相模原市は9月21日、2009年に提案した「新しい交通システム導入基本計画案」を見直し、市民からの意見募集を開始した。相模大野駅から当麻駅を結ぶ既存の道路を最大限に活用する計画で、BRT(幹線快速バスシステム)や連接バスの導入を盛り込んだ。
(芹澤 康成/2016年10月1日号掲載)
計画案によると、道路整備費を除く事業費は、全体で約25・6億円となる見込み。道路や中間駅などのインフラ整備は市、ほかの施設整備と運行は事業者がそれぞれ行う「公設型上下分離方式」を導入する。
他の輸送システムに比べて事業費が安価で、段階的な運用や道路状況に応じた柔軟な対応が可能なBRTを採用した。路線バスをベースとし、走行形態、車両、駅・停留所、運賃収受、優先信号などの改善を組み合わせることで、定時性・速達性の確保や輸送力の大幅な改善が期待される。
車両は、町田市や厚木市でも運行している「連節バス」が基本。走行空間の整備進ちょくに合わせた需要変化や導入費用などを考慮し、通常バスと併用しながら段階的に導入。ターミナルと中間駅では、上屋・風よけや情報提供装置などを設け、快適で利便性の高い待ち合い環境を整備する。
導入ルートは、南部地域の拠点施設である北里大学・病院、麻溝台工業団地、女子美術大学などへのアクセス強化や麻溝台・新磯野地区や当麻地区の新たな都市づくりの拠点との連携強化を図る。また、拡幅整備計画のある県道相模原町田線を最大限に活用するルートとする。