宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、2020年の打ち上げを目指す「H3ロケット」。開発から民間事業者に主体的に参加してもらい、世界の商業打ち上げ市場への切り込みを狙う。
(芹澤 康成/2015年8月20日号掲載)
元請の三菱重工は、JAXAの要求事項に従い、機体開発と打ち上げを行う。部品点数の削減や、汎用部品の採用でコストダウンを図っていく。
新型ロケットは、従来の「HⅡA」ロケットと比べて打ち上げ費用を半分の約50億円に抑える。システムをモジュール化し、ライン生産に近い体制を構築。電子部品などに民生品を活用することで、コストを低減する。
搭載する第1段エンジンは、JAXAが独自に開発した燃焼サイクルを簡素化できる方式を採用する。安全性と低コストを両立できるという。
相模原市内で「HⅡA」向け部品を製造する企業は「設備機器の転換なしで、新ロケット向け部品を製造できる。ロケット建造のライン化に期待したい」とした。