市立博物館、旧津久井の町史刊行/古代から中世3部構成


発刊した『津久井町史 通史編 原始・古代・中世』

発刊した『津久井町史 通史編 原始・古代・中世』

 相模原市立博物館(同市中央区高根)はこのほど、「津久井町史 通史編 原始・古代・中世」を刊行した。全8巻のうち7巻目で、「原始・古代」「中世」「津久井城」の3部構成となっている。

 町史編さん事業は1998年から始まった。原始・古代部会(大貫英明部会長)と中世部会(下山治久部会長)で内容の検討や資料の調査・収集を実施。これまでの調査成果などを生かし、約300点の図や写真を使ってまとめた。

 同委員会は、2003~10年度にかけてまとめた「資料編」(計4巻)、13年度に「自然編」、15年度に「通史編 近世・近代・現代」を刊行。17年度までに、旧津久井に残る文化遺産をまとめた「文化遺産編」の編さんを終える予定だ。

 「第1編原始・古代」は考古学の視点により旧石器時代から奈良・平安時代までについて記した。「第2編中世」では、鎌倉幕府の成立から戦国時代の終期までの歴史をまとめた。

 「第3編津久井城」では、旧津久井町の歴史を知る上で不可欠な同城を取り上げ、位置づけや特徴について時代を横断してまとめた。現在、国内で確認されている津久井城絵図14点のうち7点を口絵に採用したほか、最も知名度のある1点を70%に縮尺の付図として添付した。

 市史編さん班は「時代の変化の中で、貴重な文化や自然などが急速に失われつつある。町史編さん事業を継続させていくことが使命だ」とコメントした。

 A5判、745ページ(うちカラー16ページ)で2620円。市役所行政資料コーナーや公文書館、博物館のほか、書店協同組合加盟店でも販売している。
 問い合わせは、市史編さん班042・784・0433まで。
(2016年6月1日号掲載)

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