音響制御機器メーカーのMEMOテクノス(相模原市緑区西橋本)はこのほど、色鮮やかな蒔絵を施した真空管アンプ「彩(あや)」を開発・発売した。日本のものづくりと伝統工芸の技術力を海外に売り込んでいく。
漆黒の艶やかな表面は、会津漆器の技法で仕上げた。福島県会津若松市の蒔絵(まきえ)職人が漆を塗り重ねて仕上げ、螺鈿(らでん)細工でサクラの模様も施した。
真空管アンプは、音響マニアでも極めて少数派の分野。再生される音にそれぞれ好みがあるが、中低音で温かみのある音を出せるよう設計した。
上部の球体部分は、熱による変形を防ぐため、集成材の中密度繊維板を使用。制御装置を収めた台座部分に、ギターや碁盤に使うアガチス材を採用した。
販売方法は専用ページからの受注のみ。価格は95万円。1台ずつ手作りするため、同じ図柄は一つとしてないという。
渡邊将文社長は「海外の人にも使って貰い、日本のものづくりの豊かさを伝えたい」と話した。
(2015年12月10日号掲載)