翌年2月にかけたアニマルトラック、スノーシュー体験などを行うスケジュールを組んでいる。
 これに先立つオータムキャンプでは小学生の隊員(4年〜6年生)とサポート隊員(保護者)を募り、15日は午後12時30分からオリエンテーション、テント設営、キャンプファイヤー、16日午前6時から午前と午後にウォークラリーなどを行う。
 参加費が食事代やキャンプ用品のレンタル代などを含めて隊員が1万8000円、隊員以外の保護者は宿泊施設利用費など含めて1万3000円、同行する3歳から小学3年生までが1万1500円。
 雨天決行で11月9日までこの申し込みを受けつけ、最小22組、最大40組で実行し、最小組数に至らないと中止する場合もあるという。問い合わせは同スクール事務局電話042—741—1082。

 

【イベント情報】

●伊勢丹相模原店が全国職人の技展
 11月5日から11日まで本館2階で開き、1点1点を手作業で仕上げる三重県・長谷川パールの真多麻パールネックレス・イヤリングセット(21万円)、島根県のふるさと伝統工芸品に指定された鍜治工房弘光の透かし燭台(3360円)、東京・手作りかばん中澤の冠婚葬祭にも使えるバッグ(2万9400円)などを販売する。また、同日からクリスマスケーキの予約を開始12月9日まで受けつけている。引渡しは12月23日と24日。電話の申し込みは電話042−740−1266(直通)。

●佐々木雅子裂織展
 11月12日から23日まで相模原市千代田2−2−15のギャラリースペース游。手間のかかる裂織と染めの和布を組み合わせて作り上げた衣服等80点余を展示。電話042−856−1990。

●SICが経営者セミナー〜事例に学ぶ企業経営
 11月12日午後6時から杜のホールはしもと多目的室で開く。57歳で脱サラし、技術開発型製造業のアプリシアテクロジー(株)を起こした河合秀樹社長&CEOが「トップの決断一度ならずと迫られる」をテーマに講演する。定員が先着60人で、企業名、所在地、役職、氏名、電話、FAX、e-mailを記入のうえ㈱さがみはら産業創造センターに申し込む。e-mail:mousikomi2@sssc.co.jp。

11月11日 火曜日

「トップセールスに挑む」
看板商品は“薄皮たい焼き”
味ともてなしの心で多くのリピーター
イートカフェTetu店長 平田哲嗣さん

 藤沢商業高校時代にバレーボールの選手として国体、インターハイ、春の高校バレー大会などに出場し、就職はNECに推薦入社。相模原事業場に配属され、仕事が終わってから3時間の練習をこなす日々が続いた。同事業場や府中工場の9人制バレーチームで活躍し、キャプテンも経験。29歳のとき東京本社に営業職で転勤した。
 その後もNECブルーロケッツのOBチームで選手として活躍。クラブチームの全国大会で優勝するなど特筆に値する戦績を収めた。
 これが、たこ焼きとたい焼き、焼きそばが3本柱の「イートカフェ Tetu」(相模原市千代田1—1—1)の経営者、平田哲嗣さんの略歴だ。
 その平田さんが39歳でNECを退社したのは、「サラリーマンが嫌で、自分で何かしたいといつも考えていたから」だった。「あまり年を取ってからでは仕事を起こすのがきつくなる」との思いもあった。
 営業の仕事自体を重荷に感じたことはなく、「自分は人が好きなんだと感じることがよくあった」と言う平田さんは、食べ歩きが趣味だったこともあり、人と触れ合える飲食店を第二の人生の舞台に選んだ。
 市役所通りに面したビル1階にテナントとして入ったのは「このあたりのオープンな雰囲気と桜の美しさがいい感じだった」というのが理由。酒類も置いてはいるが、居酒屋にしなかったのは、「昼間は高齢者や女性と子ども、夜は男性客中心に幅広い世代の人に親しんでほしいと思ったから」。退職から開店までの1年半は自宅で料理修業しながら販売戦略を考え、「手軽に、気軽に味わってもらえる店、そしておいしくていい食材にこだわる店にしよう」と心を決めた。
 開店したのは2007年6月。たこ焼きには軟らかい岩だこを使い、天かすもしっかり味付けしている。また、『薄皮たい焼き』を店の看板商品にしようと、油を敷かずに薄皮をきっちり焼き上げられるテフロン加工の専用機を備えた。
 客の反応は上々で、たこ焼き(8個500円)は今春、ある全国版口コミサイトで県内1位にランクされ市外からも足を運ぶ客が出始めた。薄皮の小倉たい焼き(1個130円)は、「あまり食べたことのない味」と多くのリピーターを獲得し、卵クリーム、黒豆あん、チーズウインナーのたい焼きも好評。焼きそばはランチメニューの主役の1つだ。馴染み客が増えており、NEC時代の先輩、同僚が貸し切りで宴会やパーティーを開く夜もあるという。
 味と同じように大切にしているのは、もてなしの心。「オープン以来、両親と私、それに女性従業員が気持ちを一つにして笑顔を忘れない接客を心がけている」という。
 バレーボールを通じてチームワークの大切さは骨身にしみて知っている平田さん。経営者として客の心をがっちりレシーブする店づくりに努める。       

 

[田名地区共同通勤バス]
橋本駅と清水原工業団地を結ぶノンストップバス
利用企業を募る

 7月1日からJR横浜線橋本駅南口と清水原工業団地をノンストップで結ぶ本格運行を始めた「田名地区共同通勤バス」は、定時運行の確保、勤務先との直結など利用者に好評だが、まだ定員までには余裕があるため、運行主体である同バス運営協議会(久保誠会長)は、団地内企業だけでなく周辺企業などにも利用を呼びかけている。
 大企業が通勤バスを運行するのは珍しくないが、中小の異業種企業が共同で運行するのはバス確保の費用や交通費支給規定の違いなどのため困難とされており、中小による共同バスの運行は全国で3例目という。
 実現したのは(株)シンコーが従業員用の送迎バス(乗客定員28人)を他の企業にも開放したためで、運営協には同社など団地内の企業七社と団地協組事務局が加入している。
 出勤時の運行ダイヤは橋本駅南口発午前8時と9時、団地会館前を経てシンコー社まで運行する。帰路はシンコー社発が午後5時40分、6時40分、7時35分、8時15分など。所要時間は約20分。利用者の負担は月額8000円。片道のみの利用にも応じる。
本格運行開始から4カ月経ったが平均乗客数は橋本駅午前8時発が13人、9時発が20人。帰路は2人から16人と分散している。路線バスと違って渋滞を避けて走れる利点があるため、運行時間は一定という。利用者からは「読書や考えごとの時間が増えた」「帰りに安心して飲み会ができる」などの声が寄せられている。
 久保会長は「まだ座席に余裕がある。マイカー出勤を減らして渋滞緩和と二酸化炭素削減に一層の弾みをつけるため、会員を増やしたい。企業にとっても駐車場を確保する必要が減り、エコに配慮した通勤で企業イメージがアップするだけでなく、求人の際に『交通手段あり』とPRできるなどのメリットがある」と効用を力説している。
 問い合わせは同事務局電話042‐763‐0519。

 

[グリーンカレッジつくい]
中年男性8人が「里山づくりde森林活用術コース」
で林業体験

 本格的な林業体験に意欲を持つ中年男性8人が10月19日、津久井町青野原の里山で下草刈りや間伐作業に挑んだ。
 津久井生涯学習センター主催の「グリーンカレッジつくい」の一環で、タイトルは「里山づくりde森林活用術コース」。
 里山の現状を自分の目で確かめ、のこぎりやなたなどの道具を使った作業を体験することで里山の役割、自然保護の大切さ、水源林保全の必要性を学ぼうというのが趣旨。
 この日は全6回シリーズの最終回。午前10時、講師の佐藤好延氏が経営する(有)サトウ草木(青野原115)に集合した参加者は同社長から「枝打ちする場合はできるだけ切り口が小さくなるように」などと説明を受けた後、近くの森林へ。40年から50年経つ杉とひのきの人工林だが、所構わず高さ10メートル以上の竹が生えている状態。
 「まず竹の除伐作業を行って林に光が入りやすくしましょう。そうすると小さな潅木が生えてくる。これが水源林としての山づくりの大事な一歩になります」との同氏の話を踏まえて、全員が竹の伐採に取り組み、掛け声を交わしながら次々に切り倒した。
作業中に山主の中里厚実さんも加わり、「自分で山を管理するのは経済的に難しい。里山と人工林を活用する方法を模索している。皆さんに感謝したい」とあいさつする一幕もあった。
 その後、雪害などのため木材としては使えそうもなくなった杉、ひのきに目印を付け、チェーンソーも使って間伐。使い慣れない人には佐藤氏が付き添って「力を抜いて木にあてて」など手取り足取りの指導。
 心地よい汗を流した後の昼食をにぎやかに味わった参加者は午後、4メートルほどの高さで枝打ちも体験し、充実した講座の打ち上げとした。

11月12日 水曜日

[ビジネス・デザイン]
「中小企業のM&Aセミナー」開催
12月には経営計画教室

 (株)ビジネス・デザイン(相模原市共和4—13—5)は11月11日午後6時から、同社研修ルームで「中小企業のM&Aセミナー」を開催する。
 「会社を売りたい」「会社を買いたい」と思っている経営者、自社が元気なうちに事業承継対策を立てたいと考えている経営者らを対象にした実践的な講座。
 第1部は大山敬義氏((株)日本M&A取締役)による「中小企業の事業承継・M&Aの現状と具体的手法」。成功事例の紹介のほか、「会社はいくらで売れるのか」など、ズバリと核心をついた話を展開する。
 第2部は小久保忍氏(税理士法人りんく代表税理士)の「事業承継・M&Aのための財務体質改善」と題する講演。事業承継計画・経営計画の重要性とノウハウを分かりやすく説く。
 参加費は3000円。定員40人(申込順)。問い合わせは電話042‐730‐7886。
 また、12月3日午前10時から午後6時まで同会場で、自社分析、経営理念の策定、5カ年数値計画をテーマにした「経営計画教室」を開催する。講師は小久保氏ら同税理士法人スタッフ。経営者、後継者らが対象で、受講料は3万1500円(昼食付)。問い合わせは電話042‐730‐7891。

 

[S・C・相模原]ジュニアユース結成へ
総監督に元日本代表の名良橋氏

 11月2日から秋田県で開かれる第15回全国クラブサッカー選手権に関東地区代表として出場するS・C・相模原(田名1262—5、望月重良代表)はこのほど、来年4月に中学生によるジュニアユースのチームを結成する運びになり、その総監督に元日本代表選手の名良橋晃氏を充てると発表した。
 「強豪クラブと言われるクラブは国内外で例外なく優れたジュニアユースチームを擁し、若手の育成や地域社会との関係強化をはかっており、少し早いかも知れないが必要不可欠」(望月代表)と判断し創設を決めたもので、総監督になる名良橋氏は「私の経験と知識、情熱を惜しみなく注ぎ、地域に愛され、多くの子どもたちの憧れとなるようなチームをつくっていく決意」とコメントしている。
 このために同クラブは中学の新1・2年生を対象に11月9日と16日の午後6時30分から市立中央小で体験練習会を行い、30日には市立星が丘小で第1回セレクションを行う。問い合わせは同クラブ事務局 電話042−853−5184。

 

[笹倉鉄平版画ミュージアム]
2周年記念展 12月29日まで
パリ近作展示も

 “光の情景画家”として知られる笹倉鉄平氏のオフィス「アートテラス」(東京都中央区)が大和市上和田1777に2006年11月3日開設した笹倉鉄平版画ミュージアム(小川政男館長)の2周年記念展が11月5日から12月29日まで開かれ、11月9日午後2時から4時まで同氏が来館する。
 記念展は第2展示室で笹倉氏自らが選んで描いた絵の中の小物を版画と共に展示、「実物と絵をじっくり見比べて楽しんで欲しい」と同館は話しており、「白い時間」(2000年)、「灯り」(2003年)など人気の作品を展示する。 また、第1展示室では5日から12月1日まで小川館長チョイスとして、「フランスを巡る」をテーマにした作品を展示する。
 日仏交流150周年にあたる今年、笹倉氏は念願のパリ個展を7月に開き、好評を博したという。そこでその再現ではなく、フランスを題材にした作品を同館長が選んで展示するもので、「サン・トロペ」、「ラ・ランス」の2点に焦点を当てて作品のエピソードなどを紹介、パリの街を背景に窓辺の風景をイメージして描き今年9月にリリースしたばかりの「アパルトマンの窓辺」も展示する予定という。
 さらに、12月3日から29日まではオリジナル切手の発売を記念した特別展も開く。入館料は大人300円、中学生以下は無料で、問い合わせは電話046−267−8085。
 一方、パリ個展再現として「遠いようで近いパリ・京都」展が12月25日から2009年1月5日まで大丸東京店で開かれ、笹倉氏によるサイン会も行われる予定という。

11月13日 木曜日

[権田金属工業]
創業90周年を祝い、従業員家族が工場見学

 創業90周年を迎えた権田金属工業(株)(相模原市宮下1—1—16、権田源太郎社長)は10月19日、記念事業として従業員の家族約40人による工場見学会を実施し、その後市立けやき会館で式典と祝賀会を行った。
 同社は1918年(大正7)、横浜市西区で黄銅棒の生産に着手し、戦前は海軍の指定工場になるまでに業績を伸ばした。戦後は銅製品の製造販売に手を広げ1963年、敷地約3万3000平方メートルの現在地に本社と工場を移転。旧工場跡地には会社の安定経営に資するため賃貸ビルを建設した。
 移転後も製造施設の拡充、更新を重ね、1991年には銅ブスバー・銅棒・快削黄銅棒のJIS表示許可、1999年にはISOの認証を取得。2002年からマグネシウム合金薄板の開発に取り組み、従来品より強度と耐久性に優れるAZ61板の製造に成功するなど、銅系素材と鍛造品、黄銅棒、マグネシウム薄板を3本柱にする総合非鉄メーカーへの道を歩んでいる。
 今年6月には産業モーター銅リング製造シェアの高さとマグネシウム合金薄板の開発が評価されて中小企業庁の「元気なモノ作り300社」に選定された。
 関連不動産管理会社、本社敷地内の遊休地に設けているゴルフ練習場なども含めたグループ全体の2008年9月期の売上高は約57億円。
 90周年を記念して従業員家族の工場見学を実施したのは、「夫や父親、あるいは息子が働いている姿と現場を家族に見てもらい、会社への親近感を深めてほしいと考えたから」(山本周平取締役総務部長)という。
 社員と家族140人が出席した式典では権田社長が会社の歩みを振り返り、「祖父が創業し、父が新たな分野を開いた会社を受け継いで今日まで事業を続けて来られたのは、お客様や仕入先様の支えと、諸先輩を含めた社員の努力があればこそと深く感謝している。今後も社業の発展に尽くしていきたい」と式辞を述べ、引き続き和やかな立食パーティーで90周年を祝った。

 

[相模原市]
金融機関へ中小企業への円滑な資金供給を要請

 相模原市は10月20日午後3時から市立産業会館の多目的室に市の中小企業融資制度を扱う金融機関19行の66支店2営業部の担当者を招き、市内中小企業への円滑な資金供給を要請した。
 原料資材の高騰や消費の減速に加えた金融不安で資金繰りなどが厳しくなっている中小企業を支援するため初めての試みとして行ったもので、融資制度の2008年度上期の実績および下期の取り組みなどを説明、その中で市が制度融資で行っている利子補給と信用保証料補助制度を利子補給制度に一元化して効率化する検討案を示し、金融機関がどう考えるかを質すアンケートを求めたという。

 

[大和市商工会議所]地元産18品を推奨
新たに「豚肉みそ漬」等

 大和商工会議所が事務局を務める大和市推奨品協議会(古木通夫会長)はこのほど、市内で製造され品質などが優れた日本酒や菓子類など18品目の推奨品を決めた。
 出品者の申請に基づいて審査した結果、推薦を更新する日本酒の「吟醸泉の森」やワイン「巨峰の雫」、せんべい「やまとっ子」、「やまと最中」、欧風の菓子クドウの「レーズンクッキー」、洋菓子ミハシの「湘南ポテト」に加え、新たに太田屋の豚肉「みそ漬け」、洋菓子「ラボワール」など18品目の推薦を決めたもので、期間は11月1日から2010年10月末までの2年間。
 それぞれの推奨品は11月以降、市観光協会のホームページやパンフレット、市役所1階ロビーのショーケースなどで紹介、各店舗で販売するほか、市役所地下の売店でも販売。また11月8日と9日に大和駅東西プロムナードなどで開かれる「やまと産業フェア2008」、来年5月の「市民まつり」などで一堂に集めた販売会を行う。
 なお、同推奨品は従来、市内産原材料の使用比率により「特産品」と「推奨品」に区分けしたきたが、今回から「推奨品」として一本化した。

11月14日 金曜日

【とぴっくとーく】
「地域の安全と防災に貢献したい」
相模原市防災設備協同組合理事長・一宮英雄氏に聞く

−−新しい協同組合の発足の経緯を聞かせて下さい。
 「これまで市内の防災設備企業は9社ずつ2つの団体を組織していましたが、2つに分かれていては市の防災施策への協力や業界の発展にプラスにならないということで、1つになろうという機運が高まり、今年度から18社が一致結束して新しい組合を発足させました。発足後、市との災害協定の締結、業界のPRを初めとするさまざまな課題に取り組んでいます。業者が一体化したことで活動がしやすくなりました」

−−市民との接点は。
 「住宅用火災警報器の取り付けですね。新築家屋にはすでに取り付けが義務化されていますが、既存の家屋にも平成23年5月末までに設置するよう義務付けられています。しかし、市内の住宅の設置率は新旧家屋合わせてまだ2割未満です。テレビを通じたPRのお陰で認知率は高まっていますが、どこで買ってどう取り付ければいいのか迷っている消費者が多いのが現状です。また、義務化に付け込んで悪質な訪問販売も発生しています。組合として安価で信頼できる警報器を市民に提供したいと思います。販売、設置責任者が明確で、アフターサービスも万全というメリットを知ってほしいですね。自治会を通じて地道な広報に努めていきたいと考えています」

−−安心・安全のまちづくりにも貢献を?
 「ええ。政令指定都市を目指している相模原の発展と歩調を合わせ、防災設備の一層の普及を通じて市民生活の安全を支えていきたいですね。災害発生時における援助協力や各団体の防災活動への協力なども含め、防災設備に携わる業者の協同組合として地域の安全と防災に貢献したいと思います」

 

[小田急電鉄]でんしゃシールブック2を発売
昨年もちびっ子に好評

 小田急電鉄(株)(東京都新宿区)はこのほど、ロマンスカーや通勤車両、沿線風景のシールをホームや車庫の台紙に貼って遊ぶ「おだきゅうでんしゃシールブック2」を発売した。
 「子どもたちに電車に親しんでもらおう」と昨年発売、好評だったため第2弾目として今春デビューした「ロマンスカー・MSE」を追加、通勤車両のシールも増やして百点にした。また、シールだけでなく親子で楽しめる「MSE」の塗り絵も追加した。
 同ブックはA5サイズの12頁で、シール台紙、塗り絵各四頁を織り込んでおり、価格が税込み500円。小田急グッズショップ「TRAINS」新宿店と和泉多摩川店、小田急各駅売店、ロマンスカー車両、小田急百貨店で販売しているほか、ネットショップ「オンライントレインズ」でも扱っている。電話03−3489−6199。

 

小倉橋が土木学会推奨遺産に
「力学的造形美」と「周辺の渓谷美」が調和

 社団法人土木学会(相原英郎会長)による今年度の選奨土木遺産がこのほど決定し、全国で23件が認定された中で、神奈川県では相模原市城山町の相模川に架かる小倉橋が認定された。
 同遺産の認定制度は2000年度に始まり、幕末から1945年までの近代土木遺産として、同学会選奨土木遺産選考委員会(伊東孝委員長)が「日本の近代土木遺産—現存する土木構造物2800選」(土木史研究委員会編)のリストを中心に毎年20件程度を選出している。
 県管理の施設として小倉橋は2005年度の箱根地区国道1号施設群(旭橋、千歳橋、函嶺洞門)に続く2件目の認定になる。
 同橋は1938年(昭13)に完成した橋長176.6メートル、幅員4.5メートルのコンクリートアーチ橋で、認定にあたっては「当時としては画期的な四径間のアーチが連なる連続感、橋の側面が描き出す力学的な造形美と、周辺の渓谷美との調和が美しい」と評価された。賞碑として青銅製の銘板(30センチ×20センチ)が授与される。

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