日刊 相模経済新聞
最新の相模経済新聞紙面から、厳選した記事をお届け致します。
1月 9日 月曜日・祝日
1月10日 火曜日
[ 大和証券ヘルス財団 ]
調査研究で助成
国立相模原病院 古川治療研究室長
公益財団法人大和証券ヘルス財団(東京・中央区、清田瞭理事長)の11年度調査研究助成受贈者の1人に国立病院機構相模原病院(相模原市南区桜台18‐1)の臨床研究センター遺伝子診断・治療研究室室長を務める古川宏氏が選ばれ、その贈呈式が12月13日大和証券相模原支店(中央区相模原1‐2‐17)で行われた。
同財団は1972年、大和証券㈱が設立30周年を記念して医学研究を支援するため設けたもので毎年一回、「生活習慣病ならびに治療に関する研究と調査」に助成金を贈っている。一件あたりの助成額は100万円。11年度を含めてこれまでに1042件、10億円余りを助成している。
11年度は全国から303件の申し込みがあり、このうち30件を採択して助成金を贈った。神奈川県内からの申し込みは8件で、古川氏だけが採択された。同県内で通算42人目の受贈者となる。
研究テーマは「関節リウマチにおける薬剤性肺障害発症に関わる遺伝子の探索」。高齢者の関節リウマチ(RA)にはしばしば間質性肺病変(ILD)が伴い寿命にも重大な影響を及ぼすが、その発症のメカニズムは分かっていない。また、ILDにはRAとの合併症と、薬剤による誘発の2つのケースがあり、どのような遺伝子がそれぞれの発症を引き起こすかの解明が求められている。
古川氏は、この遺伝子を明らかにすることによって薬剤によるILDの誘発を予見し、薬の開発の可能性を探る研究に取り組んでいる。この取り組みが助成の対象となった。
贈呈式には古川氏、石河良夫氏(同財団理事・事務局長)、深田直子支店長が出席。石河氏は選考過程を説明した後、「研究の進捗を期待したい」と述べ、深田支店長は「支店としても個人としても地域貢献に強い意欲を持っており、私が支店長の間に担当地域で受贈者が出て、とてもうれしい」と笑顔で語った。
古川氏は専門的な話も交えながら「研究の目途が見えてきたと感じている。助成を励みにこれからも研究を続けたい」と語り、この後、深田支店長から古川氏に助成の目録が贈られた。
− 1月 1日号掲載記事より−
1月11日 水曜日
[ 日栄建設 ]
城山ICエリアの工事現場で風力・太陽光発電
土木工事主体の建設業の日栄建設㈱(相模原市中央区田名2144、篠﨑栄治社長)は工事を手がけるさがみ縦貫道と津久井広域道路が接続するインターチェンジの城山の現場に風力と太陽光の発電システムを導入、事務所と作業員休憩所の電力を供給する能力を備え、話題を呼んでいる。
現場事務所等電力賄う
同社が手がける同接続工事の現場に太陽光と風力発電システムを配置したもので、これにより1日あたり約400Wから800Wを供給、現場事務所と作業員休憩所の電力すべてを賄っているという。
このうち太陽光発電システムは1.5m×1.5mの発電機2セットを配置、その1つは風力発電システムとワンセットにした。
工期4ヵ月で CO2 12Kgを削減
一方でこのシステム導入により同社は、ひと月あたりCO2を約3Kg削減できるとしており、現場の工期が4カ月なので約12Kg削減できると想定、環境への配慮も重複してこのシステム導入に踏み切ったとしており、工事終了4カ月後は他の工事場でもこのシステムを活用するという。
同社の篠﨑社長は相模原市建設業協会の会長を務めており、そうした立場から東日本大震災の被災地には昨年3月にいち早く物資と支援活動にあたるチームを自らが率先して派遣、1企業としても大船渡市に足を運び、2600食の炊き出しも行った。
こうした経緯から篠﨑社長は「公共事業によるまちの発展や安全安心な街づくりに携わる建設業者として、行政の政策や様々な取り組みに率先して対応し実践していきたい」と話している。
− 1月 10日号掲載記事より−
1月 12日 木曜日
[ ノジマ ]
女子サッカーに参入
本拠地は相模原
家電量販ノジマ(横浜市西区)は女子サッカーに参入する。県内初のなでしこリーグ入りを目指しチームを創設した。本拠地は相模原市内に置く。すでに約2万平方㍍の土地を確保しており、練習場やクラブハウスを建設する。昨年末に所属選手の第1回セレクションを開催し、1月中にスタッフを決める予定。2月から新チームを本格稼働させる。
ノジマのチームは、トップチームからユースにあたる下部組織までの構成を想定する。トップチームの選手とは社員契約を結び、午前は社業、午後は練習になるという。
建設を予定する練習場は人工芝で、社員の研修施設も兼ねたクラブハウスも置くという。同社がネーミングライツスポンサーシップ契約するアメリカンフットボール・Xリーグに所属する「ノジマ相模原ライズ」とも、練習場を共同利用する可能性がある。
横浜市内で行った第1回セレクションでは、約2週間の募集期間ながら、60人の申し込みがあった。主にゲーム形式では11〜30歳の小学生から高校生、現役なでしこリーガー数人が参加。1月中に合否を決める。第2セレクションも企画している。
昨年の女子ワールドカップ(W杯)で優勝した日本女子代表には、岩清水梓選手(相模原市)、川澄奈穂美選手(大和市)など、地元出身者がメンバーに名を連ねていたが、県内には本格的なチームがない。同社は女子サッカーブームを追い風に、県内初のなでしこリーグ入りを目指す。まずは地域リーグ、チャレンジリーグで実績を積み、最短4年で、なでしこ加入が実現できるという。
監督に就任した菅野将晃氏は「地域としっかりと一緒になって応援してもらえるチームをつくりたい」とコメントした。
ノジマは2010年に地元企業としては初めてプロ野球・横浜ベイスターズの球団買収に名乗りを上げた。ベイスターズとスポンサー契約し、ユニホームの胸に「nojima」のロゴを入れるなど、プロスポーツの支援に力を入れている。
− 1月 10日号掲載記事より−
1月13日 金曜日
[ 市内の中小電子部品企業等 ]
タイ洪水の国内回帰で受注増
タイ洪水で現地工場が止まっている大手メーカーが国内での代替生産を進めている。海外生産に力を入れていた大手による〝国内回帰〟により、受注が増え始めた地域中小企業が出ている。なかには、工場の稼働率が1・5倍となった加工業者も。ただ、復旧が着々と進むタイ工場が完全稼働すれば、大手各社は再び現地生産に戻す見通し。いずれの地域中小企業も受注増の効果は限定的との見方を崩していない。
トモエレクトロ 3割増
電子部品製造トモエレクトロ(相模原市中央区田名3143―5)の12月の受注件数は、前月比で3割増えた。
現地進出する大手精密機械メーカーが浸水。現地下請け企業の工場もストップした。商品供給が滞る恐れがあるため、大手メーカーは国内での代替生産と部材調達を進めている。
部品を供給するトモエレクトロにも、11月以降大手からの新規受注が舞い込むようになった。武田知泰社長は、「今の稼働率は100%を上回っている」と説明する。
自動車部品のプレス加工を手掛ける綾瀬市の服部板金工業(綾瀬市小園771)も忙しい。昨年11月から稼働率は前月比で1・5倍ほどになったという。服部滋社長は「周辺の同業者も忙しくなってきた。タイの仕事が回ってきたことで、3月末までの受注は確保している」。
生産設備「スポット溶接機」を製造販売する向洋技研(相模原市中央区田名4020―4)。中小企業の製造現場が忙しくなれば、同社製品の需要も増す。甲斐美利社長は「タイ関連で忙しくなり始めた企業が増えてきたと聞いている」と販売増に期待を寄せる。
現地復旧で期間は限定
ただ、下請け企業への波及効果も限定的。「1月末までの受注は確保しているが、その先は分からない」(トモエレクトロ・武田社長)と話す。
円高水準が続いているだけに、大手各社はタイ工場が稼働すれば再び生産を移管する構え。実際、大手電機の幹部は「国内調達、生産では採算が合わない。一刻も早くタイを復旧させ、生産体制を戻したい」と明かしている。
− 1月 10日号掲載記事より−
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