第24回参院選は10日、投開票が行われた。12人が立候補した神奈川選挙区(改選数4)は、自民現職の三原じゅん子氏がトップ当選、公明新人の三浦信祐氏が初当選を果たした。民進元職の真山勇一氏、無所属現職(自民から追加公認)の中西健治氏が当選を決め、改選数4に対し、与党系が3議席を占めた。浅賀由香氏(共産・新)、金子洋一氏(民進・現)は及ばなかった。
自民の三原氏は投票終了後の午後8時過ぎに、早々に当選確実が報じられた。横浜市中区の選挙事務所で、あいさつに立った三原氏は、「2期目となり責任を強く感じている。神奈川の皆さんの役に立つ政治家にならないといけない」と表情を引き締めた。
自民は三原氏1人を公認、無所属現職の中西氏(9日付で追加公認)と公明の三浦氏を推薦していた。与党系3候補が、保守票を奪い合うのではと懸念されたが、自民県連が「唯一の公認候補」である三原氏に支援を一本化。100万票を超える圧勝でトップ当選を果たした。
公明の三浦氏は自民の推薦を受け、安倍晋三首相も街頭演説に駆けつけたほか、衆院神奈川2区選出の菅義偉官房長官も支援に回った。公明支持層だけでなく、一部の自民支持層や支持政党のない保守層へも浸透した。
今回、公明は改選数3以上の7選挙区に候補者を擁立し、すべてで議席を獲得した。民進の真山氏は元日本テレビキャスターの知名度を生かし、無党派層の支持を集め猛追した。
民進は今回、2人公認しており、支持票の分散が懸念された。真山氏は組織の支援に頼らず、知名度を武器に、無党派層の票を大きく伸ばした。
自民推薦で無所属の中西氏は、当選が決まった11日未明、自民党が9日付で追加公認し、自民公認となった。中西氏は、2010年の参院選に、旧みんなの党から出馬し初当選。同党の解党後、無所属となった。自民の麻生太郎財務相をはじめ、麻生派国会議員らが支援し、最後の1議席を獲得した。
共産の浅賀氏は、支持層を固め、政権批判票を集めたが、18年ぶりとなる同選挙区での共産の議席獲得はならなかった。3期目を目指した民進の金子氏も及ばなかった。
民進党結党にともない、旧維新から真山氏、旧民主から金子氏の2人の公認候補が立候補することになり、当初から厳しい戦いを強いられていた。