ロングインタビュー
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甲子園のスーパースターにあこがれた、かつての野球少年は、今年6月、経営者になった。相模原市中央区田名、旭フォークリフトの横江利夫社長(39)。あと一歩で逃した夢の舞台。転機になった故障、新天地での大きな壁…。多くの困難を乗り越えることができた背景には、結果を求める熱い気持ちと、自分を冷静に分析し、
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〝営繕工事の110番〟と呼ばれる会社が大和市下鶴間にある。薩駿建設工業は、顧客からの電話一本ですぐに駆けつける。目指したのは、建設業界のコンビニエンス。鉄骨工事や重機のリース、塗装、家庭のふすま張替え…。社員数9人ながら、大手顔負けの幅広いニーズに対応する。創業者である竹下連幸社長(73)は今でも現
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■転職繰り返す 地下鉄・東京メトロ銀座線。電車の車輌間をつなぐ引き戸は、乗客が開けると、自動的に閉まる。 一方、病院や介護施設、学校…。ここでも石井社長の「引き戸開閉アシスト装置」が活躍する。 開閉時、わずかに動かすだけで、なぜ開くのか。 その答えは、装置に組み込まれた小さな「ぜんまい」に
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焼き鳥、串カツ、おでん、団子…。どんな食材も串刺しにする自動串刺機市場で、国内市場シェア9割以上を独占する企業が相模原市中央区にある。社員数わずか5人のコジマ技研工業だ。同社の自動串挿機は、今や世界中に輸出されている。アジアや南米など、〝串料理〟がある国からの引き合いが絶えない。ただ、ここまでの道
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目の前の小さな命を救った経験が、世の中の役に立ちたいという大きな思いに変わった。業務用放送機器や生産ラインの制御システムなどを手掛けるMEMOテクノス(相模原市緑区西橋本)。モノづくりの原点は、ウサギ用の車いすだ。渡邊将文社長が10年以上勤めた会社から独立を後押ししたのは、命に関わるような大けがを
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2002年4月。相模原市内のベンチャー企業が開発した新製品が、大手経済新聞の1面トップを飾った。守備範囲にわずか2センチの変化や異常があった場合、すかさず探知する特殊センサーだ。安全・安心につながるとして注目を集めた。開発したのは、中央区鹿沼台の「オプトロン」。創業者の1人、森田幸三郎社長は、かつ
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山田工業(大和市柳橋)の山田道則社長が、腕一つで板金の世界に飛び込んで半世紀以上。72歳を迎えた今でも、モノづくりの情熱は衰えず、現場にこだわる。そんな山田社長を支えているのは「100歳を過ぎても働きたい」という夢でもある。手を汚し、汗を流す。忘れられつつある、〝製造業の原点〟ともいえる心を、山田
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〝脱下請け〟を模索する市内の中小企業にとって、おそらく、この会社の存在を知らない経営者はいないだろう。環境装置メーカー、共立(相模原市緑区西橋本)だ。一介の町工場だった同社が、自社ブランドの製品を立ち上げて10年余り。今や「ごみ分別機」の中・大型機のシェアは国内トップになるまでに成長した。経営の舵
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今や日常生活で欠かすことのできない素材、プラスチック。相模原市中央区東淵野辺に、業界から注目される町工場がある。その会社は「日本油機」。創業者である市川十四男会長は現在87歳。プラスチック成形の分野に携わって半世紀以上。成形機の基幹部品の設計、製作などを手掛ける。今でもひたすら図面に向かう。た
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「産業用ヒーター」と言っても、ピンとこないかも知れない。だが、実は身近なものに使われている。電気製品や調理器や工場用設備…。数えたらキリがない。その産業用ヒーターでオンリーワンとされる中小企業が、横浜市都筑区にある。今でこそ成長軌道にあるが、就任直後の2代目社長を襲ったのが、会社存続危機だった