ロボスーツ「HAL」、大野北誠心園に配備/県が普及促進へ


腰に装着しベッドメイキングを行う職員

腰に装着しベッドメイキングを行う職員

 県は、県内の介護施設30カ所にロボットスーツを配備し、試験導入を始めた。配備が決定した特別養護老人ホーム「大野北誠心園」(相模原市中央区東淵野辺)を取材した。
 ユニットリーダーの及川智美さんら2人が、6月12日に湘南ロボットセンターで開かれた研修を受けた。研修は半日程度で、理解度を判定する筆記試験も行われた。登録期間は1年間で、更新が必要となる。
 導入したロボットスーツは、サイバーダイン(茨城県つくば市)が開発した介護支援用「HAL(ハル)腰タイプ」。介護士などの腰に装着し、体の動きを支援する。
 背中と腰の左右にパッチタイプのセンサーを貼り付ける。このセンサーで、脳から筋肉に送られる微弱な電気信号を感知する仕組み。本来使う力の最大4割を軽減するという。
 同スーツは、高齢者の介助やベッドメイキングなど、腰への負担が大きい作業に適している。ただし、防水機能がないために浴室介護に使用できないなど、求められる改善点や課題もある。
 県によると、医療や介護の現場では、作業による負担で腰痛を発症し、離職してしまう職員が多いという。介護の需要が増加すると、職員不足が深刻化する懸念もある。
 各施設は約10カ月間で使い勝手を検証。月報の形式で、現場の声を県に提出する。
 同ホームでは「今後のスタッフの声などを反映させ、今後の導入を検討する」としている。(芹澤 康成/2015年7月10日号掲載)

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