創作イタリアン居酒屋の「奥の掌(て)」(相模原市緑区橋本)は、市内で採れた地場野菜を積極的に利用している。7月に同市内で開催された農業商談会にも参加。契約した農家から水菜やルッコラなどを仕入れている。
70種類以上の料理は、地中海沿岸の国々の家庭料理がモチーフ。オーナーの実家で栽培する野菜をはじめ、市内で採れた旬の食材を使っている。
店内は、気軽に入れるイタリアンがコンセプトで、席数がテーブル29席とカウンター6席。はしごを登ったロフト席は、〝隠れ家〟のような遊び心のある店内だ。
客層は、20代後半から40代のOLや主婦。緑区内に事業所を持つ企業関係者の利用も増えているという。
同店のおすすめは、長さ50センチメートルの豚肉生ソーセージをそのまま焼いた「自家製サルシッチャ」。また、豚と鶏のレバーをハーブで香り付けし、ベーコンで巻いて蒸し焼きにした「パテ・ド・カンパーニュ」なども人気だという。
店長の山口和規さんは「地場野菜は、流通が確立されておらず、輸送コストがかかり、料理の価格に影響してしまう」と問題点を指摘する。しかし一方で、「若者に地場野菜を知ってもらい、経済を地域内で循環させたい」と山口さんは意気込む。
(2015年9月10日号掲載)