2012年(平成24年)
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日刊 相模経済新聞


最新の相模経済新聞紙面から、厳選した記事をお届け致します。

12月17日 月曜日

[ ペットの思い出、フィギュアに ]

別れのつらさ癒し続け

 愛するペットとの別れのつらさを、元気な頃そのままの姿の置き物で和ませたい――― 相模原市中央区田名の篠原文夫さん(64)は、ペットの写真をもとに、遺骨入れにもなるフィギュアをつくるサービスを手掛けている。「癒し屋さん」ホームページを立ち上げて半年。送り出して行った「ペットたち」に、依頼者からは喜びの声が届いている。       (澤田 久美子)

相模原の篠原さん 定年後に起業

 フィギュアは「レジン」という樹脂製。依頼主から写真を受け取り、提携する熟練の職人がつくる。
 表情や仕草まで忠実に再現≠キるだけでなく、ペットの名前を刻んだ台座には遺骨用のケースを忍ばせる。直接販売により、他業者よりも大幅に低い価格で提供できるのが特徴だ。
 篠原さんはもともと、半導体関連の技術者をしていた。定年退職を機に起業を試みた際、このビジネスを提案したのが長男の大介さん(当時25)だった。
 類似商品が少なく、一家が犬好きなことも、起業に対する追い風になった。そして昨年はじめから提携業者の選定や、ホームページ準備を開始。起業を目指して二人三脚で取り組んできた。
 ところが昨年5月、大介さんが病気で急逝してしまう。悲しみも癒えぬまま、わずか2週間後には、愛犬「チャッピー」も死んでしまった。失意の底に沈んでいた篠原さん。だが、志半ばで亡くなった大介さんのために事業をやり遂げると決めた、という。「チャッピー」をモデルに試作も再開。試行錯誤の中でついに「飼い主として納得のいくレベル」にたどり着いた。
 亡き大介さんが残したホームページに手を加え今年7月に本格開設すると、反響は全国から寄せられた。多くは亡くしたペットの姿を身近に置きたいという希望だ。
 とはいえ、最初から完璧な仕上がりでできるわけではない。依頼者と画像をやりとりし、相談しながら、製作中でも形や色を変更する。時には変更が10回以上におよび、製作期間は2カ月から4か月かかることも。
 しかし、その分完成度は高い。依頼者の亡きペットに対する思いが込もった製品に、喜びの手紙を受け取ることも多いという。
 「正直ビジネスとしては、まだ成立してるとはいえない」と篠原さん。だが、「辛い思いを抱える人の助けになりたい」と、一歩ずつ歩みを進めている。
 問い合わせは、篠原さん042(763)3237。


「辛い思いを抱える人の助けになりたい」と篠原さん

− 12月 10日号掲載記事より−


12月18日 火曜日

[ 相模原の日本油機 ]

温故知新のプラスチック成形

 相模原市中央区の中小企業が開発したプラスチック成形法が、業界で注目されている。もはや不要とされてきた半世紀以上前の技術に目を向け、それにプラスチックを知り尽くした職人のノウハウを融合させた「温故知新」の成形法だ。名古屋で開かれた業界向け展示会に出したところ、たちまち反響を呼んだ。11月下旬に、有名企業の関係者ら十数人が技術を見たいと相模原の工場を訪れた。       (千葉 龍太)

業界から注目浴びる

 成形法を開発したのは、中央区東淵野辺にある日本油機。創業者の市川十四男会長は、プラスチック成形に半世紀以上携わってきた職人だ。
 家電や自動車など、あらゆる製品や部品に使われているプラスチック。成形するには「射出成形機」が欠かせない。
 原料となる樹脂ペレットを溶かしながら成形機の金型に送る仕組みだ。現在、射出成形機は「ノンベント式」と呼ばれるタイプが主流。ところが、材料の樹脂ペレットは、水分など不純物を含んでいるため、ノンベント式では、前もって長時間乾燥させる作業が必要。なかには乾燥に3時間以上かかる材料もあり、時間と手間がかかっているという。
 日本油機が開発したのは、「ベント式」と呼ばれ、旧来型のプラスチックの射出成形機の技術をベースとした。
 樹脂ペレットは射出成形機に投入され、高温で溶けながらスクリューで金型に送られる。もともと、半世紀以上前の射出成形機は、このベント式が主流だった。
 ただ、旧来型ではベント孔から溶けた樹脂が漏れてしまう難点があったため、次第にノンベント式に置き換わっていったという。そこで市川会長らは、装置へ樹脂の供給を適量にコントロールする「定量供給装置」と併用。シリンダー内のスクリューも改良したことで樹脂漏れを防いだ。
 9月に同技術を採用した装置を製品化。10月に名古屋市内で開かれた展示会に出展した。それが会場にいた県プラスチック工業会の鈴木隆専務理事らの目に留まった。
 「実際に工場で稼働している様子を見てみたい」とする他の会員企業の要望もあり、11月下旬に日本油機の本社工場内で見学会が催された。
 当日は原料や装置メーカーなど、大手企業の技術者が集まり、温故知新の技術に触れた。
 参加した鈴木専務理事は「海外企業との競争に打ち勝つため、よいモノをつくり、コスト削減にもつながる技術だ。あらゆる町工場が、この技術を採用すべきだ」と絶賛。他の参加者も熱心に装置を見入っていた。
 日本油機の市川博章社長は「できれば、どの工場にも、従来のノンベントだけでなくベント式も置いてほしい。そうすれば、どんな成形にも対応できるはず」と説明。メードインジャパンの競争力確保に一役買おうと、今後は拡販を視野に入れているという。


大手企業など業界関係者が訪れた同社工場

− 12月 10日号掲載記事より−


12月19日 水曜日

[ 富士急行プレジャーフォレスト ]

市内唯一の本格的「雪遊び場」を開設

 富士急行(山梨県富士吉田市、堀内光一郎社長)は11月23日、さがみ湖リゾートプレジャーフォレスト(相模原市緑区若柳)内に「さがみ湖雪遊び広場」をオープンした。同市では唯一の本格的な雪遊び施設となる。
 雪遊び広場は遊園地エリアにあり、面積は1380平方bに全長45b×幅16bと全長33b×幅20bの2種類のそり遊び専用ゲレンデを設置する。
 広場の雪は、首都圏では数少ない人工造雪機「ICS(アイスクラッシュシステム)」で供給。氷を細かく砕いてゲレンデに撒くもので、1日最大50dの造雪能力を持つ。気温に関係なく稼働できるため、期間中は常に安定した雪質を提供できるという。  期間は来年の4月7日までの予定。県内外から家族連れの来場を見越し、さまざまなイベントも開催する。
 雪遊び広場の利用には、入園料大人1600円、小人900円のほかに広場入場料200円(大人・小人共通)が別途必要。そりのレンタル代は1台200円。
 問い合わせは、042(685)1111。


プレジャーフォレストにオープンした雪遊び広場

− 12月 10日号掲載記事より−


12月20日 木曜日

[ 2012年度 県小売店舗表彰 ]

相模原 2店舗が受賞

洋菓子店セ・ラ・セゾン! とベーカリーのボナペティ

 県と県商工会議所連合会などの共催による2012年度県小売店舗の表彰式が11月27日に行われた。今年で37回目。35店舗が選ばれ、相模原市では洋菓子店セ・ラ・セゾン! とベーカリーのボナペティの2店舗が受賞した。
 セ・ラ・セゾン! (中央区矢部、清水康生社長)はフランス語で「今が旬」という意味。その旬の味であるフルーツを使ったケーキ30種、ジェラート20種、パン10種などを販売する。特に、キウイ、バナナ、マンゴーに旬の果物を加えたフルーツロールケーキはいち押し商品だ。同店は、市内製菓店の祭典「さがみはらスイーツフェスティバル2012」でも、グランプリと焼き菓子の部門賞を受賞している。
 一方、外国の老舗店のような外観が目を引くベーカリーのボナペティ(南区東林間、田代日出夫社長)はフランスパンや調理パン、デニッシュなど平日で60種、週末は100種類を販売する。相模女子大学と連携し学生が提案した健康パンも開発、販売している。
 問い合わせは、セ・ラ・セゾン! が042(769)7355。
ボナペティが042(741)0388。


受賞した清水社長(中央左)と田代社長(中央右)



外国の老舗店のような外観のボナペティ

− 12月 10日号掲載記事より−


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