さがみロボット産業特区のオープンイノベーション交流会がこのほど、相模原市緑区西橋本で開かれた。ロボット技術の革新を目指し、宇宙や医療・介護などの関連事業者と情報を交換した。
基調講演では、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の久保田孝教授が今後の宇宙開発で求められる技術を紹介した。「重力天体(火星・月)で持続的に探査する技術」が必要で、民間がアイディア多く保有する分野だという。
JAXAは昨年4月、新組織「宇宙探査イノベーションハブ(探査ハブ)」を設置し、産学官が一体となって探査技術の開発に乗り出した。探査の効率化を実現するため、設計思想と方向性を転換する狙いだ。
改革のコンセプトは「発注型から参画型へ」。20年先の宇宙探査を見越し、民間企業などが月利用に参画できるビジョンを描いている。研究課題の設定から民間企業などを巻き込み、利用ニーズを高める。探査ハブで取り組むテーマは、地上技術の革新も狙う。特殊環境下での調査や資源採掘、救助活動の技術向上に役立てる。
県産業技術センターが主催。特区や首都圏のロボット関連産業などから約150人が参加した。
大塚康男所長は「宇宙や高齢社会のニュースとともに、ロボット関連の話題が報道されない日はない。意見を交換し、それぞれの事業に役立ててほしい」と話した。
(2016年1月20日号掲載)