8月17日 月曜日
[住友スリーエム]
毎年恒例の「夏休み子ども科学実験館」開催
近隣の小学生55人が参加
化学メーカーの住友スリーエム(株)相模原事業所(南橋本3—8—8)は7月25日、毎年恒例の「夏休み子ども科学実験館」を開催、近隣の橋本、作の口、小山、清新、向陽の5小学校の児童55人が工夫を凝らした実験に参加した。
この取り組みは子どもの科学離れが進む中、地域の子どもたちに科学の楽しさを体験してもらおうと同社が全国数カ所の事業所で毎年開催しているもので、相模原事業所は7回目。若手のチームリーダーを中心に約60人の社員が実験の企画からこの日の運営まで行った。
今年の実験は「スーパーボウルを作ろう!」「色と光の科学」「ドライアイスの科学」に加え、「青焼き」の原理を活用した全体アトラクションもあり、子どもたちは3チームに分かれ、午前と午後で全実験を体験した。
「スーパーボウル」の実験は微粒子の天然ゴムが水中に分散した乳濁液「ラテックス」にレモン果汁を注いでゴムの固まりを取り出すもので、子どもたちは紙コップ内の溶液を割り箸でかき混ぜ「綿菓子みたい」と笑いながらもじっくりと変化を観察、箸先にゴムの固まりがくっつき始めると歓声が上がった。実験後、アルカリ性を示すラテックスが酸性のレモン水により中和され、ゴムに固まる仕組みを説明した山内孝哉さんは「スーパーボウルづくりは反応を間近に見られる実験。知識として知っていることに、実際の体験をプラスしてあげたい。自分としても夏の楽しみなイベント」と話す。
「色と光の科学」は目の錯覚を利用し、ビー玉を軸に白黒の模様が描かれたコマを回すと何色もの色が見える体験で、子どもたちは「赤が見える」「緑だ」など声をあげて夢中になり、回す速度や回転方向によっても色が変わるので、「目は完璧ではなく、曖昧な部分を持っている」という説明に聞き入っていた。
入社3年目でこの取り組みの全体を統括するチェアの野々木麻里さんは「大変だったけれど、子ども達の反応を見て、それに見合った楽しさがあった。参加したみんなには将来科学者になって欲しい」と笑顔で話していた。
[大和消防本部]
2チームが全国大会へ
引揚救助と障害突破の2種目で
第38回消防救助技術関東地区指導会が7月23日に横浜市消防訓練センターで行われ、県を代表して陸上の部団体で引揚救助と障害突破の2種目に出場した大和市消防本部の2チームがそれぞれで1位になり、全国大会出場を決めた。
この日の同会に出場したのは山梨、静岡、長野の3県を含めた1都9県の199の消防本部から選抜された595人で、陸上の部団体3種目、水上の部個人・団体7種目の競技が行われた。
このうち陸上団体2種目で優勝した大和のチームとタイムは次のとおりだが、この記録は大和市消防本部発足以来の快挙という。
①引揚救助(青木仁、門倉寛文、上西創、山下伸明、根本豪人)76.8秒②障害突破(塚田享太、岡直樹、遠藤真太郎、村上塁、蛭田修司)96.3秒。
[イベント情報]
●現代美術版画展
8月19日から24日まで伊勢丹相模原店本館6階アートギャラリー。日本の現代美術の草分けである草間彌生、横尾忠則らによる「岡部版画工房」の版画を中心にオリジナル版画も含む約60点を展示販売する。
●特別展・慶応義塾創立50周年記念「福沢諭吉と神奈川」
8月22日から9月23日まで県立歴史博物館。1859年(安政6)に開港間もない横浜を訪れて英学を発信、翌年咸臨丸で渡米、都合3回の海外体験で西洋文明を日本に紹介、民間人の立場から近代日本を先導した諭吉は、県内で横浜財界人と貿易商会や横浜正金銀行を設立、箱根の道路整備、相模の自由民権運動、横浜商法学校(市立横浜商高の前身)の創立などに関わった。そうした資料など約180点を展示。観覧料が大人800円(団体700円)、20歳未満・学生500円(同400円)、高校生・60歳以上100円。電話045—201—0926。
●桜美林大学群読音楽劇「銀河鉄道の夜2009」
8月22日から24日まで全5ステージをJR淵野辺駅北口の同大プルヌスホールで公演。市民と学生181人が演技や歌、ダンス、ジャズピアノやパーカッションの生演奏と共に宮沢賢治の名作を演じる。料金が前売1000円、当日1200円。また、付帯企画として「銀河鉄道の夜」イメージ画コンクールの優秀作品を同ホールのエントランスで展示。チケットは電話042—704—7133。
8月18日 火曜日
[清新小学校]
総合学習で合わせガラス剥離実験見学
相模原市立清新小学校(清新3—16—6、木下英雄校長)の3年生総合学習のテーマで「清新の町の自慢を見つけよう」が7月3日に行われ、2組の児童7人と担任の今野ちさと教諭が(株)オメガテクノモデリング(清新8—11—1)を訪問、倉本俊司相談員の指導で合わせガラス剥離の実験や飛行機のプロペラの機能を学び、実体顕微鏡による体験を行った。
後日、これらの体験へのお礼を兼ねた感想文が全員から同社に送られてきたが、ガラスの中に中間膜が入っていて沸騰したお湯に入れるとそれが剥がれたり、プロペラが回転を重ねると宙返りできる実験などを目のあたりにして、驚いたり感動した様子が綴られていたという。
[横浜銀行]
店舗ポスターに「夢見る数字」
4半期ごとに衣替え
横浜銀行(横浜市)は2009年度から新たなパブリシティとして店舗のポスターや店内で配布するミニ新聞を使った「あなたのそばで夢みる数字」のプロジェクトを開始、今年度は「こどもの夢」をテーマに4半期ごとに更新するスケジュールで、4月から6月は「こどもの夢・宇宙」、7月から9月は「同・結婚」をサブテーマに展開、新発想の試みとして話題を呼んでいる。
新たな発想の契機となったのは銀行店舗のショーウインド。駅前に立地しているにもかかわらず、金融商品の広告やお知らせといった銀行都合の一方的なコミュニケーションで終わっている状況だったため、ビジュアルなツールで店舗の周囲を楽しくすれば新たなコミュニケーションが可能と判断、同プロジェクトによる発信になった。
そのポスターには数字が入っており、宇宙編の「横浜赤レンガ倉庫」の写真には金融教育を兼ねて「307000」とか「1609」を配置しているが、これは日本でできる無重力実験飛行の「307000円」と、ガリレオが望遠鏡で初めて宇宙を見たと言われる「1609年」の意味。また、この写真を撮影しているのが、木村伊兵衛賞を受賞している本城直季氏で、ミニチュア調のトーンが親しみ感をもたらしている。
一方、「数字新聞」はポスターの写真を表面に配し、裏面でテーマに沿ってタレントインタビューや数字の解説などを盛り込んでいる。
この企画、制作にあたっているのが(株)ルーシーケイ(東京都渋谷区)で、同社はこうした試みを「企業広告だけに偏らない、顧客と地域のつながりを大切にするクリエイティブとして提案していきたい」と話している。
[Sokei短信]
●ハインツ日本(株)の調査で“家飲み派”が増える
同社(東京都台東区、前田英弘社長)が今年4月に行った20代から50代の174人の調査で、1年前に比べて「家で飲む機会が増えた」と回答した割合は“家飲み派”のほうが17パーセントで“外飲み派”より高く、逆に外飲み派で「機会が減った」と回答した割合は34パーセントという結果が出たという。
同社はそうした“家飲み派”用のおつまみとして9月1日から「レンジでカリホックスパイシーポテト ペーパー&ガーリック味」を発売、この商品と同シリーズで先行する「レンジでカリホックフライドポテト」の2品を対象にした抽選で800人にサントリー・ザ・プレミアム・モルツ(350ミリ12缶)が当たるクローズドキャンペーンを行う。9月1日から11月6日までに商品に添付したポイントシール(2ポイント1口)をハガキで郵送すると抽選が受けられるもので、問い合わせは電話0120—370655。
●全国47都道府県理容組合が9月14日にボランティア活動
全国の理容店約7万5000店で組織する全国理容連合会(東京都渋谷区、大森利夫理事長)が「理容ボランティアの日」と定めている9月の第2月曜日の14日、老人保健施設などを中心に出張サービスをはじめ、様々なボランティア活動を行うもので、神奈川県では多摩支部(71人)が中心になって特設ホームなどで出張理容を行う。
●(財)東京都中小企業振興公社多摩支社が第2回産産連携普及啓発セミナー
中小企業が大手メーカーと連携し、共同開発・共同研究を行っていくうえで課題となる「秘密保持の重要性」と「交渉力」について9月2日午後1時30分から多摩中小企業振興センター大会議室で行い、同公社知的財産総合センター多摩支援室相談員の笹原治男氏と(有)ビジネスプランナーの島田士郎社長が講演する。参加費無料で定員が中小企業50社。申し込みはHP「アスプラザ・検索」で。
8月19日 水曜日
[青野原環境美化委員会]
不法投棄防止でネット
青野原小の児童が制作
相模原市津久井町の青野原環境美化委員会(菊地文一会長)は7月26日午前8時30分から同小近くの国道413号線沿いに約40メートルの不法投棄防止ネットを設置した。市立青野原小学校の4年生が環境をテーマにした総合学習の一環として制作したもので、「緑あふれるまちづくり」などの標語に加え、花や動物などをあしらった温かいデザインが目を引いている。
青野原地区の不法投棄についてはコンビニ袋や弁当などの一般のごみに加え、建設廃材やガラス、残土など業者による大量投機も多く、ある地点では沢が埋まる程の空き缶約2トンが投げ込まれた例もあるという。
こうした中で同会は昨年、相模原市と不法投棄防止活動のパートナーシップ協定を結び、投機が多い場所に設置した監視カメラの管理や周辺の草刈り、花を植えたプランターやのぼり旗の設置を行っている。
ネットついては同小に制作を依頼して約五年前に初めて設置、現在は同地区内の2カ所に張っている。今回は老朽化したネットを張り替えたもので、同会がネットや紐、ペンキなどの材料を提供し、児童が標語やデザイン、制作に取り組んだ。制作前には菊地会長が活動を紹介する授業を行っており、「ごみを捨てない子になって欲しい。手作りで和やかな雰囲気に仕上がっていて、抑止効果を期待している」と話している。同会は来年に3カ所目の設置も計画しているという。
このほか、監視カメラ周辺に設置しているプランターづくりも同小と恊働で行っており、加藤正美校長は「不法投棄という身近な実体から環境学習を成り立たせている。座学ではなく、地域の方々を交えて学ぶ機会づくりに力を入れている」と話している。
[相模原機械金属工業団地]
納涼盆踊り大会に800人
地域住民をまじえ
相模原機械金属工業団地協同組合(梶山治理事長)が主催する第26回納涼盆踊り大会が7月29日午後6時から組合会館前駐車場で行われ、従業員や地域住民ら約800人が夏の恒例行事を楽しんだ。
同大会は同組合が従業員の慰安と地域住民との交流のために毎年開催しているもので、会員企業から選出された実行委員約40人がボランティアで交通整理や出店などの運営にあたっている。
「不況だからこそ、祭で盛り上げたい」(関根良男事務局長)と取り組んだ今年は、実行委員が運営する焼き鳥やかき氷、フランクフルト、焼きそば、射的や綿菓子などの店に加え、モランボン(株)が出店した炭火焼き肉屋も大盛況だった。会場中心にはのぼりが建てられ、新相模原音頭や盆踊りの曲目に和太鼓の演奏が加わり、祭を盛り上げた。
今年は来賓として加山俊夫市長が初めて顔を見せ、「世界は100年に1度の不況と言われる中、とりわけ金属工業団地のような製造業が大変不透明な時代だが、国の経済対策と連動していち早く脱却したい」とあいさつ、続いて相模原商工会議所の河本洋次会頭が「不況の真只中においても団地の祭が出来るのはこの地の他にない」と讃えた。
梶山理事長は「(同大会は)地域の人たちへの奉仕の意味合いが強い。日頃は周辺地域に団地からの車が横切るので、地元の方にお返しする機会。各企業の浮き沈みは厳しい時代だが、祭は今後も続けていきたい」と語った。
同大会の終盤に東京ディズニーリゾートペア招待券やプレイステーションポータブル、iPodシャッフル等が当たる福引き大会を行い、会場が盛り上がった。
[中島建設]
エコ活動で10袋のごみ回収
総合建設業の(株)中島建設(相模原市松が枝町4—5、中島一弘社長)と協力会社の従業員や家族ら約90人が7月18日午前10時から1時間にわたって相模川の高田橋周辺のごみ拾いに汗を流した。
同社が約60の協力会社を誘って懇親を図るバーベキューの前に、「せっかく集まるのだから公共的な清掃活動もやろう」として昨年から取り組んでいるもので、この日は鉄の固まりなど大型のごみを含む90リットルのごみ袋10個分を回収した。
炎天下だった昨年に比べ、今年は過ごしやすい曇り空の下で夏休みに入りたての子どもたちも熱心に取り組み、心地よい汗を流した後はバーベキューを楽しんだ。同社は今後、この活動を恒例行事にしていきたいという。
8月20日 木曜日
[相模原市産業振興課企業立地推進室]
経営状況等調査結果
STEP50企業も冷え込み
相模原市産業振興課企業立地推進室はこのほど、STEP50(さがみはら産業集積方策)で2005年度から2008年度までに認定を受けた企業等81件のうち昨年12月末から今年1月22日まで73社(貸し工場等除く)を訪問して経営状況などを調査した結果をまとめ、市議会産業集積対策特別委に報告した。
これによると、前年との比較による業況判断で昨秋10月から「冷え込んでいる」と回答した企業は61社の83.5パーセントに及び、「活況」の5.5パーセント、「変わらない」の11.0パーセントを大きく上回っている状況が判明した。
また、前年比の売上動向でも「下がっている」が52社の71.2パーセントで、「伸びている」10社の13.7パーセント、「変わらない」11社の15.1パーセントを大きく上回り、6カ月先の見通しについても「冷え込んでいる」が61社の83.0パーセントに及び、「活況になる」の9社12.5パーセント、「変わらない」という3社の4.2パーセントを大きく上回った。
ただし、この後3月あたりから改善に向かっている中小製造業もあるため、この調査結果は最悪期の状況を映したものと見られる。こうした状況を見ても2010年度の市税収入に及ぼす影響は必至だ。
ちなみに、STEP50による2005年度から2008年までの奨励金交付は3年分割で41社に17億4322万1000円になっているのに対し、市税収入は6億5195万円になっている。
[三菱重工業]
タイ新工場が完成
ターボチャージャー生産
三菱重工業(株)(東京都港区)がタイの首都バンコク近郊で建設を進めてきたターボチャージャーの生産工場が完成、これを記念した式典が7月17日、現地で行われた。
タイ新工場は同社が昨年1月に設立した全額出資の現地法人Mistubishi Turbochager社(MTA、岩松茂喜社長)の生産工場で、バンコク南東約80キロにあるアマタナコン工業団地に位置し、ターボチャージャーのコア部分であるカートリッジの年間生産能力300万台を有し、汎用機・特車事業本部相模原工場(田名)が担ってきたグローバルなカートリッジ供給拠点の役割を分担、年間50万台の最終組立能力や販売機能と共に材料の調達も担い、現地における営業、技術、品質保証サービスにも対応する。
昨年4月に着工した新工場の敷地面積は約14万7000平方メートルで、延べ床面積が約6万平方メートル。今年1月から生産設備を導入、3月から試運転を始めていた。従業員は130人体制でスタート、生産が軌道に乗った段階で700人規模まで拡大する。
ターボチャージャー市場は近年、世界的な需要拡大が続いてきたが、昨年以来の経済・金融危機の影響で現在低迷を余儀なくされている。しかしながら、2010年以降に本格化する排ガス規制や燃費規制強化を背景に、需要急伸が期待されており、タイ新工場の新設で日本、欧州と共に世界三極を軸とする最適生産・調達体制が整いグローバルな顧客即応体制を確立した。
これに伴い同社は為替リスクの回避とフレキシブルな生産融通で2011年までのターボチャージャー生産690万台体制と世界シェア25パーセントの達成を目指す。
[桜ゴルフ]
ゴルフ会員権事業を行う(株)桜ゴルフ(東京都中央区、佐川八重子社長)の子会社(株)桜ゴルフ総合研究所(同所)はこのほど、同社調査の「ゴルフマーケットレポート」で、今年4月の3週に関東圏における会員券市場の平均相場が底打ちから反転、約25カ月ぶりに上昇に転じ、高額名門コースがこれを牽引していると報告した。
関東圏の今年の市場は1〜3月が「続落」、4〜6月が「底打ち・反転」という展開で、1000万円以上のトップコースで4月のボトム比で16.1パーセント増となっており、500万以上の中堅上クラスでも10.2パーセント増となっている。全国でも関東に続いて近畿も4月中旬から反転、次いで中部となっているが、3大都市を除く地域は値下がりが続いているコースもあり、「会員券相場の二極化が鮮明になっている」という。
ゴルフ会員券の相場は近年、上下動に揺れており、長期低迷を2004年12月に脱したあと、2006年9月までの1年9カ月で35パーセント上昇したが、2008年12月までの2年3カ月で42パーセント値下がりした。それがここへ来て持ち直してきたが、「同じバブル期に踊った株価や地価に比べると格段に低い水準」と同レポートは指摘。こうした動きは予想を越えるゴルフ場の倒産(バブル期の供給過剰により3分の1が法的整理)が足かせになった)とも指摘している。
ちなみに、「優良コース」として紹介されている相模原GCの会員券は今年3月の1360万円を底に1840万円まで持ち直しているが、直近ピークの2006年5月の3660万円に比べると49.7パーセントマイナスになっている。
8月21日 金曜日
[相模原市教委]
光明寺文書が有形文化財に
城山のウラジロガシが天然記念物に
相模原市教委は7月27日、2件の有形文化財と1件の天然記念物を指定、1件の無形民俗文化財と1件の史跡を登録した。
有形文化財2件は大石神社の神楽殿(藤野町牧野2957)と光明寺の文書(もんじょ)で、天然記念物は城山の大木ウラジロガシ(同町城山4—318—4、国交省管理)。
一方、無形民俗文化財は藤野の村歌舞伎(同保存会)、史跡は個人所有の千部塚伝承地(津久井町青山2591)。
このうち光明寺が所有する文書には太田資清(道真)、太田資長(道灌)、扇谷(おうぎがやつ)上杉家の上杉定正、上杉朝良、上杉朝興、三浦義同(道寸)の寺領安堵の書状、相模原市域にかかわるものとして津久井域主内藤大和入道と内藤康行、内藤綱秀、内藤直行といった代々の城主の寄進状、朱印状などがあり、総数で文書70通、絵図1枚と絵画1幅を所蔵する。
[大和商工会議所景況感調査]
マイナス値大幅改善
次期見通しもなお改善
大和商工会議所が会員500社を対象に行っている四半期ごとの景況感調査で今年度の第1四半期(4〜6月)の結果が大幅に改善している状況が明らかになった。
市内の製造、建設、卸小売り、飲食、サービスの5業務の結果で、依然としてDI値のマイナス状況は変わらないが、全業種でマイナス46.9になり、前期比25.0ポイントと大幅に改善したもので、業種別の改善度では製造業の37.5ポイント上昇によるマイナス37.0の突出が目立っている。
このほかでは飲食業がマイナス45.5で30・7ポイント、建設業が同47.2で22.5ポイント、サービス業が同51.6で12.7ポイント、卸小売業が同59.3で17.2ポイント改善した。
一方、次期(7〜9月)の見通しでも全業種平均でマイナス31.7と今期に比べ15.2ポイントの改善を予測している。
しかしながら、当面の経営課題としては全業種とも「需要の停滞」をトップにあげる一方、製品や請負単価の低下、販売価格安を2番目に指摘しているため、茨の道はまだまだ続きそうだ。
[ティーツー]
技能フェア2年連続金賞
高精度電子部品で
(株)ティーツー(相模原市橋本台1—11—6、富田一男社長)はアマダ社製のパンチプレス「MERK-TypeM」を駆使して高精密な電子部品の試作から少量生産まで手がけており、6月に優秀板金技能フェア(アマダスクール主催)の微細加工部品の部で2年連続の金賞受賞を果たした。
同社の富田社長はアマダ社に勤め、薄板の打ち抜きから曲げ加工を1台で行い、多品種少量で高精密化が進む電子部品の加工にも対応出来るMERKを企画した人物。「機械はものづくりを理解して初めて分かる」(同社長)との思いから2004年に独立し同社を設立した。
MERK工法は標準の金型を組み合わせて薄板を何発も打ち抜いて部品を作るので、専用金型を要さずに高精度なのが特長で、コストや納期短縮の面でも優れているという。
同社が扱う薄板は0.05ミリから1.5ミリまでの銅合金が中心。昨年の技能フェアに出品した電子部品「マイクロコンタクト」は「目に見えない程の大きさで感動するものを」というテーマで取り組んだ全長2ミリの極小部品で、曲げ加工まで加えている。
今年の受賞作「H・Tターミナル」(写真)は「目に見えて感動のあるものを」というテーマで入社1年目の従業員が取り組んだもので、最も幅が細い部分が0.12ミリ、約500から600発プレスしたという。同社長はMERKの開発に関わっただけに機械内部の部品まで熟知しており、加工ノウハウは従業員にも継承されているが、最大12本まで金型を組み合わせ、より効率的なプログラミングを追求するので「正解が無い世界」(同社長)という。昨年12月には3台目も導入した。
同社は主に大手電機メーカーの開発部門と機密保持契約を結んで試作品を手がけており、同社長は「困った時のティーツー頼みで、翌日までに必要と言われる時もある。設計担当者が工場に夜中まで詰めて、不夜城」という一方、「大量生産を初めとするものづくりが東南アジアにシフトする中、開発部門ぐらいは国内に残したい」と危機感を持って臨んでいる。
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