九都県市、障害者理解で共同宣言/首脳会議で要望事項決定


一堂に会した九都県市の首脳

一堂に会した九都県市の首脳

  首都圏の知事や政令市長が共通課題について話合う九都県市首脳会議が10月26日、横浜市内のホテルで開かれた。障害者支援施設「津久井やまゆり園」の殺傷事件を受けて県と相模原市が障害者との共存を目指す共同宣言を提案したほか、地方分権改革など国への要望事項を取りまとめた。

 共同宣言では「あらゆる人の尊厳が守られ、安全で安心して暮らせる共生社会の実現に全力で取り組んでいく」とした。

 内閣府の調べによると、障害者に対する差別的や偏見があると感じている人が約8割いた。相模原市の加山俊夫市長は「障害者への理解を深め、偏見や差別をなくすことが重要」と指摘した。

 また「介護人材の確保・定着対策の推進」では、2025年に九都県市など首都圏で、約11万人の介護人材が不足すると見込まれるという。国に対し、介護従事者の処遇改善やイメージアップのほか、修学資金貸付制度の返還免除要件の緩和などを求めていく。

 加山市長は「働く人が誇りと自信を持てるよう、精神面のサポートも必要」と指摘。今年度から勤務年数に応じて介護職を表彰する「介護職員等勤続表彰」を導入すると発表した。

 就任後、初めて出席した小池百合子東京都知事は、グリーンボンドの発行を明らかにした。トライアルとして「東京環境サポーター債」(個人向け都債)を100億円規模で発行する方針で、都施設へのLED照明や太陽光発電設備の導入など、各種環境事業に使用するという。
(2016年11月10日号掲載)

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