相模原市は、国の2017年度予算編成を前に、市の将来にとって重要な施策に係る提案・要望事項をまとめ、関係各省庁に提出した。「国民生活センター相模原事務所」(中央区弥栄)の地方移転の見直しなどを新たに盛り込んだ。
同センターの移転は、1月に内閣府から意見聴取の依頼があったことで、徳島県への移転案が発覚した。在日米陸軍キャンプ淵野辺跡地にあることを指摘。消費者問題の緊急性・重要性を考慮して開設に至った経緯を説明し、移転対象から除外するよう求めた。
要望書では、▽米軍基地の早期返還▽小田急多摩線延伸事業の促進▽社会資本の整備・維持のための財源確保―などを一部新規で要望。▽地方分権改革の推進▽JR横浜線連続立体交差事業の推進▽首都圏三環状道路の整備―などを継続して求めた。
特に米軍基地関連では、「返還4事案」で合意した4カ所に加え、在日米陸軍相模総合補給廠(相模原市中央区)の北側(約33ヘクタール)の返還も要望した。返還財産の地元への処分に当たって、無償譲渡などの優遇措置を講じるよう求めた。
横浜線の連続立体交差事業は、渋滞解消や踏切事故対策に限らず、地域の活性化や防災性の向上などに大きく寄与する事業であると指摘。17年度から事業着手前の調査を予定しているため、事業実施に必要な財源確保を要望した。
加山俊夫市長は「首都圏南西部の空域交流拠点都市として自立した行政運営を行うことに当たって、国において制度および予算などについて、検討・協力を願いたい事項をまとめた」とコメントした。
(2016年7月10日号掲載)