介護ロボットの開発・製造を手がけるエルエーピー(厚木市中町)は、県の補助金を活用し、リハビリテーション補助機器「パワーアシストハンド」などの販路開拓を目指している。北村正敏社長は「厚木を介護ロボット分野世界の拠点にしたい」と話す。
同製品は、脳疾患患者などが自宅でもリハビリを続けられるように補助する器具。手指の屈伸運動で回復を促すほか、ものをつかむ動作をサポートする機能もあるという。
まひのある手に着けるグローブ(手袋)は、圧縮空気で伸縮するペローズ(空気袋)の作用で動く。空気を送り込む制御ボックスが必要となる。
片手で装着できるように、伸縮性のあるウエットスーツの生地を採用。肌に感触が伝わるよう、手のひらを露出するデザインとした。
神奈川工科大の山本圭治郎教授が基礎的な構造を開発。リハビリ専門医の助言を仰ぎながら製品化に漕ぎ着けた。
北村社長は「商品や技術の開発費を補助する制度は充実している。ベンチャーは販路がないので、補助金などのサポートが必要」と指摘する。
問い合わせがあれば同社の相談員が全国各地に出向き(有償)、まひの状態や手のサイズを確認してから契約を結ぶ。販売のほか、約2カ月前からレンタル契約も導入した。
利用者は、個人が約7割を占める。香港やシンガポールのほか、オーストリアからの注文もあり、2014年6月の販売開始から約250台を売り上げた。
(2015年9月1日号掲載)