補給廠事故、発生1年で特定できず/火災の調査結果まとまる


 昨年8月に発生した在日米陸軍・相模総合補給廠(相模原市中央区)内の倉庫爆発事故について、防衛省と外務省から「原因を特定するまでには至らなかった」とする調査結果の報告が1日にあった。市は同日、現場となった倉庫に立ち入り、在日米陸軍立ち会いで事故の状況と再発防止策の説明を受けた。

 報告書によると、保管されていた酸素ボンベの1本にガスケットの欠陥、またはバルブの機能不全があり、酸素が漏れ出した可能性を指摘。何らかの原因で火花が可燃物に引火して燃え広がり、その熱で付近の酸素ボンベが次々と加熱され破裂したとみている。

 米軍に委託された調査機関は、部外者の立ち入りによる放火、故意の破壊工作を否定。作業中の過失、雷や太陽光などの自然現象、電気設備の機能不全、建物の構造上の欠陥でもないとした。

 米陸軍は「地元住民の不安を理解し、日本における施設の安全な運用を確保する」と約束。事故を踏まえ、酸素ボンベの搬入を停止しているほか、▽消火設備と電気配線の点検▽夜間連絡体制の充実・強化▽倉庫内の保管物リストを緊急時に市消防局へ提供―など、5つの再発防止策を提示した。

 加山俊夫市長は「昨年12月の中間報告に続き、今回の報告でも火災の原因が特定されなかったこと、1年以上の長い期間を要したことは遺憾(いかん)」とした一方、「立ち入り確認が実現したことは一定の評価をしたい」とコメントを発表した。
(2016年11月10日号掲載)

…続きはご購読の上、紙面でどうぞ。