2009年(平成21年)
相模経済新聞社
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10月26日 月曜日

[相模川自然の村]
かかしフェスティバルに50団体参加
楽しいアイデア様々に

 相模川自然の村ビレッジ若あゆ(大島3497—1)では、春に野外活動で宿泊した子ども達が植えた稲が実り、収穫前の米を守るためにオリジナルの案山子を公募し、「かかしフェスティバル」を開催している。
 この取り組みは5年前から始まり、市内の小中学校の稲作体験参加校はもとより、近隣幼稚園から大学、青少年団体および子どもセンターを対象に募集し、約50団体が参加、楽しくユニークなかかし達が秋の空の下、しっかりと豊作を見張っている。
 猫、狸、からすといった天敵アニマルをモチーフにした物、魔女、仙人、アンパンマンなどスペシャルパワーで雀を追い払おうとするもの、ヨン様、タモさんといった有名人などアイデアは様々だが、いずれもCDやペットボトルなどの光線反射を利用した今流が主流。
 それぞれの案山子には名前と説明が添えられており、「僕たちのパパはいつも笑っていて、かっこいい。将来こんなパパになりたい」という「僕のパパ」(大島小)や「担任の先生の大好きなペ・ヨンジュンをイメージして作りました」という「ヨン様かかし」(中央小)、「今年は世界天文年なのでガリレオ・ガリレイをテーマにしました。ブルーのマントは宇宙を表し、肩には望遠鏡をかけて遮光版で日食を見るため青空を見上げています」という「21世紀のガリレオ君」(並木小)など子ども達の思いが込められ、訪れた人たちが思わず顔をほころばすひと幕も。
 相模川に毎日のように釣りに来るという佐野啓蔵さん(日野市)は「僕のお嫁さんになってくれる案山子さんはいないかなぁ」、今にも話し出しそうな力作に目を細めて感心していた。
 稲は「下大島地区ふれあい農業組合」の協力のもと育てられ、10月14日に稲刈りが行われたが、暫く干した後脱穀をして収穫、その後使命を果たした案山子たちはそれぞれ製作者の元へ帰っていく。
 一般市民の見学者による人気投票も行われており、10月19日ホームページで発表される。賞品は獲りたてのおいしい米。
 指導主事の小野澤克己さんによると、今年はNHKの「おはよう日本」でも紹介されたそうで収穫した米は同施設の「食の活動」にも利用され、餅つきや粉にして団子作りに使われる。
 同施設は現在109校の小中学校の野外体験教室に利用されており、来年4月には藤野町の沢井に新たな関連施設ができるという。
 展示は10月31日まで。電話042—760—5445。

 

[とぴっくとーく]
神奈川16区で初当選した
民主党衆議院議員の後藤祐一さん
経験生かし行政改革を

——政治家として一番やりたいことは。  「時代に合わない政治のあり方を正すことです。今まで官僚主導で一部の政治家とその周りにいる人だけで決めていたやり方を、国民の方を向き、暮らしを尊重する政治に改めなければなりません。生活の現場、企業経営の現場に飛び込んで、これまでの自民党政治が目を向けなかった人たちの声無き声を聞きながら、間違ったルールを有権者の目線で見直して新しい政治の形を作っていきたいと思います」
——官僚主導の政治をどう変えたいと…。
 「本来必要の無い事業や特殊法人などを廃止し、国民にとって本当に必要な政策を実行していきます。官僚は一度決められたことを変えることができません。予算の無駄使い、天下りといった悪弊を断ち切ることができないのです。この閉塞状況を変えるには、政治が行政改革を断行することが必要です。天下りを禁止することで人件費がかさむことになるのではないかという指摘がありますが、そんなことはありません。理不尽な天下りとセットで無駄な事業費が付けられるケースもあるのです。そうした無駄を無くせばトータルな経費は削減することができます。様々な無駄を削って財源確保に努め、子ども手当のような新しい施策を公約通りに実行して、だれもがどこでも、ほどほどに暮らせる日本の国にしていきたいですね」
——キャリアをどう生かしますか。
 「私は官僚と戦う官僚として長い間行政改革の分野で活動してきました。相模原市の農業特区を推進した経験もあります。今後も行政改革に携わることでこうした経験を生かし、同時に地域特性を踏まえた政治の実現、地域主権の確立に努めます」

 

[城山工業]
橋本台に新工場建設
20億6700万投資

 金属プレス加工の城山工業(株)(相模原市城山町広田5—8)は9月28日、同市橋本台2—6—5に新工場を建設するため、「インベスト神奈川」の県施設整備等助成制度の利用を申請した。
 既存工場に隣接する土地を取得し、県内に分散している他の工場等を集約、増強する計画で、これによりプレスから溶接組立まで既存工場と一体化した自動車部品の一貫生産ラインを構築する。
 新工場の延べ床面積は約3433平方メートルで、約20億6700万円を投じ、2012年9月の操業を予定している。
 県は最大で約2億670万円の助成を見込んでいるが、同社は相模原市の産業集積方策「STEP50」でも助成を申請する予定という。

10月27日 火曜日

[横浜高島屋50周年記念祭]
津久井大豆きな粉と枝豆、
あいこっこを使ったロールケーキ
神奈川のうまいもの市で限定販売

 津久井在来大豆の「きな粉」と「枝豆」、県立相原高生が育てた鶏卵「あいこっこ」を使ったロールケーキ「ベジロールかながわ津久井在来大豆」が10月7日から13日まで行われた横浜高島屋開店50周年記念祭の神奈川のうまいもの市で1日120本限定で販売された。8日には松沢成文県知事が会場を訪れ、ロールケーキ作りを実演した。
 都内の野菜を使った洋菓子店「パティスリーポタジェ」のオーナーで、県内の農林産物のPRや食育を推進する「かながわ食の大使」に任命された柿沢安耶さんがレシピを考案したもので、枝豆を練り込んだクリームと枝豆そのものがあいこっこを使ったスポンジで巻かれ、表面にはきな粉がかかっている。
 枝豆を提供した生産者の石井好一さんは3日に畑で農業体験に参加している約20人と枝豆約200キロを収穫、「津久井在来大豆を枝豆として使うパターンは初めて。これから使ってくれる人が増えてくれれば」と語った。柿沢さんは「枝豆は小粒で、他の枝豆と違った香りや甘み、食感があり、それをより強く感じさせるようにした」と話した。
 同フェアに出展した15店のうち唯一相模原市から出店し、津久井在来大豆の豆腐や納豆を販売、きな粉のプロデュースも手がけた豊国屋の岡本政広さんは「高島屋の50周年のイベントで津久井在来大豆が紹介されるのは光栄なこと。大豆は甘みが強く、もっと地域の魅力ある食材を地域の人に知ってもらいたい」と話している。

 

[たけのうち幼稚園]
運動会で園児考案の踊り
少林寺拳法も披露

 学校法人小磯学園たけのうち幼稚園(相模原市東淵野辺4—23—20、小磯信一園長)は10月10日午前9時から第36回秋季大運動会を開催した。園庭を埋める約1000人の保護者の声援を受け、園児らは日頃の練習の成果を力いっぱいに表現した。
 曇り空の涼しい天候だった午前中、園児らは赤白の2組に別れ、9月頭から練習を重ねてきたリレーや綱引きなどに懸命に取り組んだ。
 中でも同園独自の「リズムプレー」は、既存の振り付けがある踊りではなく、短いフレーズ音や効果音などを繋ぎ合わせた曲に対して園児ら自身が振りや動作などを考えたもので、「ギターを弾いている」「泥棒がこそこそ逃げる」「うさぎが跳んでいる」「眠っている」など、音からイメージを膨らませた可愛らしい動作に保護者らはカメラを片手に笑顔を見せた。
 また、同園では年間を通して2週間に1回少林寺拳法に取り組んでおり、この日はその成果も披露。裸足で力強いかけ声と突きや蹴りなど年長らしい堂々とした演技を見せた。
 小磯園長は「今日は子ども達が父母の前で張り切っていた。丁度いい天気で良かった」と話していた。

 

[Sokei短信]

●第20回さがみおおの大野万灯祭りに21万人の人出
 10月3日と4日、相模大野中央公園などで行われ、3日午後5時からの点灯式で自治会や学校など11団体が製作した飾り万灯と小万灯約300基が一斉に点灯、様々なイベントのほか屋台村23店、フリーマーケット150店が出店、サンデッキ相模大野では吹奏楽や舞踊などが披露され、前回より1万人多い21万人を記録した。

●相模原市民吹奏楽団が全日本吹奏楽コンクールに3年連続4度目の出場
 9月20日に茨城県結城センターで行われた東関東大会で出場20団体中、代表2団体の1つに選ばれたもので、10月18日に名古屋国際会議場で行われた第57回全日本コンクールに出場。これに先立ち友田幸男団長らが14日に市役所を訪れて加山俊夫市長に出場報告を行い、参加奨励金5万円を受けた。

10月28日 水曜日

[小田急電鉄]
ロマンスカーカレンダー発売

 小田急電鉄(株)(東京都新宿区)は10月19日、来年のカレンダー「小田急ロマンスカー2010」を発売した。
 今年7月から行った一般公募による応募写真730点の中から選んだ最優秀賞の作品を表紙に使い、優秀賞12点を各月に配置したカレンダーで、VSE(50000形)など現在活躍中のロマンスカーや、1999年に引退しロマンスカーのイメージを形成したNSE(3100型)が季節の風景とあわせて撮影されており、公募作品でカレンダーを制作したのは初めてという。
 B4サイズの28ページ中綴じのオールカラーで、5000部限定で1部が1000円。小田急線各駅と同売店、小田急百貨店、スーパーのOX、小田急グッズショップなどで販売している。表紙と各月の作品タイトルは次のとおり。
 〔表紙〕VSE快走〔1月〕快晴の春〔2月〕降雪を走るあさぎり〔3月〕黄色い繊毬の上を〔4月〕白い流影〔5月〕新緑の森を抜けて〔6月〕紫陽花に迎えられて…〔7月〕まっ青な夏〔8月〕爽風〔9月〕実りの頃〔10月〕正統派ロマンスカー〔11月〕鉄橋を渡るあさぎり号〔12月〕暮秋・夕日に輝く鉄路

 

[プロジェクトS]
杉並区長の山田宏氏招き講演会
自治体経営日本一を披瀝

 相模原市若手職員(45歳以下)と地域経済人である相模原青年会議所(相模原JC)、商工会議所青年部の有志らで結成する「新しい相模原を創る若手の会(通称プロジェクトS、古橋裕一代表)」は10月2日、橋本のソレイユさがみにて、レジ袋有料化や民間人校長の登用など数々の行政改革で全国の自治体から注目を集める東京都杉並区長の山田宏氏を招き講演会を開催した。
 プロジェクトSは相模原の若手による「官民連携のまちづくり」を目的に2007年に発足したもので、行政と民間の枠を超えて政策議論や意見交換などの勉強会を行っている。名称は、若手官僚が霞ヶ関構造改革を目指すNPO法人、プロジェクトK(新しい霞ヶ関を創る若手の会)に由来し、現役通産官僚でプロジェクトK代表の朝比奈一郎氏がプロジェクトSの顧問を務めている。
 講師の山田区長は松下政経塾出身で1999年に杉並区長に当選、現在3期目。日本初のレジ袋有料化や区職員の1000人削減、就任時942億円あった区の借金(起債残高)を現在半分以下にするなど数々の行政改革を断行し、杉並区は自治体経営ランキング(関西社会経済研究所04年)で全国第1位に評価されている。  講演で山田区長は「変化の激しい今の時代、どんな組織でも主体性を持たなければ翻弄される。改革は最初が肝心であり、一気に例外(聖域)なしが原則」など、杉並区の例を出して財政から教育まで自らの行政改革論について語った。会場は一般市民を含む参加者約60名で満席となった。  主催した古橋代表は「日本一の自治体経営者の貴重な話が聞けた。強烈なリーダーシップは地域経済人であるメンバーの会社経営にも活かせるはず。今後は勉強会だけでなく、官民連携して具体的な活動ができれば」と話している。
 また再来年に任期を終える山田区長(杉並区は4期以上の多選を条例で禁止)は、今年7月に辞任した中田宏前横浜市長や中村時広松山市長ら改革派と呼ばれる地方自治体の首長経験者とともに、10月末に新しい政治組織を立上げ、国政を見据えた政治活動を続けていくことを改めて表明した。

 

[イベント情報]

●門間由佳個展「無限億の泉〜心の空中散歩」
 11月7日まで相模原市古淵2—3—7のギャルリーヴェルジェ。24日午後4時からのオープニングパーティーでゴジサウンズの小林道夫氏によるアコースティックギターライブを行う。電話042—776—6375。

●プラハの演奏家5人のコンサート
 11月7日午後2時から県立藤野芸術の家。「パッヘルベルのカノン」「モルダウ」「ハンガリー舞曲第五番」などクラシックから「ゴッドファーザー賞のテーマ」などのポピュラーまで演奏。前売り2500円、当日2800円。予約は電話042—689—3030。

10月29日 木曜日

[相模原青工研・JC]
環境をテーマに講演会
事例発表でリガルジョイント社登場

 相模原商工会議所の市青年工業経営研究会(青工研)が11月6日、相模原青年会議所が翌7日にそれぞれ市立産業会館1階の多目的ホールで相次ぎ省エネ、環境をテーマにした講演会やパネルディスカッションを開き、その中で熟成イオン水生成および関連装置を開発、製造する(株)リガルジョイント(相模原市大野台1—9—49)の稲場久二男社長と子息の稲場純取締役が講師で登場する組み合わせになり、話題を呼んでいる。
 青工研が30周年記念事業として「相模原の産業の未来を考える」をテーマに行う講演会では、日本経済新聞社論説委員・科学技術部編成委員の滝順一氏が「低炭素社会革命に挑む〜電池をめぐる技術革新」をテーマに基調講演を行う。そのうえで市内企業の事例発表で会員企業であるリガルジョイントの稲場取締役がオゾン装置の開発を巡る動きなどを報告する。
 入場無料で定員が300人。問い合わせは電話042—753—8136。
 また、翌7日に同じ会場で開く講演では稲場社長が「新しい環境イノベーション」をテーマに実践的な環境対策と環境経営への取り組みから生まれるビジネスチャンスについて語る。
 このあと、市立環境情報センターの斉藤奈美代表と(株)ウィッツコミュニティの柴田正隆社長(青年会議所元理事長)をパネリストに「地域と企業の環境活動を考える」をテーマにディスカッションする。
 参加の申し込みは氏名と連絡先を書いてFAX042—740—2982で送る。開会は青工研が午後6時、青年会議所が午後6時15分。

 

[レボックス]
ファイバー用LED光源開発
「世界最高照度」を強調

 レボックス(株)(相模原市上鶴間6—27—5、鎌田英洋社長)はファイバー照明用のLED光源装置「SLG—50シリーズ」を開発、11月から販売を開始する。
 同社によると工場の画像検査工程などで使用されているファイバー照明の光源は主流のメタハラやハロゲンに対し、長寿命のLED光源がメンテナンスの観点から期待されているが光量が足りないのが難点だったという。
 「SLG—50」はLEDの前に設けた独自の光学計などにより平均照度が300万ルクスで「当社が知る限りファイバー用LED光源としては世界最高照度」(佐久間茂執行役員)を実現したもので、「寿命が3万時間を超える想定で設計しているので投資回収も速いのでは」という。サイズは約36センチ×16センチ×約15センチで、白色、赤色、緑色、青色の4種類の光源がある。調光範囲が照度比で1対100と広くて出力された光のムラが少なく、放熱量が少ないのでプラスチックファイバーも使用可能で、ファイバーを装置に接続する口金は各メーカーのものに対応するという。消費電力もハロゲンの25パーセント、メタハラの40パーセント程度に抑えられるという。
 同社はこれまで、LEDを軸に工場用の照明などオーダーメイド仕様で開発・製造販売してきたが、汎用性の高い製品の市場投入は同シリーズが初めてで、佐久間執行役員は「照度が高いので、今までにない新しい検査も出来る可能性がある。売り方も含めて勉強していきたい」とし、当面は「工場ラインの置き換え需要を想定している」と話す。初年度1500台の販売を目指す。

 

[Sokei短信]

●さがみのまつり第17回相模ねぶたカーニバルに22万人の人出
 10月10日にJR相模原駅周辺で行われたあと、本番が11日午後4時から市役所からアイワールドにかけての大通り約800メートルで行われ、子ねぶた計16基、ねぶた1基が大通りを練り歩き、このほかよさこいグルーブ、白馬太鼓、虎流太鼓、市民はねとなどがいりまじり、同通りは祭り一色に染まった。このうち子ねぶたを務めたのが市立富士見小、清新小、中央小、清新中、中央中の子どもたちで、昨年より5000人多い人出を記録した。

●相模原労働基準監督署が横浜の会社を労働安全法違反で横浜地検相模原支部に書類送検
 送検されたのは横浜市金沢区の(有)逢田工業と代表取締役(75)で、同社は200年12月2日、工場設備点検工事を請け負った相模原市内の工場で、ハンマーを使って部材交換作業を行っていた男性(当時36)が左示指末節骨折の負傷を負って4日以上休業したにもかかわらず労働者死傷病報告を提示しなかった。事実を元請会社に知られると信用を失うと考えて報告を怠ったもので、被災労働者からの通告でこれが発覚したという。

10月30日 金曜日

[大和市役所の前田さん]
全国障害者スポーツ大会で銀と銅
水泳自由形2種目で

 大和市こども部こども総務課の職員前田昌光さん(29)が10月10日から12日まで新潟県長岡市で行われた第9回全国障害者スポーツ大会「トキめき新潟大会」の水泳競技50メートル自由形で銀メダル、25メートル自由形で銅メダルに輝き、14日に大木哲市長に報告した。
 前川さんは先天性障害で脳性麻痺による右上肢および両下肢機能障害を持つが、4歳から水泳を始め、12歳からは一時休止したが、2000年から再開、2002年から2005年までジャパンパラリンピック50メートルと100メートル自由形に出場し共に2位に入り、全日本身障者水泳大会では2002年から2008年まで100メートル自由形で優勝し続けている。

 

[プロテック]
負荷トルク計開発
オーダーメイド注力

 基板検査の治具やトルク計の開発から製造販売を手がける(株)プロテック(相模原市麻溝台6—5—3、天野昇社長)はこのほど、自動車部品や医療機器部品の生産や検査ラインで使用する負荷トルク計「PT—1945L」の販売を開始した。
 工場にパソコンを持ち込まずにパソコンを使ったシステムと同等以上の測定動作や規格値の自由設定を可能にしたのが特長で、タッチパネルでトルク規定値や回転スピード、測定時間などの条件を入力する。検査履歴を最大1000件までメモリに残せ、パソコンに接続するとリアルタイムでグラフを表示出来る。対象物からトルク値を検出するセンサは要望に応じて製作し、本体の価格が200万円から。
 こうした一般のトルク計を開発する一方、同社が約7年前から注力しているのが顧客の要望から計測システムをオーダーメイドで開発する案件。あらゆる動くものを製造する時に必ず測定するのがトルク値だが、同社の測定技術によりこれまでトルク値を計れなかった分野でも活用され始めている。
 例えば、医療現場のカテーテル手術は医者がX線の画像を観ながら手元で細いワイヤーを操作するが、こうした医者の「手応え」や「感覚」などの微妙な力を数値化する計測装置や、インプラント(人工歯根)を骨に埋め込む時のトルク値を測定する装置を昭和大学歯学部と共同開発した。
 また、折りたたみ式携帯電話の開閉や口紅の容器の捻り具合など「使用感」を数値化、力の変化を読み取る案件も手がけており、石川泰取締役は「こうしたカルチャーの部分を数値化する複合的な解析装置により、商品開発時に仕様上の問題点が分かる」と話す。
 顧客のニーズの多様化により現在は9割以上がオーダーメイドの案件で、同取締役は「こうした複合的な計測システムは他の大手測定器メーカーも対応出来ていない部分。昔は(汎用の)トルク計を並べていれば売れたが、今は客の痒い所まで手が届くように仕上げ、納入したその日から使えるようにしている」とし、現在同社の計測システムは企業の開発から品質管理部門、製造部門まで納入先は幅広い。システム計測グループは営業担当を入れて約10人で、売り上げベースで2割程度だが、今後はメディカル分野に注力していくという。

 

[相模原シティライオンズクラブ]
創立5周年記念事業で花壇寄贈
環境教育の田名北小学校に

 相模原シティライオンズクラブ(49人、藤壷弘樹会長)は10月4日、市立田名北小学校(宮内裕之校長)に手作りの花壇を寄贈した。
 同クラブ創立5周年の記念事業の一環で、この日は所属するライオンズクラブ国際協会330—B地区の「地球環境保全」をテーマにした統一奉仕デーでもあり、寄贈先に校庭の全面芝生化や絶滅危惧種カワラノギクの保全など環境教育に力を入れている同小を選んだ。
 職員玄関前に設置した花壇は1.5メートル×7.2メートルで、校舎の壁と調和したレンガ造り。会員がシルバーウィークの3日間を返上して汗を流した力作を前に、同小環境委員長の名和穂香さんは「想像していたよりも大きい。凄く綺麗でびっくりした」と笑顔を見せた。花壇にはサルビアやマリーゴールドなどが植えられ、今後は高学年が週1回の当番で水やりするという。
 寄贈式で藤壷会長は「プロではないけれど、メンバーが心を込めてレンガを積み上げた。皆さんにお花を植えたりして楽しんでもらえたら」とし、「田名北小はライオンズクラブとは違った側面から環境問題に取り組んでいる。これからも奉仕の心をもって地域の皆さんに貢献していきたい」と話した。3日間の作業中に毎日顔を見せたという宮内校長は「多くの生徒の目に触れると思う」と語った。
 このほか、「環境」をテーマにした絵画コンクールの画材と参加賞も贈った。
 同クラブは2005年に市内で7番目に設立。平均年齢48歳という若さが特長で、年7回の献血活動や年3回の盲導犬募金などにも意欲的に取り組んでいる。

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