麻布大学(相模原市中央区淵野辺)は15日、生命について学ぶことができる「いのちの博物館」を校内に開館した。
研究成果や動物標本など、教育・研究でつくられた学術資料を一般向けに公開していく。
同博物館は、同大学の創立125周年を記念して企画され、学生食堂だった建物を利用して設置した。学術資料や同校の歴史資料が、テーマごとに4つのコーナーに分けて展示されている。
見どころは、1913年に卒業生が寄贈した「ウシの模型教材」。45年の東京大空襲で校舎がすべて焼失したが、戦前の資料として発見された。
同館の監修を担当した高槻成紀元教授は「戦災で資料が失われることを憂いた関係者が持ち出し、戦後に戻したのかもしれない。ほかに現存する資料があるかもしれない」と推測する。
また、作業室には、動物の骨に触れることができる「ハンズオンコーナー」を設けた。実際にゾウやシカなどの骨に触ることで、動物の体や仕組みを理解してもらおうという試み。
高槻氏は「見ること触ることで、(いのちを)体感してもらう。地域密着型の博物館にしたい」と話す。
入館料は無料。火曜日から土曜日の午前10時~午後4時まで開館する。
(2015年9月20日号掲載)