流体機器の開発・製造するリガルジョイント(相模原市南区大野台)は、災害時に河川や池などの水から飲料水をつくる「非常用飲料水製造装置」を開発している。オゾン環境機器で築いた技術力を生かし、環境分野でも存在感をPRしたい考えだ。
同社は南海トラフ地震や首都圏直下型地震が懸念される中、災害時の深刻な「水不足」を解消しようと、2015年5月から浄水装置の開発を開始した。大量に早く、水道水レベルの安全な水を供給できる。
浄化装置は、最終ろ過で使う「微細ろ過フィルター」に、同社が流体機器開発で培った水フィルターを転用。主流となっている逆浸透膜(RO膜)方式は高性能だが、ろ過に時間がかかるため、大量の水を浄化できない欠点があるという。
汚れや不純物を吸着・凝固する凝集剤は、事前に調査した水質に合わせて、オーダーメイドで調合することが特長。かくはん、凝集、フィルターろ過、殺菌の4段階の行程で浄化。浄化した水は、水道水質基準51項目(大腸菌やヒ素、重金属など)をクリアする。
稼働時間は、ガソリン発動機で約8時間。河川の水や池の水から1日最大で1万400リットル(約3千400人分)の飲料水をつくることができる。
移動式で災害などの緊急時にワンボックスカーなどの荷台に積み込み、使用場所に簡単に移動できるのも特長だ。
予定価格は400万~800万円。初年度は自治体や企業、病院、ホテルなどを中心に販売し、約1億円の売り上げを目指す。
問い合わせは、同課042・756・7411まで。
(2016年7月10日号掲載)