麻布大学(相模原市中央区淵野辺)獣医学部の菊水健史教授らの研究チームはこのほど、オスのマウスの涙に含まれるフェロモンが、自身や他のオスの攻撃性を高める効果があることを解明した。今後、哺乳類の情動や行動を支配・制御する脳神経回路の解明に期待される。(芹澤 康成/2016年5月20日号掲載)
効果が確認されたフェロモンは、オスの涙に含まれる「ESP1」というたんぱく質。分泌されると、メスの鼻の下にある器官を刺激して、性行動を促進させることが分かっていた。
今回の実験で、オスは、別のオスが住処に侵入してくると攻撃するが、去勢したオスに攻撃しないことが判明。ESP1を分泌しないオスにESP1を嗅がせておくと、去勢したオスにも攻撃することを突き止めた。