桜美林大、佐々木投手がロッテと交渉/ドラフト5球団氏名


1位指名の喜びを噛みしめる佐々木投手

1位指名の喜びを噛みしめる佐々木投手

 桜美林大学(町田市 常盤町)の佐々木千隼(ちはや)投手(22)は10月20日、東京・品川のホテルであったプロ野球の新人選手選択会議(ドラフト会議)でロッテとの交渉権を外れ1位で得た。1巡目で重複指名も予想されていたが、創価大学の田中正義(せいぎ)投手に人気が集まったことで、2順目1位で5球団が指名する異例の事態となった。

 佐々木投手は、都立日野高校出身という異例な経歴の持ち主。高校3年だった4年前は、同世代に日本ハムの大谷翔平投手、阪神の藤浪晋太郎投手ら名門私学のスター選手がいた。

 学内の荊冠堂チャペルで開かれた記者会見では、佐々木投手が質問に答える形で「公立高校出身でもドラフト指名される可能性がある」と、高校の後輩らに語りかけるシーンもあった。

 桜美林大学で佐々木投手ら野球部の指導に当たる津野裕幸監督(45)が昨年のおおみそか、ふとグラウンドを覗くと黙々と坂ダッシュをする佐々木投手の姿があった。「プロ入りという夢は確実に実るだろうと確信した」と振り返る。

 球速は入学から10キロメートル以上向上し、4年生になって150キロメートルを超えた。右打右投。切れの良いスライダーをはじめ、フォーク、シンカーなど多彩な変化球も持つ。53回連続無失点の首都大学リーグタイ記録を達成し、巨人の菅野智之投手(東海大出身)に並ぶ年間7完封を記録した。

 佐々木投手は「指名されるまでは不安な気持ちでいっぱいだったが、1位で指名していただいて光栄。やっとスタート地点に立ててうれしい思いでいっぱい」と喜んだ。その上で「バッターに向かっていく闘争心が評価してもらえたと思う。グラブには『気持ち』と刺繍(ししゅう)を入れている。感謝の気持ちや強い気持ちをこれからも大切にしていきたい」と意気込みを見せた。
(芹澤 康成/2016年11月1日号掲載)

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