日刊 相模経済新聞
最新の相模経済新聞紙面から、厳選した記事をお届け致します。
10月 1日 月曜日
[ 相模原市 ]
1日から路上喫煙防止
相模原市は10月1日、市民の生活環境の保全に向けた路上喫煙の防止に関する条例を施行する。
県の受動喫煙防止条例の施行などを踏まえて、昨年市内在住20歳以上の男女3000人を対象に「市政に関する世論調査・路上喫煙についてのアンケート」を実施した結果、路上喫煙者の吸殻のポイ捨てなどが気になる63・2%、駅前など人通りの多い場所で喫煙されることに危険を感じる49・4%などの回答が多かったことに対し同市は今年3月議会の議決を受け同条例を制定、10月から施行するもので、路面シートや看板などで対象エリアを知らせ、市民に路上喫煙の防止を呼びかける。
重点地区違反に過料
同条例では、特に人通りが多い小田急線相模大野駅周辺、JR横浜線相模原駅・橋本駅の3つの駅周辺を路上喫煙重点禁止区域と定め、来年4月から違反者に2000円の過料を適用する。
このほか路上喫煙禁止区域として、重点禁止区域以外の駅周辺と市内16駅から半径500b以内の保育所、幼稚園、小中学校の外周道路を指定する。
このため、両地区にオレンジ色のベスト、紺色の帽子を着用した指導員を配置し巡回させ、市民にマナーの向上を呼びかけると共に愛煙家に配慮し駅周辺に配置された専用の喫煙所の案内も行う。
− 10月 1日号掲載記事より−
10月 2日 火曜日
[ 日本油機 ]
プラスチック成形法開発
温故知新≠フ発想でプラスチック成形が変わります―。相模原市中央区にある中小企業が約半世紀前の技術に着目し、それに改良を加えたプラスチックの成形法を開発した。時間と手間がかかっていたペレット樹脂の乾燥工程が不要となり、生産性向上と大幅なエネ効果が見込めるという。(千葉 龍太)
半世紀前の技術を改良
日本油機が開発したのは、「ベント式」と呼ばれる旧来型のプラスチックの射出成形機の技術をベースとしたもの。
家電や自動車部品など、あらゆる製品で使われているプラスチック製品。現在、これらの成形には「ノンベント式」の射出成形機を使うのが主流となっている。
プラスチック成形の材料となる樹脂ペレットは、水分などの不純物を含んでいるため、ノンベント式では、前もって長時間乾燥させる作業が不可欠だった。
乾燥した樹脂ペレットは射出成形機に投入され、シリンダー内で高温で溶けながらスクリューを通じ金型に送られる。
同社によると、プラスチック樹脂の種類によって異なるが、なかには乾燥に3時間以上かかる材料もあり、時間と手間がかかっているという。
ベント式で乾燥不要
これに対し、「ベント式」は、成形機に水分などの抜け穴となるベント孔を設けている。
これにより、シリンダー内で樹脂を溶かしながら水分などを飛ばすことができる。乾燥作業も必要ないという。
もともと半世紀以上前の射出成形機は、このベント式が主流だった。ただ、旧来型ではベント孔から溶けた樹脂が漏れてしまう難点があったため、次第にノンベント式に置き換わっていったという。
今回、同社ではベント式の利点に着目しつつ、装置へ樹脂の供給を適量にコントロールする「定量供給装置」と併用。シリンダー内のスクリューも改良したことで樹脂漏れを防いだ。
2年ほど前から開発に着手していたという市川十四男会長。「温故知新の発想で開発した。ベント式の装置1台あればすべて済むようになる」と話した。
従来の射出成形機でも同技術を使ったユニットに交換すれば使用できる。同社では改良作業を受け付けている。
プラスチック成形に半世紀以上携わってきた職人、市川会長がノウハウを結集させて開発した。本社工場がある相模原から技術の世界展開も見据えている。電話:042-757-6681。
− 10月 1日号掲載記事より−
10月 3日 水曜日
[ マイクロキャッツ ]
車載用PC開発
通信機能充実し2機種
産業用コンピュータと制御ソフトのマイクロキャッツ(相模原市中央区中央、山内純社長)はこのほど、車載用の組み込みパソコン(PC)2機種を開発した。カーバッテリーで使え、耐熱・耐寒性能にすぐれ、振動にも強い。GPSや通信の基本機能も備え、10万円台からの価格が特長だ。
消防車や救急車などは、専用ソフトを入れたPCを載せ、管理センターと連携し業務を行う。PCは多くの場合、特注品で、「1台50万円以上する場合もある」(山内社長)という。
熱や振動対策など、産業用製品で培ったノウハウを利用し、台湾メーカーと共同で開発した。県の産業技術センターで試験し、マイナス20℃から50℃の環境で動作を保証する。
基本システム(OS)はウィンドウズXPの組み込みタイプ(エンベデッド)と、リナックス。通信機能は3.5G、WiFi、ブルートゥースで、PCと他の端末との連携や、インターネット利用も可能。
山内社長は「昨年の震災以降、消防車などの情報システム強化が重視され、車載パソコンの需要は高まる」と見込む。今後、関連する展示会に出展し、システム設計会社に向けて販売する予定だ。
価格は標準機「ARV6002FLD5」のウィンドウズ版が11万5千円(税抜)、リナックス版が10万円(同)など。上位の高速機もある。
問い合わせは同社。電話:042-707-4766。
− 10月 1日号掲載記事より−
10月 4日 木曜日
[ 神奈川トヨタ ]
新車登録12カ月連続増加
エコカー補助金追い風
神奈川トヨタ自動車が集計した8月の県内新車登録台数(軽自動車除く)は、前年同月比6・3%増の1万5231台となり、12カ月連続で前年を上回った。エコカー補助金の駆け込み需要の効果なども、追い風になったという。10カ月連続で2ケタ増が続いてきたが、昨年8月から震災からの回復傾向に転じたため、伸び率は1ケタに低下している。
内訳を見ると、大きな割合を占める乗用車市場の登録台数は同6%増の8438台。
2ボックス車、スポーツ&スペシャリティー車、ステーションワゴン車、純輸入車がプラスとなった。3ボックスはマイナスとなった。
なかでも、2ボックス車ではトヨタ自動車「アクア」(1032台)が「プリウス」(953台)を超える大きな伸びを見せた。また、スポーツ&スペシャリティ車は、前年比576・3%で、トヨタが今年4月に投入した「ハチロク」が大きく数字を伸ばした。
神奈川トヨタによると、乗用車とRV車に占めるハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、電気自動車(EV)の割合は3分の1を超えているという。
− 10月 1日号掲載記事より−
10月 5日 金曜日
[ 武藤工業 ]
岩手県北上市に工場を開設
東北営業所の業務増で
金属熱処理の武藤工業(大和市下草柳、佐藤卓也社長)は10月下旬、岩手県内陸部、北上市の工業団地に新工場を開設する。昨年9月、同市に開設した東北営業所の業務増加にともない現地での生産を始めるもの。東北エリアの営業・生産拠点として、青森や秋田にも事業を広げ、初年度の売上高1億円を目指す。
工場の敷地面積は1741平方bで、延床面積は288平方b。製造と営業の従業員4人でスタートする。
既に100社以上の顧客
北上市周辺は、大和から翌日配送できる最北のエリア。競合他社が少ないため、同社は営業所開設以前から顧客開拓を進めてきた。震災以降は、沿岸部を避けて移転してくる企業もあり、小型車「アクア」の増産で活況を見せるトヨタ系列の岩手工場などの仕入先も多く、今後も有望市場という。すでに100社以上の顧客がいるが、現地生産の開始で営業範囲を広げ、さらに増強したい考えだ。
ロケット部品等の技術強み
武藤工業はH2Aロケットの部品製造にも携わった高度な技術を持つ。また、営業マンも全員が熱処理技能の資格者で、商談も相談も対応できるのが強みだ。現在は機械部品などのシェアが高いが、加工が難しい聴診器の振動版や歯科治療具なども手掛ける。佐藤社長は「技術と営業で、今後は付加価値の高い加工にも力を入れたい」と話している。
電話:046-261-8057。
− 10月 1日号掲載記事より−
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