神奈川選挙区、4議席に12人の激戦/参院選2016


 6月22日公示の第24回参院選は、10日の投開票に向け中盤戦をむかえ、舌戦も激しさを増している。神奈川選挙区(改選数4)には現職3人、元職1人、新人8人の計12人が立ち激戦となっている。三原じゅん子氏(自民・現)がリードし、残る3議席を三浦信祐氏(公明・新)、中西健治氏(無所属・現)、金子洋一氏(民進・現)、浅賀由香氏(共産・新)、真山勇一氏(民進・元)の5人が激しく争っているが、まだ情勢は流動的だ。(2016年7月1日号掲載)

 三原氏は2010年参院選に比例代表で出馬し初当選。同選挙区の小泉昭男参院議員の引退により、比例から選挙区へ鞍替えした。自民県連が支持層をまとめ、高い知名度から無党派層の支持も集めている。

 前回選挙から同選挙区の改選数が3から4へ増えたことを受け、自民党本部は当初2人を公認する方針だったが、県連が慎重な姿勢を崩さず、三原氏1人を公認、無所属現職の中西氏と公明の新人三浦氏を推薦した。

 中西氏は、外資系証券会社役員を経て、09年の横浜市長選に出馬し落選。10年の参院選に、旧みんなの党から出馬し初当選。同党の解党後、無所属となった。中西氏の出馬会見には、麻生太郎財務相が同席、麻生派などが支援している。

 公明は選挙区選、比例選とも堅調。前回13年の参院選で公明は、4選挙区(神奈川、東京、埼玉、大阪)に候補者を擁立し全員が議席を獲得した。今回は、改選数3以上の7選挙区に候補者を擁立した。

 神奈川2区選出の菅義偉官房長官は、自身の後援会組織を稼働させ、三浦氏を支援。安倍晋三首相も街頭演説に駆けつけ、「与党(自・公)で改選過半数61議席」を狙う方針。改選数4に対し、与党系候補3人が議席を獲得するのか注目される。

 3期目を目指す民進現職の金子氏は、最後の4議席目を狙う苦しい選挙戦。民進党の公示後の県内衆院選挙区別の支持率調査では、民進支持は県全体で17%なのに対し、同14区(相模原市)では県内トップの22%。同市での支持が高く、金子氏は選挙期間中、2回相模原に入る予定。

 民進元職の真山氏は、10年の参院選に旧みんなの党から比例で出馬し落選したが、12年に繰り上げ当選。その後、結いの党、維新の党を経て民進党結党に参加。しかし国会法の規定で入党できず、公示日前日に辞職したため「元職」となった。元日本テレビキャスターの知名度を生かし、無党派層の支持を集め猛追している。

 共産新人の浅賀氏は、共産支持層を固め、政権批判票を集めている。前回の13年参院選の神奈川選挙区では、最後の1議席を旧民主と共産の候補が激しく争った。開票結果が全国最後の1議席となるまでもつれ、僅差で旧民主が辛勝した経緯がある。今回、民進党本部は県連の意向に反して、2人公認しており、共倒れの可能性もある。共産が同選挙区で議席を獲得すれば、98年以来の18年ぶりとなる。おおさか維新の丹羽大氏、社民の森英夫氏、こころの清水太一氏は伸び悩んでいる。

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