相模原市は5月25日、谷や沢、傾斜地を大規模に埋め立てた造成地75カ所の位置を示した「大規模盛土(もりど)造成地マップ」を作成し、ホームページで公開を開始した。2011年の東日本大震災など大規模地震で、被災地では地滑りや崩落により住宅や公共施設に被害が生じた。
国土交通省は2006年に改正した宅地造成等規制法に基づくガイドラインで、各自治体の調査を推進。市は14・15年度にガイドラインに基づき、住宅地の中にある大規模盛土造成地の位置と規模を調査した。
宅地造成前の地形図・航空写真と現況地形図をコンピューター上で照らし合わせ、造成前より地盤が高くなっている所を特定。谷を埋め立てた広さ3千平方メートル以上の場所が45カ所、傾斜地に盛り土した勾配20度以上で高さ5メートル以上の場所を30カ所、該当地とした。
中央区では上溝周辺に集中。緑区は若葉台や久保沢、太井、根小屋の近辺で多く確認された。大規模盛土造成地の位置を示しただけで、住宅の危険性について評価したものではないという。
市開発調整課は「住まいの近くにある大規模盛土造成地を知って、防災意識を高めてほしい」としている。
今後、大規模盛土造成地について現地調査などを実施。危険要因が認められ詳細な調査が必要と判断されれば、耐震性の確認を目的とした第2次調査を行う。
(2016年6月20日号掲載)