2009年(平成21年)
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8月10日 月曜日

[民主党]
鳩山代表が来相
本村、後藤両氏を応援

 衆議院が7月21日に解散、8月30日の投票日まで相模原市の選挙区でも激しい選挙戦が予想される中、民主党の鳩山由紀夫代表が7月3連休の最終日となる20日にひと足早く来相し、神奈川14区民主党新人の本村賢太郎氏と16区新人の後藤藤祐一氏の応援演説を行った。いずれも民主党の県議や市議が応援に駆けつけ、加山俊夫市長も後藤氏の会場に姿を見せた。
 この日は正午から相模大野駅北口ペデストリアンデッキで本村氏の街頭演説に立ち合った鳩山代表は多くの聴衆を前に「本村さんを即戦力として小選挙区で勝利し、政権交代の大きな礎にしたい」と訴え、「自民党か民主党か大事な事はどちらが国民の暮らしを大切にしようとしているかで、マニフェストを見ていただきたい」として、年金制度改革や子育て支援、地方分権などを挙げて「自民党は政策を考える暇がなく、官僚の手のひらにのった政策集。我々はたった1つの政策集を掲げ、どっちが国民に向いているか、お分かりいただける」と強調した。
 続く本村氏は「民主党も自民党も日本を良くしたい思いは同じ」とした上で、「自民党は消費税を増税して医療、保険、介護の財源にすると言うが、(民主党は)その前にまず永田町と霞ヶ関の既得権益を打ち壊す。国会議員の数を減らし、官僚の無駄遣いを無くし、天下り禁止を進める。この点が自民党と手法が違う」として、「14区、16区セットで相模原から日本を変えていく」と訴えた。
 午後2時からは市立麻溝公園水の広場で後藤氏が演説、鳩山代表はここでも自民党政治を批判、解散までの自民党内の混乱を指摘して「政権与党にあまりにも永く居続けたから、ポスト争いに明け暮れ、上手く行けば総理大臣になれる、それが目的になってしまった。総理大臣なんてものは目的ではない、物事をスタートさせる出発。ところが、総理になると政策作りを優秀な官僚に任せてしまう。だから、無駄遣い、間違った制度ができてしまった」と指摘した。
 後藤氏は約1200人の観聴衆を前に通産省の官僚としての経験を挙げ、「私は裏舞台を知り、無駄遣いがどこにあるかも知っている。天下り禁止、無駄遣い全廃を必ず実現する」とし、「我々がマニフェスト選挙と言い出した以上、その覚悟があるから実現出来る」と語った。最後に、「3年前の衆院補選で10万9000対8万票で敗れてから毎日1軒1軒の家を歩き、人生は一人ひとり違うということを勉強させてもらった。自宅で介護する人が月23万円かかってしまう、その現実が官僚には分からない。私の政治の目標は、誰でもどこでもほどほどの暮らし」と訴えた。

 

[マロン洋菓子店]
固定客を大事にしつつネット販売で新規開拓

 創業30周年を迎えた、国道16号線沿いのマロン洋菓子店(相模原市矢部3—28—11、古道和之店長)は、リキュールの効いた「大人のスイーツ」のネット販売に力を入れている。
 1979年の開店当初から洋酒を使った大人向けケーキを主力商品にしている同店には、30年来の固定客を初め市内各地、八王子などから多くのリピーターがお気に入りのスイーツを求めて足を運んでいる。また、近隣のマンションに住む若い家族や勤め帰りのサラリーマンにも得意客が少なくない。
 ネットショップにラインナップしている大人のスイーツは店で特に人気の高い4品。
 なかでも、フレッシュバターのボトル型スポンジケーキに最高級ブランデー、レミーマルタンをたっぷりあしらった「ブランデーケーキ」(2625円)、レーズンとフレッシュバタークリームをサブレではさんだラム酒たっぷりの「レーズンサンド」(12個入り2100円)は、開店以来の定番中の定番。
 また、ショコラスポンジに渋皮マロンをぜいたくにあしらった「ショコラマロン」(2100円)は、濃厚な食感とゆずの香りがマッチしたさわやかな風味が特徴。
 もう1つの「ガトーザマンド」(8個入り1800円)は、アーモンドの味覚たっぷりの焼菓子でマロンとレーズンの2つの味が楽しめる。
 「30年前と違い、近隣に多くのケーキ屋さんができたため経営環境は厳しい。それでも材料の質を落とさず、何とかがんばっています。ネット販売で新規のお客さんを開拓するのは大きな目標ですが、固定のお客さんを大事にしたい」と同店の古道明子さん。高品質な商品で固定客を確保し、また新規客を開拓していく考えで現在、30周年イベントを企画中。
 父親でもあるケーキ作り50年のベテラン店主と一緒に店を盛り立てている後継者の彩子さんは、「若い感覚を生かした新しいケーキも作っていきたい」と張り切っている。
 営業時間は午前10時から午後8時。木曜日定休。
 http://www.e-na.co.jp/marron-yabe/

 

[小田急ホテルセンチュリー相模大野]
小田急電鉄工場見学と食事がセットのイベント

 小田急ホテルセンチュリー相模大野(小田急相模大野駅ビル)は8月21日と22日、28日、29日の4日間にわたり、小田急電鉄相模大野工場の見学と同センチュリーで女性客に人気の高いサロン・ド・テロザージュの食事をセットにしたイベントを行う。
 各日とも同センチュリー7階ロビーに午後2時30分まで集合、3時から工場見学、5時からブッフェ料理を楽しむイベントで、定員が各日50人。料金が中学生以上2750円、小学3年生から6年生までが1750円(ミネラルウォーター・保険料込み)。また、「まるでNゲージ小田急線まる見え!展望プラン」など宿泊プランも用意している。予約は電話042—767—1112(直通)。

8月11日 火曜日

[相模原市政令指定都市推進市民協議会]
松沢知事が講演
「政令市相模原」にエール

 松沢成文知事が7月22日、相模原市政令指定都市推進市民協議会(会長・河本洋次相模原商工会議所会頭)主催の講演会に講師として招かれ、「政令指定都市相模原市へ期待すること」と題して弁舌を振るった。
 まず、前日に衆議院が解散されたことに触れて、「負け比べ解散」と自身のネーミングを披露した同知事は、「霞ヶ関の官僚が強い権限を握っている現在の政治システムは明治以来の中央集権体制そのもの。日本を変えるには地方分権改革、つまり自分たちの地域を自分たちで作る道しかない」と強調。
 次いで、「分権の受け皿としてしっかりとした基礎自治体を作るための議論をすることが大切。相模原市はこの議論をしてくれた。大変な勇気だと思う」と1市4町合併を高く評価。続けて政令指定都市への移行について「加山市長とさまざまな厳しい議論をしたが、最後は相模原市の政令指定都市化を積極的に支援することを決断した」と述べた。
 この後、自ら「究極の地方分権」と位置付ける道州制についての持論を展開。「国民が道州制を支持してくれれば日本は変わる。道州制に政治生命をかけて突き進む」との決意を強い口調で語った。
 その後、「相模原市、県央、県北は将来に向けてもっとも高いポテンシャルを持っている」と話題を変え、その根拠としてリニア新幹線駅の設置と、さがみ縦貫道路の敷設及び市内への2つのインターの設置を挙げ、「JR東海がリニア駅は1県1駅としており、神奈川では相模原しかない。縦貫道のインター周辺には企業誘致をすることで雇用が発生し、市の税収が増え事業を充実させるというプラスの循環が期待できる」と述べた。
 最後に「相模原市は大都市機能と豊かな自然とが一体になった素晴らしい都市。戦後生まれとしては初めての政令指定都市になる。限りない可能性を持つ相模原市が役所と議会、市民がしっかり話し合ってまちづくりを進め、真の地方自治を実現していくよう期待する」と力強くエールを送り、「政令市になるのはさらに発展するためのスタート。市民の皆さんの獅子奮迅のご活躍を期待している」と締めくくった。

 

[自民党]
09年衆院選がスタート
亀井氏が決意表明

 衆議院が7月21日に解散、8月18日の告示で30日の総選挙が正式に決まり、神奈川13区、14区、16区でも選挙モードに突入した。
 これに先立ち7月17日午後、16区の自民党現職の亀井善太郎氏の企業・団体支援協議会が市教育会館で行われ、企業人ら約100人が出席した。
 日本商工連盟相模原地区の河本洋次代表世話人の呼びかけで開いたもので、県議会の舘盛勝弘副議長、加山俊夫市長、神奈川16区公明党県本部代表の上田勇氏らによる支援の訴えと激励が相次いだあと、亀井氏が決意表明を行った。
 同氏は「昨今は政策ではない話がニュースになる」と政局一辺倒の報道を皮肉ったあと、雇用と中小企業を守る政策に関し、国会の財務金融委員会で当時の中川財務大臣、白川日銀総裁を相手に金融機関の貸し渋り、貸しはがしを追及した結果、その後の政府による経済危機対策が実現したという経緯を報告。そうした中で雇用調整助成金の拡充で250万人の目標に対し2カ月で233万人の雇用が確保されたと報告した。
 そのうえで、「政治家のための政治はなんの意味もない」と自民党内部の争いを痛烈に批判、「私は政局に組みしない」として、「日本人が望む政治、世界に通用する政治をするため、政治家を続けさせて欲しい」と訴え、会場から拍手を浴びた。

 

[イベント情報]

●伊勢丹相模原店が「メンソ〜レ〜大沖縄展」
 8月12日から17日まで本館5階の催物場で行い、沖縄の銘柄ミートの味わいを楽しめる限定弁当として、那覇市・第一牧志公設市場和ミートの石垣牛弁当(1折1050円)、名護市・ドルバコの今帰仁(なぎじん)アグ豚丼(1折1050円)をそれぞれ各日限定50点限定で販売する。このほか、宜野湾市・Sun Room Sweetsのマンゴーレアチーズケーキ(1個1601円)、新登場の那覇市・ぱいかじの沖縄シュークリーム(マンゴー1個315円、各日100点)も含めすべて実演販売する。また、イートインでは南城市・玉屋のソーキそば(1人前801円)、本館2階のギャラリースクエアでは糸満市・日進商会のかりゆしウェア(メンズで6300円)のほか、沖縄スタイルのTシャツ、ワンピースなどを販売する。

8月12日 水曜日

[首都圏南西地域産業活性化フォーラム]
CO2削減図るカー生産を紹介
電気自動車とリチウム電池

 「自動車誕生から100年、今、環境に配慮した新しいクルマの時代が始まります」とうたった、第14回首都圏南西地域産業活性化フォーラムが7月23日、相模原市西橋本のサン・エールさがみはらで開かれ、約150人が参加した。
 今回のテーマは、地球温暖化防止に向け二酸化炭素削減への期待が高まるエコカーとキーデバイスであるリチウム電池。最先端の生産現場で開発に携わっている2人の専門家が講演した。
 初めに人見義明氏(日産自動車(株)先行技術開発本部技術企画部主担)が日産のCO2削減のための取り組みとして技術革新、エコ運転、ITを活用した最速ルート探索システムの導入を挙げ、これらにより従来比20パーセント前後の削減効果が実証されたと指摘。
 さらに、2010年に市場へ投入する初のEV(電気自動車)に言及。「静かで快適な乗り心地という評価を得ており、普及に努める」と語り、EVとITSを活用して都市交通の流れを改善する可能性も展望した。
 次いで近藤正樹氏(NECトーキン(株)ラミネート電池事業部事業企画部長)が「大容量リチウム電池事業への取り組みについて」と題して講演。
 大容量リチウム電池の長所として安全性、高充放電特性、低コストを挙げ、「自動車だけでなく民生用にも応用可能」とした上で、需要の急速な拡大も視野に入れ相模原市下九沢のNEC内に置く自社事業所で生産体制を整えていると説明した。
 2人の話は専門的な領域にも及び、熱心に耳を傾けていた参加者から技術的な質問が出される場面も見られた。

 

[相模原市]
市域北部は「緑区」
政令市推進会議決める

 相模原市は7月14日、この日開いた政令指定都市推進本部会議で行政区の区名案と津久井地域自治区設置期間の変更および住居表示に関する考えを決めた。
 区名案については、南部を「南区」、中央部を「中央区」、橋本や大沢と旧津久井郡エリアを「緑区」としたもので、この「緑区」については区名案募集や意向調査で同名称と共に「北区」もあげられたが、行政区画等審議会が「緑区」を答申、これに対し「北区」支持の住民から市議会にこの名称を求める陳情などが複数提出されていた。しかしながら、議会がこれを採択しなかったため、市は「区画審議会の答申内容を尊重した」とする一方、市の施設や組織の名称への影響、近隣政令市(横浜市)との住所の重複などを検証した結果、特に問題ないと判断したとしており、既存の北市民健康文化センター、北総合体育館、相模原北公園など公共施設の名称は特に支障がない限り変更しない。
 また、津久井地域の自治区は従来「2011年3月末まで」としてきたが、これを前倒しして「2010年3月末」に変更、同地域の住居表示は自治区の名称(旧町名)をつけない形にし、現在の「相模原市津久井町中野○○○番地」から「相模原市緑区中野○○○番地」に移行する。
 市はこれらの関係条例案を12月の市議会定例会にはかったうえで正式決定する。

 

[引地川かわくだり]
30キロを歩き清掃
ハヤやハグロトンボも

 大和市の引地川かわくだり実行委員会(飯塚栄子委員長)による今年で20回目の引地川かわくだりが7月20日に行われ、小学校高学年から大人までの約50人が福田7丁目の御嶽橋から下草柳のふれあいの森ふれあい広場までの約30キロの川の中をのぼり歩いた。
 その参加者たちが見かけたのはハヤやコイのほか、清流を好むとされるハグロトンボなどだが、一方で依然として捨てられている車やタイヤを目のあたりにして、それを片づけるひと幕も。
 そのゴールとなるふれあい広場には大木市長も姿を見せ、年齢制限で参加できなかった幼児や児童と保護者約60人が水遊びや水生生物を採取し水質の調査などを行った。
 参加者たちは約2時間半をかけてゴールに到着、拍手で迎えられて疲れた表情を笑顔に変え、ほっとしていたが、大和西高校3年の北村理沙さんと中西美咲さんは、「思ったよりごみの種類や量が多かったが、人と触れあいながらの活動はとても楽しかった」と話していた。

8月13日 木曜日

[モデラート工房]
5軸Mで試作品特化
団地内企業と風力発電も

 テーブルに傾斜軸(A軸)と回転軸(C軸)が加わった5軸マシニングセンターが注目されている。モデラート工房(大和市下鶴間3854—1、テクノプラザ大和内、佐川博文社長)は4年前、全国で2番目に導入し、他社との差別化を図ってきた。経済不況のあおりを受け、受注は激減しているが、限界知らずの性能に熱い視線が注がれている。
 5軸マシニングセンターは3軸(XYZ軸) では難しかった加工が可能で、時間も短縮できるほか、仕上がり面がはるかに向上した。加工の位置を変える段取りの度にズレていた精度の誤差も小さく、精巧で高品質のものが仕上がる。コンピュータでプログラム入力すると自動的に加工するので無人で済むのも3軸にはない特徴だ。  品の形状にもよるが、形状が複雑になればなるほど3軸の加工に比べ半分のコストで済む。チタン、ステンレス、鉄、アルミなどの堅いものから樹脂、スポンジなど柔らかいものまで自由自在に削ることが可能だ。
 大手メーカーから受注したものは5軸で切削、加工する。自動車、家電メーカーからのパーツ関連の受注が多く、そのほとんどがデザインの元となる試作品。自動車は主にモーターショーに出品される車のヘッドライトやメーターパネルなど。家電は冷蔵庫や洗濯機、照明器具、医療機器など多岐にわたる。
 同社長は「5軸マシニングセンターでの切削、加工は他社では絶対マネができない。これからも五軸で試作品を作ることに特化していきたい」と話した。
 同社は同じテクノプラザ大和内の企業数社と提携し、製品の生産向上を図っている。プラザ内の数社が技術力を結集させることで、より高品質なものを仕上げる。現在、数社で風力発電の開発を進めており、同社が風速計の設計と本体部分の試作品を担当した。
 プラザ内にある企業同士がコラボレーションして技術協力をし合い、得意な技術を持ち寄って、優れた製品を作り上げていく。受注生産ではない開発型の中小企業を目指しており、テクノプラザ内の結集した技術力を全国に向けて発信している。

 

[相模原青年工業経営研究会]
今秋から会員連携事業
受注HP立ち上げ

 相模原青年工業経営研究会(46社、松永晃一会長)の連携推進事業の柱となるホームページを活用した共同受注の骨子案が固まった。9月に現在とは別ドメインで新ホームページを立ち上げ、問い合わせ窓口となる事務局も設置する。
 新ホームページは会員企業の個別紹介を目的とせず、医療機器、建設、物流、特殊車両、航空宇宙、電気電子、自動車、精密機器の八つの業界、自動機設計・製造、切削加工など15業種などのカテゴリー別に同会として対応可能な技術をアピールする。事務局が問い合わせを受け、約10人の連携推進実行委員が受注に適した会員企業を割り振り、関係する会員企業と顧客が直接打ち合わせる仕組みで、構想から製造までの一括受注か装置など完成品に近いものの受注を想定している。
 昨年から京都の工業系連携団体「試作ネット」を視察してきた松永会長は「連携の意味は、(窓口をもつことで)会員企業が今までにない仕事をして技術を向上させる機会として、また、構想から完成までものづくりのプロセスを知り、社内のモチベーションが上がる」と期待を示し、「受注は利益が絡むだけに信頼関係があるから出来る事業。あくまで青工研は勉強する場なので利益直結としてではなく、まずはPR効果を期待したい。この取り組みの後に各会員間で連携が生まれれば」と話す。
 この取り組みで8月に中小企業IT認定大賞の認証取得、11月に同会として東京国際航空宇宙産業展に出展、冊子も配布する。

 

[三栄ハウス]
銘木無垢材家具メーカー「祭り屋」の展示家を特価販売

 三栄ハウス(株)(相模原市相模大野3—20—1、中島信義社長)は7月15日から本社ショールームなど同社の展示場6カ所で銘木無垢材家具メーカーの「祭り屋」の展示家具を特価で提供するセールを始めた。
 同社は国産無垢木材にこだわり、環境面に配慮した健康な住宅づくりをモットーにしており、家具についても「いいものをきちんと手入れして長く使って欲しい」という思いで「祭り屋」の家具を住宅展示場で紹介している。
 その家具を8月31日まで販売するもので、本社ショールーム以外の展示場は次のとおり。▽相模原(向場町)▽平塚(桜ヶ丘)▽秦野(平沢)▽平沼(横浜市西区西平沼町)▽三栄ネクスト(相模原市相模大野)

8月14日 金曜日

[さがみはら産業創造センター]
地場企業の人材育成支援
経営者による未来塾推進委員会立ち上げ

 (株)さがみはら産業創造センター(SIC、西橋本5—4—21、石川幸二社長)が地場産業界の人材育成と人材採用の支援に乗り出し、その中核組織として「さがみはら未来塾推進委員会」(会長・甲斐美利向洋技研社長)を立ち上げ、市行政の協力も受けて8月から人材育成に関わるセミナーの未来塾を開講する。インキュベーション機関が製造業を中心とした地場企業の人材支援の取り組みを始めるのは市内で初めての試みで、県下でも珍しいとされるだけに、今後の展開が注目されそうだ。
 SICが地場企業の人材支援に乗り出した背景には今回の経済不況がある。急激な業績ダウンを受けた中小製造業は、従業員を週何日か休ませる休業を余儀なくされており、このため「この不況を機に人材育成に注力したい」という強い要望があったという。
 そこで人材の育成、採用に対する企業ニーズをくみあげる組織として地場企業経営者ら十数人による未来塾推進委員会を立ち上げたもので、人材育成については今年度、「未来塾」の名称で8月から来年3月までの毎週金曜日に、企業の若い人材の技術継承も含めた各種セミナーを行う。
 その一方で地場企業をヒアリング調査し、人材育成に加えて人材採用のニーズも把握、企業の認知度向上とあわせて高校、高専、大学の進路指導教員と企業経営者との懇談の機会を設けたり、企業見学ツアーなども行い、高校や大学卒者の地場企業への就職を促す活動も行う。
 こうした人材採用にまで踏み込む試みは初めてとされ、SICの山本満専務は「まず、地元の高校生や大学生に地場の企業を知ってもらい、それが企業の採用につながる形の機会にしたい」と話している。
 ちなみに、8月から行う未来塾のセミナーのテーマは、①企業人としての心構えを学ぶ②中堅社員におくる意識改革のすすめ③技術、技能伝承のためのスキルを身につける④表現力を開発するワークショップ⑤こうすればできる継続的な売り上げ向上⑥原価計算の実際を学ぶ⑦トヨタ式カイゼンを学ぶ⑧消費者視点の商品開発⑨セルフストレスマネジメントなどで、有料だが一部無料もある。  受講の問い合わせはSIC。電話042—770—9119。

 

[コジマ技研]
卓上型串刺機を開発
小店舗ターゲットに

 焼き鳥など食品の串刺し作業を自動化した万能自動串刺機を開発、製造するコジマ技研工業(有)(相模原市中央5—3—14、小嶋實社長)はこのほど、これまでの自動串刺機を大幅に小型化した卓上型自動串刺機「ちびすけジュニア」を開発し販売を開始した。串刺機のパイオニアとして国内シェア90パーセント以上を誇る同社が、新たに小規模飲食店をターゲットに開発したもので、食品業界から注目が集まっている。
 同社は1985年に創業。串刺機の後発メーカーながら、波型のトレーにセットした食材を上から押さえることで、布を縫うように食材に串を刺す独自技術を開発。コンニャクでも抜け落ちず、食材を選ばずに何にでも刺せる万能型自動串刺機を製造し、今や国内市場占有率90パーセント以上、海外へも輸出する世界唯一の串刺機メーカーとなっている。
 このほど開発した卓上型自動串刺機は、これまで食品加工工場などをターゲットにしていた自動串刺機を小規模店舗向けに小型化したもので、設置場所を選ばないコンパクトサイズ。ベルトコンベアー部分を無くし、金属板が食材を押さえる作業を手動化。刺し込み時のみモーターが回転するため、消費電力を約42パーセント削減し、ランニングコストを軽減している。1時間で平均300本の串刺作業が可能で、オプションの食材トレーを交換すればあらゆる食材に対応できるという。価格は約60万円。スーパーのバックヤードや個人経営の焼き鳥屋、居酒屋などへの販売を狙っている。
 小規模飲食店にとって60万の設備投資は決して小さな額ではないが、小嶋社長は「人の手で1時間に刺せるのは職人でも100本が限界。時給1000円として1本10円のコストが掛かる。1日300本作業すれば1日3000円、10日で3万円になる。しかし卓上型自動串刺機は5年リースで月額約1万円で導入が可能。1日300円、1本当り1円となりコストの削減が実現できる」と話す。
 同商品は今年6月に東京ビックサイトで開かれた国際食品工業展でも注目を浴び、試作品10台はすでに完売。焼き鳥の屋台業者などから注文があったという。
 小嶋社長は「今は安くていいものしか売れない時代。加工済み冷凍焼き鳥を仕入れて販売するより、新鮮な食材を仕入れて店舗で加工する方が安くて美味しいものが提供できる。ただ串刺し作業は負担が大きいため、この作業を軽減し、コストの削減も同時に図りたい」と話している。

 

[武藤工業とサトー精工]
今秋にも経営統合
製販一体化で足元固め

 金属熱処理と機械加工の一貫体制を敷いてきた(株)武藤工業(大和市下草柳825—4、佐藤卓弥社長)と(有)サトー精工(同、同)が今秋にも経営統合する。  現在、両社は佐藤社長が兼務し、社屋も同じ敷地内にあり、独立採算制で経営してきた。しかし、経済不況の影響を受け、より磐石な経営を目指すために、足元を固めることにした。
 佐藤社長によると、経営統合は、武藤工業の9月決算後の10月頃と示唆しており、実現すれば金属熱処理業界のトップに躍り出る。「合併後は新しい社名で再スタートを切りたい」と意気込んでいる。
 武藤工業は金属熱処理加工の草分け的な存在であり、一方、サトー精工は熱処理品を専門に扱う商社。7年前にサトー精工が武藤工業の敷地内に移転。それ以来、“二人三脚”で操業してきたが、実態は営業、製造部門と別々の法人各として登録していた。
 熱処理会社のサラリーマンだった佐藤氏が独立し、1992年12月に横浜市内でサトー精工を設立。熱処理の設備を持たず、顧客から預かった熱処理品をいくつかの工場に分けて熱処理をした。その1つが武藤工業だった。同社はボルト1本から量産品まで製造していたが、技術者集団で営業マンがおらず、サトー精工から受注していた。それが縁で武藤工業社長(現相談役)から社長就任を打診され、現在の形になった。
 武藤工業は1977年10月に設立。創業以来、熱処理と機械加工を専門に行ってきた。真空処理、金属熱処理などさまざまな熱処理加工から生まれる製品は精巧だ。従業員全員が金属熱処理技能士の資格を持ち、品質マネジメント規格ISО90001と環境規格ISО140001を認証取得している。
 「ISОを取得していないサトー精工が合併によって対外的にアピールできる点もプラスの材料になるし、従業員全体の覇気にもつながる」と経営統合には前向きの姿勢で臨む構えだ。

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