さがみのフロンティア
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車で信号待ちの際、気がつけば前後、対向ともハイブリッド車(HV)などという光景が珍しくなくなった。 昨年1年間に国内で販売された新車の17%がHV。本田技研では、今年1~3月の新規登録車の49%がHVだという。 HVや電気自動車等のエコカーは国策に合致した省エネ時代の旗手。否定する理由はないが、
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日本の産業政策が第二次、三次産業の発展ばかりに注力し、一次産業をおざなりにするようになって、既に半世紀以上になる。この産業シフトは経済発展を目指す上での世界的法則とされているが、わが国ではそのスピードがあまりに高いだけでなく、シフト後に以前の産業を過度に弱体化させてしまっている。 そんな中で、合
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東日本大震災から、はや3年が過ぎた。 被災地から数百キロ離れた地にいては、復興の槌音もメディアを通した断片的な情報として伝わるだけで、実態はよくわからない。ただ、国内外から相当な金銭的・人的支援が提供されてきたにもかかわらず、進捗の度合いは今一つとの思いを抱く人は少なくないのではないか。 樹木
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「こんなに仕事を休んだのは創業以来初めて」 地元鳥屋と串川周辺、宮ケ瀬、宮の里(厚木市)など約40か所を巡回する引き売りを40年以上にわたって続ける天野商店(相模原市緑区鳥屋1280-1)の天野勝頼代表は開口一番、こう話す。 体調を崩しても2日と休んだことがないのに、2月半ばの記録的な大雪で3日
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ものづくり―本来辞書にもないこの言葉が、国家の未来を左右する標語のようになって久しい。 トヨタ自動車の連結純利益が過去最高を更新する見込みとされ、大企業の業績が軒並み復調している状況下でも、標語の重要性は変わらない。いや、高まっている感さえある。それほどまでに国内の製造業は疲弊しているのだ。
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アベノミクスで好況にある大企業とは裏腹に、それを下支えしながらアップアップという中小企業も少なくない。あらゆる業界で、「下請け」であることにプライドを持ちにくい時代である。 「下請けは格好悪い、恥ずかしいと卑下する向きもあるが、下請けだからこそ、ある種の特化した分野で技術を磨き付加価値を高められ
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相模原市民も頻繁に利用する小田急町田駅の乗降客数は、今や1日およそ29万人。同線では新宿に次ぐ規模である。 通勤通学時などは、狭いホームにあふれる人込みで気も張る。そんな時、何か食欲をそそる香りでも漂ってきたなら、多少なりとも気が和むかもしれない。 相模原も町田も、1960年代以降にベッドタウ
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4月から消費税が8%に引き上げられる。その公式発表がなされた昨年10月以降、耐久消費財関連を主体に、駆け込み需要の恩恵に授かっている企業は少なくない。 「10月から業界全体が忙しいようだ。人を増やしたいと募集をかけているが集まらない」 住宅や工場の外壁、屋根など建築塗装を手掛ける市村塗装(相模
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サラリーマンの終身雇用、年功序列が崩壊していった時代に、企業だけが以前と変わらぬ顧客、事業で右肩上がりに成長することなどあり得ない。30年以上の歴史を持つ企業なら、ここ四半世紀の間に事業や組織の再編、転換など、何かしらの変身を遂げたはずである。 創業35年の歴史を持つアイワ(相模原市南区上鶴間本
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起業に至る経緯は人それぞれ。一般に後進への有益な道標とされるのは、確固たる信念のもとで計画的に実行されたものだろうが、そんな事例はそれほど多くはない。 一方、道標とはなり難いが、人生の機微の中で、ある時ふいに決意された起業。これが意外と多いのである。しかも、計画的でなかったことがマイナスに働くと