JVCケンウッド、がん早期発見目指す/医療検査装置を共同開発


 JVCケンウッド(横浜市神奈川区)はこのほど、医療機器を製造・販売するシスメックス(神戸市中央区)と共同で医療用検査装置の開発に取り組むと発表した。血液やだ液でがんなどの病気を早期に発見できる、体に負担が少ない検査技術の創出を目指す。

 JVCケンウッドは医療機関向けの画像診断などを手掛けてきた。検査装置を足掛けに、ヘルスケア事業へ本格的に参入する。

 開発する装置は、さまざまな細胞から分泌される約50~100ナノメートル(ナノは10億分の1㍍)の微小な物質(エクソソーム)を検査する機器。JVCケンウッドが長年培ってきた光ディスクの技術を生かし、微細な物質を捉え、数を計測するシステムに応用する。

 捕捉したエクソソームは、シスメックスの「高感度測定技術」を利用した装置で、内包される遺伝子やたんぱく質を測定する。

 エクソソームには、疾患の指標になるたんぱく質やmRNA、マイクロRNAなどの物質が含まれている。血液やだ液などの体液に含まれるため、検査時の負担が少ないことが特徴だという。

 両社は「それぞれの技術のシナジーを最大限に発揮し、より緊密に本共同開発を推進する」とした。
(2016年4月1日号掲載)

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