県は10月24日、「中小企業新商品開発等支援事業補助金」の支援対象を決定した。第2次募集で申請があった10件を審査し、6件を採択。合計約1430万円の補助金を交付する。
技術・製品開発分野では、吸音パネルの「静科」(厚木市金田)や歯車やギアを製造する「大久保歯車工業」(同市上依知)、自動車部品の「ダムド」(大和市下鶴間)など5社の事業が選ばれた。1303万2千円が交付される。
大久保歯車工業はトランスミッションとディファレンシャルギアが一体化になった「トランスアクスル」を採用した新たな走行システムを試作する。凍土や泥ねい地で使用されるゴムクローラー車両向けで、高速でも安全に走行・旋回・制動できるようになる。
静科が新たに開発する「機能性・デザイン性を持たせた内装用吸音パネル」は、形状や表面材質の改良などによってデザイン性を高め、オフィスや病院・高齢者施設等の内装材として使用することができる。工業向けに製造・販売しているこれまでの吸音パネルは、内装材として利用することが難しかったという。
ダムドの「前処理機能を付与した液体濃縮装置」は、ハンドル内に新たなインターフェイス機能を構築し、より安全かつ的確な情報をドライバーに提供する運転支援システム。自動車の車内は、車両からの警告音やカーオーディオなど、さまざまな音が氾濫しているため、運転中に最も必要な情報を瞬時に識別することが難しかった。
技術・製品開発分野は、製品の製造や加工などを1年以上行っている県内事業所が対象。補助対象経費の3分の1以内で、100万から530万円まで支給する。
(2016年11月1日号掲載)