日刊 相模経済新聞
最新の相模経済新聞紙面から、厳選した記事をお届け致します。
11月26日 月曜日
[ コバヤシ精密工業 ]
ベトナム市場進出へ
コバヤシ精密工業(相模原市南区大野台)は、ベトナム市場に進出する。提携関係にある川崎市内の汎用トレーメーカーが現地に新工場を持つのに合わせ、生産を協力。工場スペースを間借りする。一方、国内事業では、経営基盤の強化を目的に、航空機分野への新規参入を図る。
(千葉 龍太)
進出先はベトナム・ハノイ市内の工業団地。提携先企業が設立する現地法人の工場に入居する。工場は来年にも稼働する予定だ。
現地工場では金型製造などを請け負う。それと同時に、現地進出している日系メーカーにも販路を開拓する。小林昌純社長は、「国内では取引関係がなかった企業からの受注を獲得したい」と話した。なかでも、相模原の本社工場でも請け負える現地の受注案件を発掘したいという。
ベトナムは相対的に安い賃金だけでなく、人口9000万人の市場としても注目されている。国内の大手製造業では、ブラザー工業やフコクなども進出。帝国データバンクによると、ベトナム進出している日本企業は製造業を中心に1500社以上あるという。小林社長は「海外事業の売上高比率を大きく伸ばしていきたい」と意欲を示した。
国内では航空機分野に参入も
一方、国内事業では、これまで培ってきた技術を生かし、航空機分野への参入を狙う。来年後半からの本格参入をにらみ、受注から納品に至るまでの社内プロセスを改革するという。
すでに航空機産業で要求されるマネジメントシステムを社内で試験運用しており、早ければ年内にも構築したいとしている。「航空機産業への参入は長年の夢だった。需要が安定しており魅力的」(小林社長)と話していた。
国内では航空機分野への新規参入を狙う小林社長
− 11月 20日号掲載記事より−
11月27日 火曜日
[ 相模原のオペス ]
太陽光+風力発電の街路灯開発
発光ダイオード(LED)照明器具を製造販売するオペス(相模原市中央区宮下)は、太陽光と風力発電によるLED街路灯(写真はイメージ)を製品化する。
来年早々にも市場投入する。現在、韓国の太陽光発電パネルメーカーと共同開発を進めている。電源不要でメンテナンスもほとんどいらない街路灯としており、大規模開発業者や自治体などに向け販路を開拓する。
開発中の製品は、高さ12bで、水平方向に回転する羽根2枚を持つ「竹トンボ」のような構造という。風力発電ユニットも内蔵されている。
羽根の素材上の表面にはシート状の小型太陽光発電パネルが貼ってあり、裏面はLED照明になっている。太陽光と風力で蓄えた電力をLED照明に供給する仕組み。外付けのバッテリーも設置可能で、フル充電で最長3日間照らせるという。
羽根には同社の光触媒製品「ミナコート」を塗ることで、汚れ防止の効果が見込める。
オペスの山口さゆみ社長は「太陽光と風力を組みわせた発電効率の良さが特徴」と説明。製品化を急いでいるという。
同社では11月15日に開かれた西武信用金庫主催の「ビジネスフェア・フロム・タマ」に試作品のパネルを出展。来場者の関心も高かったという。
問い合わせは、同社042(774)2378。
− 11月 20日号掲載記事より−
11月28日 水曜日
[ 牧山商事 ]
アスファルト除去剤開発
スプレーで手軽に
運輸業の牧山商事(相模原市南区松が枝町)は、道路の舗装工事で飛び散ったアスファルト汚れをスプレーで剥がせるクリーナーを製品化した=写真。手軽に汚れが落とせるので、現場作業の負担減につながる新製品として、工事関係者などに販売する。
「アスファルト・ファインクリーナー」と名付けた。420_g入りで税抜き1200円。コンクリートや自動車のボディー、建物の外壁など、さまざまな素材に使え、シミを残さずきれいに落とせるという。
開発には化学メーカーとも協力した。アスファルト汚れは従来、工事車両の軽油やガソリンを抜いて対処するか、カー用品のクリーナーでふき取るのが一般的だった。そのため、仕上がりに問題があったという。
同製品は「もっと手軽に、確実に取れる方法はないか」と考えた牧山喜偉社長の発案で開発に着手。約4か月間、試作と試験を繰り返して発売にこぎつけたという。
道路舗装の関連製品を扱う商社のMECX(さいたま市西区)で販売する。今後は牧山商事でも直販し、いずれはインターネットでの通販も視野に入れる。
牧山社長は「手軽に使えるものはこれまでなかった。工事現場の必需品として広く使ってほしい」と説明。ホームセンターなどへの販路拡大も検討している。問い合わせは、同社座間営業所:046(298)5477。
− 11月 20日号掲載記事より−
11月29日 木曜日
[ トモエレクトロ ]
使用済み半導体の再生を付加した新事業
トモエレクトロ(相模原市中央区田名)は、試作品製作で使われるプリント基板の実装を一括して請け負うとともに、使用済み半導体を再生するサービスも組み合わせた新規事業を展開する。
業務用ビデオカメラや複写機・複合機、工作機械などの幅広い機器が対象としている。
従来から手掛けていたプリント基板の実装事業に、付加価値の高いサービスをセットで提案することで差別化につなげるのが狙いだ。
メーカーの開発過程では、プリント基板に付けた半導体を入れ替えたりして、性能をみるケースがある。ただ、半導体は基板上にはんだ付けされており、入れ替えるには、剥がしてクリーニングする必要があるという。中には半導体を替えるたびに基板そのものを交換することもある。
トモエレクトロでは、回収したプリント基板と半導体を、手作業でクリーニングして再生する。本社内での受け入れ体制も整えたという。
同社の武田知泰社長は「いずれは新規事業だけで会社全体の売上高の半分程度に持っていきたい」と話した。
トモエレクトロは、プリント基板の実装作業などを主力にしている。
問い合わせは、同社042(760)2273 まで。
新サービスで差別化を進める武田社長
− 11月 20日号掲載記事より−
11月30日 金曜日
[ 東秀紙器 ]
ダンボール通販好調
注文件数 5割増に
東秀紙器(相模原市中央区小山)の子会社、秀朋が運営する段ボールの通販サイト「はこつくーる」()が好調だ。今月に入り注文数が前月比5割増となる150件以上になっているという。
東秀紙器は、もともと企業向けに製品梱包(こんぽう)で用いる段ボールの受注生産を手掛けている。ただ、段ボール箱の受注はメーカーの生産動向に大きく左右されてしまう。そのため、新たな販路を開拓しようと2009年から同サイトを立ち上げた。
「工場の稼働率を上げるために何かできないかと考え、新事業を思い立った」と薗広幸社長。これまでは毎月の注文数に波があったが、「(好調な理由は)時間とともにようやく認知されてきた」と説明する。
サイトでは、利用者が欲しい段ボールのサイズを指定し、1個単位からオーダーメード注文ができる。午前中までの注文なら即日に出荷が可能。
注文者は、大手メーカーから個人まで幅広い。特に企業からは少量多品種の部品や試作品の梱包用としてのニーズもあるという。
現在、段ボールを使った新商品の開発を進めている同社。薗社長は「段ボールの用途開拓を進め、新しい市場をつくっていきたい」と意欲的だ。
オーダーメードのダンボール
− 11月 20日号掲載記事より−
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