JAXA、「宇宙ごみ」除去実験へ/10月にHTV搭載で


 広報部の吉崎泉報道メディア課長は、JAXAシンポジウム2016で今後の取り組みを説明。国際宇宙ステーション(ISS)や人工衛星などに衝突して害をおよぼす「宇宙ごみ」(デブリ)を除去する実験を行うことを明らかにした。

 実験装置は、10月1日に種子島宇宙センター(鹿児島県)で打ち上げ予定の無人補給機(HTV)「こうのとり」6号機に搭載する。ISSに生活物資を搬入した後、高度380キロ」にごみを模した装置を使って行う。

 仕組みは、デブリに導電性のテザー(電線)を通じて電気を流し、減速させて大気圏に落下させる。大気との摩擦熱で燃焼させ、地上に至るまでに燃え尽きさせるというもの。

 装置は、磁場の中で電流が流れると物体が動く性質を利用する。物体に電気が流れ、落下につながるか―などについて検証する予定。

 実験が成功すれば、デブリまで安全な距離まで近づいて、電線をつなぐだけで除去できる。有人飛行や船外活動の驚異を、簡便かつ低コストに減退することが可能になる。

 将来的には、装置を搭載した小型衛星をロケットに相乗りさせる計画。デブリに近づけて電線を取り付ける方法を検討している。 
(2016年8月20日号掲載)

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