相模原市南区在住の遠藤彰子さん(68)は8月28日まで、市内で初めてとなる個展「遠藤彰子の世界展~COSMOS~」(主催・同市)をセレオ相模原内の市民ギャラリー(相模原市中央区相模原)で開いている。今回のために描き上げた1000号(333ミリ×4970ミリ)の新作『眸ひらく明日』を展示。開催を前に「より多くの市民の皆さんに作品を見てもらいたい」と話していた。
(芹澤 康成/2016年8月20日号掲載)
遠藤さんは、1985年に『遠い日』で安井賞を受賞後、武蔵野美術大学油絵学科で教鞭をとる。2007年に芸術選奨文部科学大臣賞受賞(美術部門)、14年秋に紫綬褒章を受章するなど、日本を代表する洋画家として活躍している。
個展では、初期の「楽園」や「街」の2シリーズをはじめ、近年の大作群など約50点を展示。幼少期の作品や立体作品、新聞小説やエッセイの挿絵など、珍しい展示物も出展した。
昨年、ノーベル生理学医学賞を受賞した大村智氏は8月5日の記念講演会(相鑑舎主催)に出席し、「芸術の都パリで展覧会を成功させ、遠藤芸術は国際的な域に達している」と絶賛した。
遠藤さんは、取材に対し「本物の絵の質感や圧倒されるような感覚を感じてほしい。市内で初めての個展をきっかけに、私立美術館整備への気運を高めたい」と話した。