4月5日 月曜日
[オプトデザイン]
大型LEDパネル用セル装置開発
点発光を面発光に変換
(株)オプトデザイン(相模原市西橋本5—4—30、さがみはら産業創造センター内、佐藤榮一社長)は「大型LEDパネル用均一セル製造装置」の開発を急ピッチで進めている。LED電球の直線的な光を平面発光させるため、フラッターと呼ばれる光高反射板を製造する大型の装置で、国内での開発は初めて。
すでに小型の装置はあるものの、商用化するための大型機がなく、国の「ものづくり中小企業製品開発等支援補助金(試作開発等支援事業)」に採択されて開発、5月中に完成する予定。
ユーザーからLEDの点発光を面発光に変換することを求められ、レンズや拡散板などを使用して光をコントロールするなど様々な試行錯誤を行ったが、限界があった。
そこで同社はフラッターと名づけた全く新しい革新的な技術を開発し、高輝度のLEDとの組み合わせで均一な光が出る技術を実現した。従来のLED照明では実現できなかった明るさと熱、消費電力など多くの問題も同時に解決した。
フラッターを作る技術は確立しているものの、縦、横数十センチサイズを製造する装置しかなく、市場に投入するには大型装置の開発が必要だった。装置が完成すれば大型の看板照明やアミューズメント、大型テレビのバックライト、医療関係の照明などあらゆる分野に投入できる。
同社は光分野の技術、LEDを利用した照明、光コンサルタントなど光技術をベースに設計・開発から試作までのトータル支援を提供している。
[ハイスポット]
識別タグ高度暗号化
入退室管理に活用
(株)ハイスポット(相模原市相模大野8—3—10、杉本祥一社長)は、人や物体の識別に利用されるRFIDタグの高度化暗号モジュールの開発を進めている。
国の「ものづくり中小企業製品開発等支援補助金」に採択されて開発しているもので、3月中にはRFID装置と暗号鍵サーバーをセットにしたシステム全体が完成する予定。
RFIDタグは識別に利用する自動認識システムのことで、自身の識別コードなどの情報を記録し、電波を使って管理システムと情報を送受信する。バーコードに代わる商品・識別、管理技術として研究が進められ、人の入退場などが一元化できる。
同社は社員の入退室管理をタグによって読み取った情報を毎回変化させて暗号化する「ワンタイムパスワード認証」方式を採用しており、盗聴や解読できないようセキュリティーの安全性も確保した。機密を守らなければならない研究機関などに利用が見込まれており、 販路開拓に向けた取り組みを強化するという。
[神奈川工科大]
宇宙テザー技術議論
低コスト活動に向け
将来の宇宙ミッションで重要な役割を果たすといわれる「宇宙テザー技術」。3月3日、神奈川工科大学(厚木市下荻野1030)に日米欧の専門家が集まり、ディスカッションを繰り広げた。
テザー技術の第一人者の同大機械工学科の藤井裕矩特任教授(航空宇宙専攻)が中心となって進められ、午前の部は静岡大学の山極芳樹工学部教授が出席したNASAの科学者に「導電テザー」の実験などについて解説した。午後からは観測ロケットのテザー実験をテーマに、小型衛星打ち上げの実現化に向けた討論をした。
藤井教授によると、テザーは物体をつなぎとめるアルミ製のヒモのことで、それに電流を流しながら地球の磁場を利用し、宇宙船などを飛ばす推進力にするという。宇宙空間で燃料の補給をする必要がないため、今までよりもはるかに低コストで飛ばすことができる。
通常、宇宙船は燃料となる推進剤を積み込んで宇宙へと飛び立っているが、莫大なコストがかかっているという。テザーが実用化されれば低コストで宇宙での活動が可能となる。
4月6日 火曜日
[とぴっくとーく]
ITC多摩協議会会長の鮫島正英さん
中小企業のIT化支援
——ITC多摩協議会の概要は。
「おおむね厚木から川越までの国道16号沿線に立地する中小企業のIT活用を促進するため、2002年に発足した組織です。国のIT促進プロジェクトの一環で、会員には経営とITの両面に精通していることが求められます。現在の会員は約100人います」
——どんな活動を。
「中小のものづくり企業が多い立地特性を踏まえながら経営戦略の策定、業務改革計画の立案、システムの構築と導入などを行っています。コンサルティングを通じて経営者との信頼関係を築き、在庫管理のIT化や、3年から5年のマスタープランを作る業務も少なくありません。ネットショップの運営支援を頼まれるケースも増えています」
——中小企業のIT化は進んでいますか。
「まだ十分とは言えません。IT活用は大企業にとってはメリットがあるが、自分の会社には無関係ではないかと考えている製造系の中小経営者が多いように感じます。しかし、例えばウェブサイトを立ち上げて適切に運営していけば、中小企業の弱点であるマーケティング情報の収集と営業戦力の充実につながり、付加価値の高い製品の開発、収益の増加が可能になると思います。生産管理についても企業の規模や経営実態に応じたシステムになるようアドバイスしています。事務の効率化という面でもITを活用する余地は広いと思います」
——ITCのこれからの役割は。
「引き続き中小企業のIT化を支援していきます。近く各都道府県に置かれる中小企業支援センターでの相談業務を通じて知財戦略支援なども行い、企業とWIN WINの関係を築いていきたいと思います」
[小田急電鉄]
のんびりハイク&ウォーク
4月9日から
小田急電鉄(株)は4月9日から7月17日までに小田急沿線や箱根、富士山、大山、鎌倉などハイキング15コースを歩く「小田急のんびりハイク&ウォーク2010春・夏」を行い、この参加者募集を始めた。
交通費、昼食、施設入場料など自己負担のイベントで、参加者には1回につき「参加スタンプ」1個を進呈、10個でもれなく達成賞を贈るほか、抽選で5人にトレッキングシューズをプレゼントする。
また、4月9日、5月19日、6月11日のコースに参加し、ゴール地点で小田急ポイントカードを提示すると、協賛店の優待券プレゼントが受けられる。
15コースは次のとおりで、問い合わせは同社営業推進部電話03—3349—2166。
【健康促進ウォーク】 ▽秦野戸川公園(4月9日)▽小江戸、川越(5月5日)▽多摩よこやまの道(5月19日)▽私鉄リレーウォーク第1区(5月25日)▽足柄平野あじさいの里(6月11日)▽私鉄リレーウォーク第2区(6月26日)▽伊豆大島あじさい街道(6月26日)
【自然満喫ハイキング】 ▽伊豆大島お鉢まわり(4月17日)▽西伊豆山稜散歩道(4月29日)▽箱根長尾峠(5月15日)▽鎌倉道と古寺めぐり(5月22日)▽富士山まぼろしの滝(6月5日)▽大山聖峰から弘法の里湯(6月19日)▽富士山5合目幕岩(7月10日)▽箱根明星ヶ丘大文字(7月17日)
[日本テクノ]
独自ブランドの小型電動バイク発売
日本テクノ(株)(相模原市鹿沼台2—17—18、馬本英一社長)は電動2輪車事業に参入する。今夏をメドに独自ブランドの小型電動バイクを発売、国内企業の営業車両として売り込む予定。
ブランド名は「ECОXYZA(エコシーザ)」。家庭用のコンセントから付属のバッテリーに充電でき、1回の充電で約60キロメートルの走行が可能。原付き免許で乗れる。
CО2排出量はゼロで、フル充電でかかる電気料金は約41円。価格未定だが、15〜20万円程度になる見通し。中国から電池を調達するなどして事業領域を広げる。
4月7日 水曜日
[共立]
ワインしぼり粕飼料に
今夏に装置開発
(株)共立(相模原市西橋本5—4—30、さがみはら産業創造センター203、上野賢美社長)は、山梨県特産のワインのしぼり粕を粉末飼料にする事業に参入する。スーパーやコンビニなどから排出する食品残渣から飼料を製造する同社のノウハウを生かす。今夏にも装置を開発し、飼料販売まで一貫して行う。
山梨県内の4件の畜産農家が加入するフジザクラポーク生産組合や県畜産試験場などと共同で実施するもので、未利用資源を使って新ブランドの豚を育成・販売するのが目的。
ワイン粕はポリノフェールやビタミンEの成分が含まれているにもかかわらず、乾燥が難しく長期保存ができなかったため、豚の飼料として利用されていなかった。そこで同社はワイン粕を乾燥させるシステム装置の開発に取り組み、飼料販売を目指すことにした。
すでに山梨県には「ワイン豚」や「ワインビーフ」といった特産物はあるが、牛、豚を出荷する前にワインを飲ませるだけだった。地域ブランドづくりを目指していた同組合は同社と共同で新たなブランド品を完成させる。
[県産業技術センター]
設備や機器など23日に一般公開
県産業技術センター(海老名市下今泉)は4月23日、毎年恒例の同センター一般公開を行う。
設備、機器の公開と実演をはじめ事業・研究成果などの紹介、技術、経営相談、見学ツアーに対応するほか、午後1時30分からカンファレンスルームで、東北大学大学院工学研究科の堀切川一男教授による「短期間に多数の製品化事例を生み出す新しい産学連携スタイル『仙台堀切川モデル』」の概要をテーマにした講演会を行う。
このほか、電気自動車(EV)の展示・試乗会、県の各種支援事業の説明も行う。電話046—236—1500。
[イベント情報]
●片野麗子展—幸せの春優しい豚
4月14日から18日まで中央区千代田2—2—15のギャラリースペース游。糸、レース、リボンを重ねてぬいつけたオリジナル布の新作など出展。電話042—856—1990。
●政令指定都市移行記念春の特別展「釣りキチ三平の愛した魚たち」
5月9日まで緑区水郷田名の相模川ふれあい科学館講習室。三平が愛したアカメ、イトウ、ムツゴロウなど展示。?042—762—2110。
●森麻季&仲道郁代デュオ・リサイタル
4月29日午後3時からグリーンホール相模大野大ホールで、同ホール開館20周年記念と政令市移行記念として行う。全席指定で5000円、学生2500円。電話Move042—742—9999。
4月8日 木曜日
[中島建設]
コンクリート強度にこだわり
ひと手間かける技術培い
デザイナーズ住宅を数多く手がける中島建設(株)(相模原市南区松が枝町4—5、中島一弘社長)がコンクリートの強度にこだわり、「コンクリート日本一の企業を目指したい」(中島社長)と、技術の革新に取り組んでいる。
コンクリートの打設で同社が現在、最も注力しているのが「スランプ12センチ」の取り組み。コンクリートはセメント、水、細・粗骨材(砂・砂利など)を織りまぜたもので、固まる前の生コンは適当な柔らかさと粘り、骨材とセメントペーストとが分離しないような性質が必要。
その生コンの作業性の程度、材料の分離に対する抵抗の程度をワーカビリティーと言い、これを測定する方法としてスランプ試験が広く実用化されている。
同試験は決まった寸法の型にコンクリートを詰め、上部を水平にならしたあと型を静かに引き上げ、平板上に残ったコンクリートの中央部の下がりの量の測定をするもので、この量を「スランプ値」と称し、生コン中の水分が多いほど同値は大きくなる。
そうしたなか建築で一般的に使われているのはスランプ18センチもしくは21センチ、稀に15センチといわれている。従ってスランプ12センチはこれらよりも水分が少なく、硬いコンクリートになる。
これによってまた、セメントに反応しない遊離水と呼ばれる余分な水分が発生、この蒸発によって生じるクラックを防ぐのも可能という。
にもかかわらず、建築業界でこの「12センチ」が敬遠されてきたのは、ポンプ車による打設が主流になっている今、流動性が悪く、圧逆や打設で手間がかかるためとされている。
これに対して同社は、例えば硬い生コンを流動化させるために直径50ミリのバイブレーターの使用を絶対条件にし、その強い振動力に耐えられるようにスラブ鉄筋の交差部分はすべて結束し、それを標準にするなど「ひと手間かける」という様々な技術を培ってきた。また、コンクリートの権威者を講師に招いて実際の技設現場で指導を受けるなど、コンクリート打設のレベルアップを全社的な取り組みとして展開している。
こうした結果、型枠を取りはずした後の一般的なコンクリートは、時間の経過と共に白くなり粉をふいたようになるが、同社のスランプ12センチによるコンクリートは、黒光りした鏡のような表面を長時間にわたり持続するという。
これに対し、理解不足の設計事務所からは当初、白く塗り直すようにといった注文を受けたりしたが、昨今は賛同する事務所が増えてきているという。
同社はこうした技術を礎に、スランプ10センチもすでに手がけ始めており、今後もデザイナーズ住宅を中心に堅調な業務をキープ、さらにはアップしていく考えで、世田谷区に昨年7月開設した東京営業所を東京支店に格上げしていく計画だ。
[相模原市議会]
議員定数3人減らし49人に
相模原市議会の議会運営委員会(中村昌治委員長)は議員定数を現在の52人から3人減らして49人とする案を市議会3月定例会に上程、3月25日の本会議で可決された。
同委員会が3月16日から17日未明にかけて協議を続けて決めたもので、政令市移行後の2011年4月の統一地方選からこの定数になり、区ごとで緑区12人、中央区18人、南区19人になる。
[大和市]
特養ホーム2棟と介護1棟
10〜11年度開設、補助金を交付
大和市深見地区で2010年度と2011年度に特別養護老人ホーム2カ所と介護老人保健施設1カ所が相次いで開設され、同市が補助金を交付する。
2010年10月1日の開設を予定しているのは、社会福祉法人徳寿会(田辺晃久理事長)が深見字森下1736—2ほかの敷地面積2288.56平方メートルに建設する鉄筋3階建て延べ床面積2302.46平方メートルの地域密着型特別養護老人ホームで、定員がショートステイ10床を含む39床。この開設準備金として1740万円を補助する。
また、2011年10月の開設を予定しているのは、(仮)社会福祉法人大和シニアスタイル(三枝松太郎代表)が深見字坊の窪2104ほかの敷地面積2531.50平方メートルに建設している鉄筋3階建て延べ床面積4750.06平方メートルの特別養護老人ホームで、定員がショートステイ20床を含む110床。この補助金総額で市は6187万5000円を見込み、2010年度分の建設費で1856万3000円を補助する。
一方、2011年9月の開設を予定しているのが、医療法人社団蔡会(新谷幸義理事長)による介護老人保健施設で、深見台1丁目1176—19ほかの敷地面積に鉄筋3階建て延べ床面積4094.96平方メートルに100床を設ける。市はこの補助金総額5500万円のうち、2010年度分の建設費として1650万円を補助する。
4月9日 金曜日
[相模原市上溝]
子育てサロン誕生
市内で初の常設営業
相模原市内で初めての常設子育てサロン「かみみぞ ひだまり」が3月25日、中央区上溝5—1—11にオープンした。
地元の上溝商店街振興組合、自治会、公民館、ボランティアなどで組織する、上溝にぎわいづくり推進協議会(長谷川光義会長)が商店街内の空き店舗を改修し、テナントとして開設したもので、広さは92.3平方メートル。フリースペース、ベビーベッド、おむつの交換台、トイレ、厨房などともに30のボックスショップも備える。
地域の主婦に日常的に利用してもらうほか、朝市やフリーマーケット、手遊び講座なども開催し、地域住民の交流拠点として活用する計画だ。開設に先立ってボランティアスタッフを募集したところ、約20人が協力を申し出たという。
対象はおおむね3歳未満の幼児と保護者。営業時間は月曜日から金曜日の午前10時から午後4時。会員料金は入会金が500円、1回の利用料が200円、月間フリーパスは600円。ビジターは1回につき300円。一時預かりはしない。会員登録した人には商店街の指定店舗で買い物する際の特典を付ける準備を進めている。改修費などの経費は約400万円で、50パーセント余りを県と市の補助で賄った。
事務局を務める同商店街振組の小渕専務理事は「今の時代、地域で子どもを育て、見守ることが求められている。商店街もその役割を担う必要があると考え、地域の人たちと一緒になって子育てサロンの立ち上げを進めてきた。地域のにぎわい感を高め、住民の商店街への親しみを深めてもらうためにも、今後も積極的に運営に携わっていきたい」としている。
商店街と住民が手を携えて開設した子育て支援にどのくらいの利用があるか注目される。問い合わせは電話042‐761‐4007。
[キューピーアイ]
障がい者の目線で情報
自立支援でサイト
キューピー(株)の特別子会社、(株)キューピーアイ(町田市小山ヶ丘4—3—3、湯田正樹社長)はこのほど、障がい者の自立支援と社会との相互理解を深めるためのコミュニティサイト「Wellai.com(うぇるあいどっとこむ)ふくしサラダ」を開設した。
障がい者の目線で収集した情報を①あそぶ②学ぶ③くらしの3つのカテゴリーで紹介、3月2日から「あそぶ」情報を先行公開している。障がい者および支援者が安全で安心して出かけられるように飲食店やショッピング、レジャー施設について、通路やエレベーターの幅、スロープ傾斜角度などを現地で計測し、車椅子使用者の使い勝手を検証した結果を紹介しているもので、数値だけではイメージしにくい高さや幅を写真で示している。
また、同サイトで会員登録(無料)すると、店舗情報の投稿が可能になり、キューピーアイ社員が実地調査を行う手順をとっており、当初は多摩地区を中心に情報を充実させ、関東地区に順次拡大していくという。
さらに、「学ぶ」では障がい者や家族のインタビューを掲載、「くらし」では助成制度の活用や衣・食・住の情報(住宅改築や便利グッズ、サービスの紹介など)を提供する。
同社は2003年に設立され、社員47人のうち31人の障がい者が働いている。
[東京ガス]
水源を守る市民団体を支援
東京ガス(株)神奈川西支店は、相模原市が2009年10月に制定した「ホタル舞う水辺環境の保全等の促進に関する条例」に協賛し、CSR(企業の社会的責任)の一環として、都市部周辺の水源を守る市民団体への支援を行う。
同社から同条例に関する市民団体の情報提供の要請を受けた同市がホタルの保護活動などを行っている藤野町のNPO法人ふじの森のがるでんセンター(加藤久雄理事長)と、上河原たすきの会(神田武会長)の2団体の間で3月11日、支援に関する合意に至り、支援が決まったもので、2009年度は財政支援として助成金を支給、2010年度は人的支援で同社社員やOB、家族によるボランティア活動や交流を行う予定という。
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