相模原市緑区千木良の障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人が死亡した殺傷事件を受け、設置者の県は9月23日、施設を現在地で建て替えることを決めた。年度内に基本構想を策定。19年度をめどに建設工事に着手し、20年度の完成を予定している。
県が示した方向性によると、居住棟2棟と管理棟の全面を現地で建て替える。主要な棟を新築することで、建物の配置やデザインの自由性を高め、再生のシンボルとなるまったく新しいイメージの建物とする。
入居者の家族会と指定管理者「かながわ共同会」が12日、建て替えを求める要望書を提出。県が設置した対策本部の会議で、23日に決定した。
総事業費は約60~80億円と試算。国に財政支援を求める方針。
黒岩祐治知事は記者会見で「神奈川からこの理不尽な事件に屈しないという強いメッセージを発信できる施設とする」と述べた。
(2016年10月1日号掲載)