日銀の10月金融経済概況、景気判断「据え置き」続く/製造業は持ち直しの兆し


 日本銀行横浜支店は10月の金融経済概況を発表し、県内景気について「回復の動きが一服している」とし、4月からの判断を6カ月連続で据え置いた。ただ、製造業に関係する「生産」は、前回判断(9月)から上方修正。「足元弱めの動きとなっている」から「持ち直しの動きがみられる」との表現に変えた。
(編集委員・千葉龍太/2016年10月20日号掲載)
 
 日銀では、実体経済を構成する項目として「生産」「輸出」「雇用・家計所得環境」「個人消費」「住宅消費」「公共投資」に分類。それぞれの個別判断もしている。

 今回、全体的な景気判断は据え置いたものの、県内経済にとって影響が大きい「生産」は上方修正した。なかでも輸送機械(自動車関連産業)で国内向けトラックが堅調なことに加え、新車投入効果で乗用車も増加しているという。

 一方、電気機械は電子部品・デバイスが下げ止まりつつあるほか、外需向けの基地局通信装置が増加している。

 「輸出」は前回の「減少している」との表現を据え置いた。アジアや中東、欧州向けで自動車を中心に輸出が減っている。

 「設備投資」は上方修正しなかったものの、前回判断と同じ「一段と増加している」とした。研究・開発投資や業容拡大を狙った能増投資、工場・営業所の増設などが製造業を中心にみられているという。

 「個人消費」も前回同様に「弱い動きがみられる」とした。百貨店売上高は、化粧品が好調だが、衣料品や身の回り品は夏のセールの反動が出ていることや季節商材の動きが鈍い。

 家電販売額は高機能商品を中心に白物家電やテレビなどが堅調で、全体としては下げ止まっている。県内の観光やレジャー施設の利用状況、ホテルの稼働状況は、横浜市内を中心に好調だが、総じて見ると天候要因などが響き、弱めとなった。

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