10月5日 月曜日
[相部生コン]
ICタグで生コン履歴
管理システム開発
相武生コン(株)(相模原市南橋本4—2—2、加賀規矩男社長)はICタグを生コンクリートに直接投入して生産履歴を管理するシステムを開発、昨年から横浜工場(横浜市瀬谷区)に導入して実証実験に取り組んでいる。
半製品である生コンは一般的に、製造工場名や骨材などの組成構成を記した配合計画書の提出と硬化後の強度確認で品質を確かめるので、若林俊作専務は「食品などの偽装事件が社会問題化する中、生コンは不安を持たれた時に、正当なものを正当だと証明する手だてがなかった」と話す。
そうした中で同社は加賀社長の発案で約3年前から開発を進め、生コン製造時に配合計画書などの情報を書き込んだICタグを練り込み、建築物から生産履歴を読み取れるシステムを確立した。
ICタグのサイズは17ミリ×12ミリ×12ミリで、樹脂でコーティングしている。強誘電体メモリ(FeRAM)を搭載し、容量は8キロバイトで生コン情報を約4000文字書き込める。改ざんを防ぐため一度書き込んだ情報は修正出来ない仕組み。13.56メガヘルツの周波数を使い、通信距離は約8センチで、読み取りは専用の装置で行う。
横浜工場では、生コンの出荷を管理する司令室のパソコンからICタグ投入器に情報を転送し、タグに書き込むと生コン1立方メートルに1つの割合で自動投入される。人手を介さずにタグ情報と生コンの品質が一致し、「硬化後にタグを掘り出して改ざんするケースも考えにくく、作為の余地が無い」(若林専務)。
同社はこれまで、3つの現場に試験的に納入しており、今後も実証実験を重ねる。金子茂専務は「まずは相武生コンの品質を高め、将来的には私企業の取り組みとしてだけでなく、業界全体に標準化されるのが望ましい」と話しており、同社は今後、系列の三智商事㈱を通してICタグの販売も視野にいれているという。
[市立博物館]
秋季企画展「市民と歩いた横浜への道」展
うさぎ作りや講演会も
相模原市立博物館(高根3—1—15)は今年度の秋季企画展として、今年の横浜開港150周年に合わせて「市民と共に歩いた横浜への道」を11月23日まで開く。
横浜開校の節目に合わせて市民有志の民族調査会が結成され、そのメンバーと同館学芸員がJR中央線相模湖駅から横浜の関内地区まで歩きながら途中で見学した寺社や石仏をまじえ、その活動成果を紹介すると共に、市域から横浜への道、横浜開港が地域に与えた影響など、近代期を中心にした市域と横浜の関わりを示す資料などを展示するもので、横浜水道設置の経緯や横浜鉄道(現JR横浜線)の橋本駅設置に至るいきさつも紹介する。
また、関連事業として、①「市民と歩いた横浜への道」発表会(11月1日・22日14時)②繭を使ったうさぎ作り(10月11日、11月8日11時)③展示解説(10月18・31日、11月14日13時)④記念講演会「横浜開港と生糸が運ばれた道」(10月25日14時、横浜開港資料館主任調査研究員・西川武臣氏講演)も行う。いずれも入場料無料。電話042—750—8030。
[大和市]
50周年事業で女子サッカー
女子小学生指導も
大和市が市制50周年記念事業として開催する運びになった女子サッカー・プレナスなでしこリーグの日テレ・ベレーザ対スペランツァFC高槻戦が9月6日に大和スポーツセンター競技場で行われ、北京オリンピックにも出場した市内在住の大野忍選手が所属する日テレ・ベレーザが1—0で勝利を飾り、このあと同チームの選手たちによるサイン会が行われた。
また、この試合に先立つ午前11時からは日テレ・ベレーザの選手らによるニチレイサッカー教室も行われ、市内の女子小学生77人がコーチを受けた。未来のなでしこリーガーへの夢を育んでもらうためで、小学生たちは選手と一緒にドリブル、ディフェンス突破、リフティングなどに挑み、最後にミニゲームも行った。
この指導にあたった同チームの荒川恵理子選手は「みんな恥ずかしがらずにプレーし、元気がよくて思っていた以上に上手な子もいた」と称えていたが、参加した西鶴間レディースの佐藤りおさん(西鶴間小6年)は、「選手たちはとても迫力があり、参考になる点がたくさんあったので、今後自分でも試してみたい」と満足そうな表情で話していた。
10月6日 火曜日
[日本パッケージ・システム]
ヨーロッパ向けに工場フル稼働
ICカード内蔵アンテナで
日本パッケージ・システム(株)(相模原市相模大野2—11—30、真神孝男社長)は公共交通で普及が進む非接触型ICカードに内蔵されるアンテナを製造、その99パーセントがヨーロッパ向けで、工場がフル稼働している。
同社が手掛けるのはカード内部のフィルム状アンテナで、中間層のポリエステルの裏表面のアルミ二ウム箔にカードの形状に合わせてレジスト用インクをグラビア印刷で被着させ、それ以外のアルミ部分をエッチング除去して製造している。
アンテナ製造メーカーとしては後発だが、競合社は国内に1社、海外を含めると4、5社のみで、真神社長は「この業界自体に歴史が無く日々学習。印刷やエッチングの設備もメーカーに提案しながら改良し、研究開発しながらやっている」と話す。
同社は商社に務めていた同社長が1995年に設立、主に食品の包材の卸売業を手掛け、雑誌に付録として綴じるCDやDVDのパッケージで特許も取得、2000年に東京営業所を設けた。
転機は2005年。当時注目されていたID情報を書き込んだICタグによるトレーサビリティ(生産履歴管理システム)の普及を睨み、相模原市田名と北海道にアンテナ製造のエッチング工場を設け、製造業まで事業領域を拡大した。
しかし、「大手企業もICタグ事業に参入したが、国内で普及したのはほぼSuica(スイカ)だけだった」(同社長)。それまでは卸売業で増収増益が続いていたが、初めて苦戦を強いられる。
そこで、ヨーロッパ市場に活路を見出す。セキュリティの観点から地下鉄など公共交通のICカードが回数券方式で使い捨てという供給側のメリットもあった。同社は地下鉄のチケットに加え、スキー場の回数券向けにアンテナを供給、同社長は「ここ2、3年で軌道に乗ってきた」と話す。
卸売業と製造業は売り上げベースで半々。同社長は「卸はLEDなど環境対応の製品も扱っていき、製造はエッチング技術を主軸としてアンテナを作りながら、さらに用途開発に取り組みたい」として、「我々はタグボート。バランスをとりながらやっている」と強調、卸売業は国内、製造業は海外と異なる市場で舵を切る。前期売上高は約12億円。昨年の金融危機から円高で苦しんだが、黒字を維持した。
[文盛堂]
「おえかきコンテスト」で表彰式
文房具やOA機器を販売する(株)文盛堂(相模原市千代田6—1—18、尾作晃社長)は9月5日午前11時から同社2階で「おえかきコンテスト」の表彰式を行った。
同コンテストは同社が毎年8月末に行うサマーフェスティバルで昨年から開催、同社が画用紙と画材を提供し、幼稚園から小学校までの児童54人が「夏休みの思い出」「僕の私の宝物」をテーマに個性豊かな絵を描いた。
児童と保護者で満杯になった会場で尾作社長は「昨年より参加者が多く、選考は困難を極めた。本当は皆さんに賞を渡したい」と前置きした上で、市内在住の画家が選んだ金、銀、銅賞のほか、3つのメーカー賞、同社が選出するぶんちゃん賞の受賞者を発表、表彰状と記念品を贈った。
銀賞を受賞した山田裕理君(小1)は夏休みに家族とひまわり畑に行った思い出をカラフルな色使いで表現、目を引いた。祖母の山本房子さんは「家だとなかなか集中出来ないけど周りのお友達を見ながら上手に描けた。表彰式も思い出に残ると思う」と笑顔で話した。
[イベント情報]
●安富信也展
10月17日まで相模原市古淵2—3—7のギャルリーヴェルジェ。旧約聖書からの取材作品や海外の風景画など展示。電話042—776—6375。
●星野富弘花の誌画展
10月28日から11月4日まで杜のホールはしもと多目的室。闘病生活中に口に筆をくわえて文字や花の画を描き始め、入院中に聖書を読み始め、1974年に受洗。1991年に富弘美術館、2005年に新美術館が開館、入場者が延べで550万人を超え、詩画展が感動を呼んだ。入場料前売り500円、当日600円。小中学生は無料。電話042—754—4264。
●日本・ハンガリーイヤー2009「ヘレンド展」
10月21日から26日まで伊勢丹相模原店本館6階のアートギャラリー。シルクロードの新作で狛犬を象った飾り香炉「阿口牛」や絵変りフルーツマグ、フルーツボールセットなどを展示販売。電話042—740—1111。
10月7日 水曜日
[かっちゃん]
タンメンと焼き鳥が看板メニュー
淵野辺駅南口にオープン
JR横浜線淵野辺駅南口から徒歩3分ほどのところにこのほど、タンメンと焼き鳥を二枚看板に掲げた「かっちゃん」(相模原市鹿沼台2—11—6、NACビル1F)が開店した。
昼のメニューの中心は白菜、にら、もやしなど野菜たっぷりのタンメン(単品700円)。勝野圭介オーナーは「こだわりは鳥ガラ系のあっさりした塩味スープ。野菜といっしょにヘルシーな味わいを楽しんでもらえる」と自信のほどを語る。
セットメニューも用意しており、タンメン、餃子3個、ライスの「かっちゃんセット」が1000円、タンメンとミニカレーセットが900円。
夜は焼き鳥(1串120円〜)、とり皮ポン酢(450円)モツ煮込み(500円)など酒のつまみを豊富にそろえ、タンメンのほか鳥ぞうすい(600円)、焼きおにぎり(450円)などの食事類や女性向きのサラダも用意している。
飾り気の少ない店内はテーブル、カウンター合わせて23席。営業時間は午前11時30分〜午後3時、午後5時〜10時。
[税理士法人りんく]
民主党税制をメルマガで分かりやすく解説
税理士法人りんく(相模原市共和4—13—5、小久保忍代表)は、民主党中心の政権が発足したのを機に、同党が掲げている税制に関する政策をメールマガジンで分かりやすく解説している。
9月3日発行のマガジンでは法人税率の引き下げ、オーナー会社の社長の役員報酬相当分に対する法人税課税の廃止、自動車関連諸税の暫定税率の廃止の3項目を挙げ、政策の趣旨、具体策、効果を概説。
この中で法人税率の引き下げについて「利益が出ているもしくは出るようになってくる企業は恩恵を受けられますが、赤字企業にメリットは生じません」などと説明し、自動車諸税の暫定税率の廃止の効果として「ガソリン代も1リットル当たり25円相当値下げされます」としている。
このほか、「政権が交代しても将来の税制の基本的な流れは直接税(法人税、所得税)から間接税(消費税)にシフト」し、「消費税率の大幅アップは諸外国との比較から見ても避けられそうもありません」と指摘している。http://www.link-tax.com/
[ウィルシステム]
メールフォームの最適化サービスを開発
Webサイトの制作を手がける(株)ウィルシステム(相模原市相模大野7—24—15、佐藤瀬鈴菜社長)はこのほど、セキュリティ性が高く、使いやすくしたメールフォームの最適化サービス「Ladybird」(レディバード)を開発、販売を開始した。
開発したのは「電話番号やフリガナを入力したらエラーが出た」「入力と確認画面が何度も行き来してしまう」「携帯電話で問い合わせたのに、パソコンからでないとアクセスできない」といったトラブルを軽減するための「お問い合わせ」や「資料請求」のフォームで、このほかショッピングサイトの購入画面など個人情報の入力を必要とする様々な場面でも応用も可能という。
また、パソコン、携帯双方の利用も可能で、各種アンケートフォームや個人情報入力画面やチェック方式の変更にも対応可能なカスタマイズも用意した。
サービス料金は「お問い合わせ」フォームで1件あたり税込み24万8000円で、カスタマイズは別途見積もりになる。電話042—767—5140。
10月8日 木曜日
[県産業技術センター]
太陽電池等集中フォーラム
10月21日から23日開催
県産業技術センター(海老名市下今泉)は10月21日から23日に開催するものづくり技術交流会にあわせて低炭素社会の実現に向けた電気自動車、太陽電池、リチウムイオン電池などの新エネルギー関連技術や、中小企業などの省エネ法対応、環境、品質工学の取り組み事例を紹介するフォーラムを集中的に開く。
県内に研究開発拠点を置く神奈川R&D推進協議会のメンバー企業等の協力を受けて行うもので、新エネルギー関連の技術・製品の展示も行う。各フォーラムの主なテーマと報告者(カッコ内)は次のとおり。
●環境フォーラム(10月21日)▽省エネ法改正による企業が対応すべき具体策((株)山武ビルシステムカンパニー環境ソリュージョン本部環境マネジメント推進部・須田文隆部長)▽EVの未来と日本企業の競争戦略(立教大大学院ビジネスデザイン研究科・大久保隆弘教授)▽日産自動車のCO2削減の取り組みとゼロエミッションリーダーに向けて(同社技術開発本部・上田昌則エキスパートリーダー)▽富士フィルムの化学物質の安全とリスクに関する取り組み(同社CSR推進部環境品質マネジメント部・日置孝徳安全評価センター長)▽液晶ディスプレイの省電力に貢献する「パターン付拡散板」の開発(日本ゼオン(株)高機能樹脂・部材事業部オプテス技術部・小林昌志)▽日本版スマートグリット(仮題)((株)日立製作所・調整中)
●品質工学フォーラム(10月22日)▽品質工学の勘所とキャノン(株)の取り組み(同社解析技術研究部解析技術第二研究室・高木春記主幹研究員)▽日産自動車(株)の品質工学活用状況と実施事例紹介(同社車両品質推進部品質向上推進グループ・奈良敢也主幹ら)▽電装購入部品の生産準備プロセス改革((株)リコー生産技術センター部品技術室・小國哲郎室長)
●太陽電池技術フォーラム(10月23日)▽昭和シェル石油(株)の次世代薄膜CIS系太陽電池(同社ソーラー事業本部・掛川一樹課長)▽最近の薄膜Si製造装置((株)アルバックFPD事業部第三技術部・菊地正志技術部長)▽赤外分光法による結晶シリコン中の軽元素定量測定法(県産業技術センター機械・材料技術部・小野春彦副部長)
●第6回EV用リチウムイオン電池研究会フォーラム(10月23日)▽電気車両用二次電池を巡る国内外の市場動向(インフォメーションテクノロジー総合研究所・竹下秀夫副社長)▽電動車両用二次電池を巡る国内外の技術動向(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構燃料電池・水素技術開発部・小林弘典主任研究員)▽リチウムイオン二次電池が抱える課題と新規な電池理論の紹介((財)ファインセラミックスセンター材料技術研究所プロジェクト推進部・佐野茂主席研究員)▽リチウムイオン二次電池用バインダー(日本ゼオン(株)総合開発センター高機能材料第2研究所エナジー材料チーム兼機能性材料事業部・脇坂康尋販売グループ長)▽キャパシタによるエネルギーマネージメント複写機の補助給電システム((株)リコーオフィス事業統括センター技術戦略室・岸和人シニアスペシャリスト)▽電池のモデル化シミュレーション(横河電機(株)通信・計測事業部マーケティング部次世代新市場開発グループ・数見昌弘)
いずれも参加費無料で、①環境②品質③リチウムイオン電池の定員が200人、太陽電池が80人。申し込みは環境・品質・太陽電池が産業技術センターのHP(www.kanagawa-iri.go.jp/)からダウンロードしてメールかFAXで、リチウムイオン電池が県商工労働部工業振興課工業技術班サイトwww.pref.kanagawa.jp/osirase/kogyo/ev/index.htmlで。
[小田急電鉄]
海老名で「ファミリー鉄道展2009」
各種車両の実演やグッズ販売
小田急電鉄(株)(東京都新宿区)は10月17日と18日、毎年恒例の「ファミリー鉄道展2009」を海老名駅隣接の海老名電車基地とビナウォークで行う。
電車基地会場では両日とも午前10時からロマンスカー・EXE(30000型)による分割、連結作業の実演、タワー車の保守作業、レール削正車、マルチプルタイタンパー、バラストスイーパーの実演のほか、レール探傷車、ダンプトロリー(砕石、マクラギ運搬車)、BRTボギートロリー(レール運搬車)、通勤車両1000型などを展示する。
また、小田急電鉄各種オリジナルグッズを販売、グループ各社のグッズ、飲食販売、私鉄各社の鉄道グッズも販売する。
さらに、ロマンスカーカレンダーフォト作品の展示、小学生以下の子どもを対象にした「運転士・車掌体験みんなで出発進行!」、小田急鉄道クラブによる模型の運転も行う。
一方、ビナウォークでは17日にロマンスカー・VSE乗務員、18日は海老名駅長と子どもの記念撮影会、ミニSLの走行会(共に有料)を行うほか、17日午後3時からはカシオペアキーボード奏者の向谷完氏による鉄道をテーマにしたスペシャルライブ、18日午後2時、4時からはお笑い芸人「ななめ45°」によるライブを行う。問い合わせは電話03—3481—0066。
[イベント情報]
●相模線沿線ハイキング参加者募集
茅ヶ崎市、相模原市など沿線市町と商議所、商工会らの主催で10月17日午前9時30分から10時30分までに茅ヶ崎駅北口ペデストリアンデッキに集合、海満喫コース(12.2キロ)、みどりわくわくコース(7.6キロ)のいずれかをハイク。午後4時までにゴールすると、バンダナをプレゼントする。先着600人を募集しており、参加費無料(交通費自己負担)で荒天中止。判断に迷う場合は「おしえてコール相模原」042—770—7777。
●藤野ふるさと芸術村メッセージ事業
ぐるっとお散歩篠原展が10月11、12日に篠原地区全域、藤野の四季写真展が10月31日から11月8日まで藤野芸術の家音のプロムナードで開く。
●第19回羽渕完俊絵画展
10月19日から24日まで大和市のギャラリー「カフェ・ビオレッテ」(小田急線鶴間駅徒歩5分)。「福・幸せを求めてⅣ」をテーマにフクロウなどの作品展示。電話046—262—6668。
10月9日 金曜日
[大和市]
「トコロジスト」で講演会
俳優の柳生博さんら
市民が身近な自然に接して緑の保全に取り組んで欲しいと、大和市主催の講演会「トコロジストのすすめ〜その場所の専門家になろう」が9月12日、市勤労福祉会館で開かれ、市民ら約100人が「その場所の専門家」(トコロ=場所、ジスト=専門家)の意義などに耳を傾けた。
講演したのは神奈川大学の浜口哲一教授で、「一つの場所に強い愛着を持つ人を育てることで自然を多くの人で守って欲しい」と説き、このあと(財)日本野鳥の会会長を務める俳優の柳生博さんと、市内で活動するトコロジスト3人によるパネルディスカッションが行われ、市内を流れる引地川における長年の清掃活動で清流を好むハグロトンボが見られるようになった事例などが紹介された。さらに浜口教授と柳生さんの対談では身近な自然を見つめ続ける楽しさや大切さについて意見が交わされた。
これに参加した後藤裕子さん(56、相模原市)は、「トコロジストという言葉は以前にも聞いたが、この日に学んだその大切さを地域で活動する仲間たちに伝えたい」と話していた。
市はこれを契機に3回にわたる「トコロジスト養成講座」を次の日程で開く。各日とも時間は午前10時から午後4時。①10月6日と7日(自然観察センター・しらかしの家)「自然を調べる」②11月10日と11日(前同)「自然を伝える」③12月6日(市内緑地)「トコロジストのための緑地ツアー」。問い合わせは市みどり公園課。電話046—260—5451。
[相模原市]
小中学校13校でみどりのカーテン
つる性植物で日光遮断
相模原市が今年度から始めた市立小中学校の窓や壁のネットに緑化する「みどりのカーテン」化がこのほど、モデル校13校で実現した。
「みどりのカーテン」はゴーヤ、アサガオ、ヘチマ、ヒョウタンといったつる性植物によって日差しを遮り、教室内の温度を抑制するもので、モデル校になったのは小学校が旭、内郷、大野、相模台、中央、二本松、双葉の7校、中学校が串川、田名、中央、北相、緑が丘、弥栄の6校。各校では児童、生徒と先生が協力、水やりなどを欠かさずに育て上げた。
[Sokei短信]
●加山俊夫相模原市長が敬老訪問
9月21日の敬老の日を前に11日、並木1丁目に住む105歳の田邉ツネさんを訪問、お祝いの和菓子と敬老祝金を渡し長寿を祝った。ツネさんは大きな病気を患ったことがなく、自宅前の家庭菜園を眺めるのが今の楽しみで、子どもの頃住んでいた横浜線沿線の当時のまちの様子などの話に花が咲いたという。
市内に居住する100歳以上の長寿者は9月1日現在115人(男性20人、女性95人)で、このうち市長、副市長が37人を訪問したが、最高齢は上鶴間に住む109歳の女性で、65歳以上の老齢人口は4月1日現在12万6896人で総人口の18.7パーセントを占める。
●(社)全国有料老人ホーム協会が今年の「シルバー川柳」入選作品を発表
同協会(東京都中央区、和田四郎理事長)が今年で9回目の作品を募集、1万558句が寄せられた中から入選作20句を選んだもので、「定年で田舎戻ればまだ若手」(大分、64歳男性)、「我が家にも政権交代夢にみる」(千葉、76歳男性)、「ケータイの返事をしようと葉書き出し」(京都、84歳女性)、「五十年かかって鍋と蓋が合う」(秋田、76歳男性)、「夫婦仲社会福祉と妻は言い」(広島、67歳男性)といった思わず頬がゆるむ作品が入選した。
Copyright (C) 相模経済新聞社