市長と市教育委員会で構成する「相模原市総合教育会議」がこのほど、同市中央区中央の本庁舎で開かれた。学校でのいじめの防止や適切な対応など、再発防止策を検討した。
事案が発生した当時、中学2年生だった市内の男子生徒Aが自宅で自殺を図り、2013年11月、搬送先の病院で死亡した。同会議は14年2月、第三者機関の「子どものいじめに関する調査委員会」に詰問し、ことし3月に答申があった。
調査委員会の見解によると、15年3月から16年3月まで計12回の調査でいじめが20件報告されたが、生徒Aが関わった事案は認知されなかったという。
教員らは「けんか両成敗」として指導を行い、生徒Aを問題視したが、苦痛やその累積まで留意しなかった。トラブルの多くは部活動で発生し、生徒Aが退部してから問題視される事案は減少した。一方、自殺行為は2年次の11月に発生し、いじめだけが原因と断定できないとした。
いじめへの対応では、ほかの生徒とのトラブルが多い生徒の苦痛の累積と周囲からの孤立を防ぐため、「適切な指導と援助」の必要性を訴えた。また、いじめの隠ぺいや対応の怠慢が非難されても、「いじめの発生そのものを非難すべきではない」と指摘した。
(2016年6月20日号掲載)