日刊 相模経済新聞
最新の相模経済新聞紙面から、厳選した記事をお届け致します。
6月11日 月曜日
[ 権田金属工業 権田社長 ]
国際マグネシウム協会総会で講演
双ロール鋳造高速化技術をテーマに
国際マグネシウム協会(IMA)が5月20日から23日まで米国のサンフランシスコで開いた第69回年次総会で権田金属工業㈱(相模原市中央区宮下1-1-16)の権田源太郎社長が「600mm幅のマグネシウム合金板の高速双ロール鋳造技術の開発」をテーマに講演し、注目を浴びた。
同協会はマグネシウムが実用金属の中で比重が1.74と最軽量で人体に無害なうえ、資源量も豊富なため自動車の軽量化や建物の耐震用軽量素材としても注目され、活用分野も増えてきているため、「The Dream Metal」の標記で啓蒙と普及に努めている。
従来技術の10倍以上の高速化実現
日本からの20人を含め23カ国から267人が参加した年次総会ではこうした活動の再確認も行われ、技術や研究をテーマにした講演では23案件が発表され、このうち日本が4件を占め、研究や技術水準の高さを示す形になり、中でも権田社長の「高速双ロール鋳造技術の開発」は、従来の双ロール鋳造法の10倍以上の速度とあって、講演のあと数多くのの質問が寄せられたという。
日本からはこのほか、日本金属㈱(東京都港区)と茨城工業技術センター、岡山技術センターが発表に臨んだ。
− 6月 10日号掲載記事より−
6月12日 火曜日
[ さがみモノづくり研究会 ]
会員提案で取組み
相模原と一部座間の中小企業14社による異業種交流グループのさがみモノづくり研究会(石川龍二会長)は2012年度定時総会を5月30日午後6時から小田急相模原駅前のおださがプラザ・ミーティンググルームで開き、11年度の事業および収支報告と12年度の事業計画を承認した。
LED照明野菜工場や地熱家庭空調
事業計画では例年どおり会員を講師にした研修会を行い、分科会で会員提案による新規事業を展開する方針で、前年度はLEDを活用した野菜工場、地熱活用の家庭空調などの提案があり、会員が既に取り組んでいる。
この総会に来賓として臨んだ市産業・雇用政策課の渡邉誠治福主幹は「私はこの回に出席して3回目になるが、異業種交流グループは解散したところも多い中で13年も続いている点が素晴らしい。その場だけの儲けだけではなく、一歩先を見据えた会で、私たちも協力するので、なにかあれば声をかけてほしい」と呼びかけた。
また、相模原商工会議所の河本会頭代理で出席した布施昭愛課長は「河本会頭も異業種交流に熱心なので、今後も協力していきたい」と語った。
− 6月 10日号掲載記事より−
6月13日 水曜日
[ 銀河連邦 ]
6月13日を「はやぶさの日」に
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の施設がある全国の4市2町で組織する「銀河連邦」(相模原、秋田県能代、岩手県大船渡、長崎県佐久の4市と鹿児島県肝付(きもつき)、北海道大樹(たいき)の2町はこのほど、6月13日を「はやぶさの日」に制定すると発表した。
相模原で認定授与式
今年で友好交流歴25周年を迎える「銀河連邦」が「はやぶさ」の開発、運用にかかわった人たちの「あきらめない心、努力する心」を全国に伝え続けていくために制定したもので、これを記念して13日には渡辺謙主演の東映映画「はやぶさ遥かなる帰還」の上映会と宇宙研准教授で「はやぶさ2」プロジェクトマネージャーの吉川真氏の講演会を東京国立近代美術館フィルムセンター相模原分館内映写ホールで行う。また、JAXA見学ツアーも各2回行い、この間の13日午後2時15分から加山俊夫市長とJAXA教授の川口淳一郎氏が日本記念日協会の加瀬清志代表の立ち会いで「はやぶさの日」認定授与式に臨む。
一方、この認定に行う記念事業として13日午前11時から市立博物館内プラネタリウムで全天周映画「HAYABUSA」帰還バージョン特別上映も行う。
映画および全天周映画は共に無料で、問い合わせは市立博物館 電話:042-750-8030。
− 6月 10日号掲載記事より−
6月14日 木曜日
[ 相模原市 ]
中小企業開発補助金 5件採択
共立や昭和真空等
相模原市経済部産業・雇用政策課はこのほど、市内中小企業の新製品・新技術開発や新分野進出を支援する2012年度の中小企業研究開発補助金で申請があった17件のうち5件の採択と、昨年度から始めた新技術実用化コンソーシアム形成支援事業で申請のあった2件の採択を決めた。
2002年度から行っている事業で、採択企業の、技術とコンソーシアム支援事業は次のとおり。
【研究開発補助金一般枠】 ▽ワッティー㈱相模原事業所(南区大野台4-1-7・清水美知雄社長)超高速昇降温ヒータの開発 ▽㈱共立(緑区西橋本5-40-30、上野賢美社長)紫外線と電解による触媒活性化法を用いた温暖化ガス分解装置の開発 ▽ロス・アジア㈱(中央区田名塩田1-10-12、平岡尚社長)電子式ダブルバルブ監視装置の開発試作。
【同産学連携枠】 ▽レボックス㈱(中央区上溝1880-2、鎌田英洋社長)ホログラムを利用したディンプルの深度・口径計測装置の開発 ▽㈱昭和真空(中央区田名3062-10、小俣邦正社長)真空スパッタリング装置の高使用効率カソードの開発。
【新技術実用化コンソーシアム形成支援事業】 ▽㈱さがみはら産業創造センター(昨年度から継続)表面形状を制御した医療用機能部品の開発 ▽相模原商工会議所(昨年度から継続)スマートグリッド対応型レンジエクステンダ—式EV(electric vehicle)の研究開発と同EVの試走行。
− 6月 10日号掲載記事より−
6月15日 金曜日
[ 防音材メーカー ㈱静科 ]
世界最薄級防音材開発
工事不要で貼り付けるだけ
騒音防止パネルの㈱静科(しずか、大和市深見西4-6-24)は、世界最薄クラスの防音材を開発し、本格販売を始めた。大掛かりな防音工事が不要で、素材はカッターなどで切り分けられ、壁などにピンポイントではり付けられるのが特徴。本格販売にあたり、直販だけでなくホームセンターなどでの展開も視野に入れている。
同社は今年2月、パシフィコ横浜(横浜市西区)で開かれた工業技術見本市「テクニカルショウヨコハマ」に試作品を出展、来場者に性能を実演した。鳴り響く目覚まし時計を防音材の箱に入れると、途端に音は聞こえにくくなり、大きな反響を呼んだという。
折り曲げも自由
「一人静科・エスプリ」と名づけた同製品は、厚さ1・5㌢で自由に折り曲げられる。すでに同じ性能の防音材を製品化しているが、裏面に接着シールをつけ、壁や床などに直接設置できるように改良した。価格は60×30㌢で3880円。住宅やマンションの壁と床、さらには音楽室や生産設備の防音対策などあらゆる用途を見込んでいる。
同製品の素材断面は複数の層で構成されている。表面にはポリエチレンフォームを使った吸音機能、裏面には遮音機能を持たせた。
また、表面と裏面の間に独自加工した「ハニカム材」を挟んだ。ハニカム材は航空機などにも使われる素材で、紙などを〝ハチの巣〟の形状にすることで強度を高めた素材。
開発に携わった武紘一・経営企画室長は「うちにしかできない技術」と胸を張る。初年度1万枚以上の販売を見込み、本社工場での生産体制も整えるという。
同社は2006年設立の騒音パネル専業メーカー。東日本高速道路(NEXCO東日本)などにも騒音対策向けのパネルを供給している。電話:046-260-2789。
− 6月 10日号掲載記事より−
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