相模原市の総合写真祭「フォトシティさがみはら」(相模経済新聞社など後援)のシンポジウムが11月15日、同市緑区橋本の杜のホールはしもとで開かれた。
シンポジウムでは「新しい美術館と写真-地域を活性化する役割」をテーマにパネルディスカッションを行った。県北初の公立美術館構想が決まったことで、地方創生における美術館の役割やあり方などについて意見を交えた。
多摩美術大学学長で埼玉県立近代美術館館長を務める建畠晢氏をはじめ、横浜美術館の逢坂恵理子館長、東京都写真美術館の笠原美智子事業企画課長がパネリストとして参加。また、審査員の伊藤俊治氏(東京芸術大学教授)がコーディネーターを務めた。
伊藤氏は「地域のアイデンティティーとなる美術館を持たないことは不幸だ。東京五輪やリニア建設を控え、美術館の独自性を持った具体的なビジョンを描かなければならない」と提言した。
パネリストは公立美術館関係者の立場から、市立美術館のソフト面や機能について意見を交わした。特に、写真をほかの芸術分野と結び付け、市の文化的シンボルとなりうる“美術館像”を提案した。
(2016年11月1日号掲載)