国と県、相模原市の3者は、1月26日に相模原市中央区のサーティーフォー相模原球場などで、大規模スポーツイベント中のテロを想定した「国民保護共同実働訓練」を実施した。県の国民保護計画に基づいた訓練は、今回が初めて。
訓練は「テログループによりサリンが散布され、多数の負傷者が発生。近隣の住宅地に対する爆破予告犯があり、不審物が発見」と想定。
防護服を着た警察や自衛隊などの隊員が負傷者を救出。化学物質の付着状況を判断し、現場を除染した。
北里大学病院や相模原協同病院のDMAT(災害時派遣医療チーム)が症状や負傷の程度によって処置・治療の優先順位を決めるトリアージを実施。緊急な処置が必要な患者は、ヘリコプターで医療機関に搬送した。
参加者は、警察や消防、自衛隊のほか、医療機関や周辺自治会など43機関から約850人。各機関の役割りや相互連携を確認した。
参加した周辺住民(60代女性)は「パリで起きた爆破テロのように、身近な危機だと思う。きょうの経験を知人らにも伝えたい」と話した。
(2016年2月10日号掲載)