小田急電鉄(東京都新宿区)はこのほど、特急ロマンスカーの新型「70000形」の製造を決定した。先頭と最後尾の車両に16席の展望席を設けるほか、側面の窓も同社特急で最大となる高さ約1㍍の連続窓を採用し、走行時の流れ行く沿線の景色を楽しめる。
新ロマンスカーは「箱根につづく時間(とき)を 優雅に走るロマンスカー」がコンセプト。1980年に運行を始めた「LSE(7000形)」をほうふつとさせるデザインで、赤とオレンジの2色を基調とする。
新しい車両は左右方向の車両振動を低減し、乗り心地を向上する「電動油圧式フルアクティブサスペンション」を採用した。在来線量産車両として、国内で初めて編成の全車両に搭載される。
車内には、訪日外国人旅行者の増加に対応し、各車両の出入口デッキ付近にラゲージスペース、座席の下に国内線機内持込みサイズの荷物を収納できるスペースをそれぞれ設置。車内Wi‐Fiシステムも導入し、展望ライブ映像を楽しめるコンテンツも配信する。
同社は約40億円をかけて、新型車2編成(1編成7両)を製造する。2018年3月、営業運転を開始する予定。
このほか、18年3月予定のダイヤ改正からロマンスカーを増発する計画も発表した。通勤時間帯における着席ニーズの高まりに対応する。
(2016年11月10日号掲載)