さがみはら産業創造センター(SIC)が主催する「創・蓄・省エネフォーラム」が7月22日、サン・エールさがみはら(相模原市緑区西橋本)で開催された。関連企業や行政の関係者約60人が参加した。
今回のフォーラムは「水素社会の幕開け」がテーマ。水素エネルギーや燃料電池について、行政やメーカーの関係者が最新の情報を提供した。
トヨタ自動車技術統括部の河合大洋氏は、同社による燃料電池自動車(FCV)への取り組みを紹介。FCV関連の特許実施権の無償化について説明した。
対象は、燃料電池スタックや高圧水素タンクなど、同社が持つ特許技術計5680件。2020年末までの期限付き。なお、グループの部品メーカーが持つ特許は対象外とする。
懸念される水素ステーション整備については、約70件の関連特許を無期限で開放する。同社など大手自動車メーカー3社は、供給インフラ事業者への支援も決め、整備促進を促すという。
また、パナソニックの清水俊克氏は、家庭向け燃料電池「エネファーム」の普及拡大について説明した。本格普及のために、技術革新によるコスト低減を図るという。構成の簡素化と部品点数の削減を行うほか、汎用
燃料電池自動車「ミライ」の運転試乗会なども並行して開催され、希望者の運転で周辺の公道を走行した。
試乗した市内企業の男性(41)は「予想していたより静かで、走行もスムーズだった。ハイブリット車程度の価格になれば、購入を検討したい」と話していた。
(2015年8月20日号掲載)