地元企業2社、市に緊急用トイレ寄贈/小中学校25校に配布


目録を手にする岡本実教育長

目録を手にする岡本実教育長

 相模原市内の企業2社はこのほど、「緊急・災害用トイレ処理セット」(約30万円相当)を同市に寄贈。市内の小中学校25校に配布された。同市役所で8月2日、岡本実教育長に目録が手渡された。

 寄贈したのは紙製梱包資器材を開発・製造する日本化工機材(中央区淵野辺)と、事務用品販売の文盛堂(中央区千代田)の2社。

 両社は4月に発災した熊本地震の際、被災者支援のため、トイレ処理セットの寄贈を思いたち、相模原市の危機管理局を窓口に現地へ寄付を申し出たが、支援物資は充足しているとのことで思いとどまった。

 そこで市内の災害備蓄に対し、トイレまでは十分な対応ができていないのではないかと考え、市内の小中学校で活用してほしいと、このほど寄贈を申し出た。

 寄贈したトイレ処理セットは、日本化工機材の自社製品「すいふよう」。同社は95年の阪神・淡路大震災を機に、緊急時用紙製トイレの開発・製造を手掛けている。

 段ボールの組み立て式で、ビニール袋に排泄物を入れ固化剤を投入する仕組み。災害時に水を一切使わず、断水したトイレなどに設置できる。同社の大澤浩一郎社長が使い方などを説明した。

 文盛堂の尾作晃社長は「災害時、トイレで問題となるのが水と臭いだが、水を使わずに、固化剤で消臭もできる。こうした製品を市内企業が製造していることを市民に知って貰うきっかけにもなれば」と話した。

 岡本教育長は「緊急時に活用させていただく。万一の災害に対し、しっかり備えていきたい」と感謝を述べた。 
(2016年8月10日号掲載)

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