介護施設の紹介などを行う「ケアミックス」(町田市中町)は、足の不自由な人が自分の足でこぎ、自分の足で移動しているという感覚で乗れる車いす「COGY(コギー)」を扱う。同市や相模原市、川崎市などの介護・福祉施設への導入拡大を目指している。
コギーは、人が本能的に歩こうとする作用を利用した車いす。足が不自由な人でも片足が少しでも動けば、反射的にベダルを漕ぐことができるよう設計されている。東北大学のベンチャー企業「TESS」(仙台市青葉区)が開発した。
操舵は、片手でレバーを回すだけ。小回りも効き、狭い空間でも転回できる。
ケアミックス執行役員の中島誠一郎さんは「〝車いすなのに足で漕ぐとは矛盾しているのでは〟と疑問に思うかもしれない。介護や福祉の事業者から理解してもらうのが難しい」と話す。
研究開発した東北大学名誉教授の半田康延博士によると、一歩でも足を前に出すことで、次の足を前に出そうとする「原始歩行」という脊髄反射の原理を利用。筋力の増強などで運動機能を改善するリハビリ効果も期待される。
脊髄損傷をはじめ、脳性麻痺、脳梗塞での片足麻痺、パーキンソン病などさまざまな理由で障害を持った人がコギーを使う。買い物や旅行、スポーツなどを楽しむ人が増えているという。
カラーバリエーションは、イタリアンレッド(赤)とソリッドイエロー(黄)の2色を設定。介護福祉用品のイメージを覆すスポーティなデザインを取り入れた。
問い合わせは、ケアミックス042・739・4221まで。
(2016年10月20日号掲載)