トーコーキッチン、グッドデザイン賞/「集合住宅に一つの型提供」


グッドデザイン賞に選ばれた「トーコーキッチン」

グッドデザイン賞に選ばれた「トーコーキッチン」

 不動産仲介業の東郊住宅社(相模原市中央区淵野辺)が始めた入居者向け食堂「トーコーキッチン」が、日本デザイン振興会が主催する2016年度グッドデザイン・ベスト100を受賞した。審査員から「今後の集合住宅デザインの一つの型を提供するのではないか」と評価された。

 トーコーキッチンは、同社が淵野辺駅周辺で管理する賃貸物件約1600件で採用しているカードキーでのみ入店できる専用食堂。カードキーを持つ入居者や物件の家主、協力会社とその同行者が利用できる。

 一般的な不動産仲介業は、契約後に入居者との接触機会を持たない傾向が見られる。入居者に安心・安全・快適な賃貸生活を継続して送ってもらうためには、日常的なコミュニケーションが重要と考えたという。

 「契約してからがお付き合いの始まり」という同社の管理姿勢を形にするほか、「淵野辺での賃貸生活は楽しい」「コミュニケーションをとると一層楽しくなる」という価値を提案・提供するため、入居者向け食堂サービスを始めた。社員には、入居者や家主とのコミュニケーションツールとしての活用を期待する。

 審査員の講評では「物件の商業的価値を高めるだけではなく、機会がなければ疎遠になりがちな現代の集合住宅の生活者に対してコミュニティ意識を持ち、 コミュニケーションを取るきっかけを与えるという公共的な価値も認められる」とした。

 デザインした池田峰取締役は「いつの日か“淵野辺に住んでよかった”と愛着を持って振り返ってもらえたらうれしい。」とを話した。
(2016年10月10日号掲載)

…続きはご購読の上、紙面でどうぞ。