相模原市は7日、津久井中央公民館(緑区中野)で、新市営斎場について検討する「火葬場を考える会」の第4回会合を開いた。3つの候補地について検討を進めた一方で、新たな候補地の可能性も提案したため選定が難航している。
前回の会合では、事務局が有力候補として▽土沢北▽帝京グラウンド▽寺沢奥南―の3カ所を選び出した。今後、委員の現場視察や詳細な調査で比較検討し、今夏中に優先順位を仮決定する。
新たな候補地は、津久井広域道路延伸部にある「土沢西(仮)」。リニア非常口建設の発生土や同道路の活用などの視点から検証した。
隣接する津久井広域道路計画地を流れる“沢”はリニア工事で発生する残土で埋め、アプローチ道路の整備に活用。道路から直接アクセスできるようになるほか、工事車両の交通量を減らすことで、環境負荷の軽減や交通安全も確保できる。
土沢西は最大約20平方メートル(11トンダンプ4万2千台分)の盛土が必要。埋め立てと土の安定期間に約4年以上がかかるため、候補地となる可能性を否定した。
寺沢奥南(5・8ヘクタール)の概算事業費は、造成など工事費と用地費を合わせて、約6億8500万円と試算。県道鳥屋川尻線から約700メートル。アクセス道路を新設する必要があるが、約300メートル以内に人家はない。切土法面が約55メートル発生するため、地滑りなどのリスクがある。
帝京グラウンド(4・7ヘクタール)の総事業費は約6億5500万円。県道から約400メートルで一部アクセス路が必要となるほか、約300メートル以内に人家が少数ある。
土沢北(4・0ヘクタール)は、すでに造成されているため、費用面や工事難易度が低い。土沢北で調査を進めていくという。概算事業費は8億4600万と試算。県道に隣接しているが、300メートル以内に多数の人家がある。
9月をめどに周辺自治会などへ説明会を開く。今秋中に最終候補地の優先順位を決定する。
(2016年7月20日号掲載)