踊るあほうに見るあほう―。「神奈川大和阿波(あわ)おどり」が7月30、31日の開催で40周年を迎えた。大和駅(大和市)周辺の商店街で45連、約5千人が踊りを披露した。大和阿波おどりは1977年、大和駅東口にある新橋通り商店街の中元売り出しに、東京・高円寺から転任してきた信用金庫の支店長のアイディアで阿波踊りを始めたのがルーツ。そろいの衣装が間に合わず、大和天満宮の祭りで着用する黒い法被(はっぴ)で踊っていた。
大和阿波踊り振興協会の栗城健副会長(ジェー・アール・シー社長)によると、商店街や企業、地域住民の協力や参加する「連」が増えていき、年々拡大。大和の夏の風物詩として親しまれ、関東三大阿波踊りに数えられるようになった。
踊り手やはやし方で構成する「連」は、商店街が母体の「新橋連」や「あずま連」、ガス給湯器メーカーの「ガスター連」、業界団体の「けんせつ連」など16連が参加している。県内や東京のほか、本場の徳島、小笠原などの遠方からも参加する連がある。
結成から30年経つ「ぎんざ酔狂連」は、大和銀座商店街の青年部が中心となって発足した。新橋連譲りの踊りと鳴り物をベースに、華麗な女踊りと粋(いき)で個性的な男踊りを確立しようとしている。
同連は徳島県の「ささ連」と友好連の関係を持つほか、福島県の郡山市や南相馬市の被災地を慰問。各地の連と阿波踊りを通した交流を続ける。
連長の鈴木英雄さんは「諸先輩が築き上げた40年の伝統を継承していきたい」と意気込む。
(2016年8月10日号掲載)