土用の丑(うし)の日で景気もウナギのぼり―。7月24日、相模原市内のウナギ料理店や小売店には、猛暑を乗り切ろうと「うなぎの蒲焼き」を求める客が列をつくった。
今夏は、昨年に比べ1割ほど安価というが、蒲焼きなどに使用される「ニホンウナギ」は稚魚の捕獲量が減少。この10年余りで価格が高騰し、海外産の代用品などの輸入も増えている。
中央区の料理店では、前日から夜を徹して500匹を仕込んだ。価格の高騰が続くウナギだが、例年と同様に1980~3480円で提供している。
使用するウナギは愛知県産の天然もの。漁獲量が年々減り、独自のルートで仕入れているという。
店主は「うなぎは日本の暑い夏を乗り切る活力剤。季節の伝統を守りたい」と話す。
また、市内スーパーマーケットでは、一尾980円の中国産から1980円の鹿児島産まで、3タイプを用意。国産のウナギを使った蒲焼き弁当も用意し、1280円と高価格ながら売れ行きは好調だという。
店長は「中国産も高値になっている。仕入れが大変だが、サービスしたい」と話しながら、うなぎのパックを並べる手は止まらない。
料理店で「特上うな重」(3480円)を注文した男性(62)は「うなぎが大好物で、香ばしい匂いに誘われた。例年に比べ、若干安いと思う」と笑顔で答えた。
一方、都内から来た女性(31)は「ウナギが減っていると聞いたので、複雑な気持ち」と話していた。 (2015年8月1日号掲載)