相模原市では、元都市建設局長の野村謙一氏(60)が10月1日、岡本実前教育長(67)の後任として新たな教育長に就任した。同市の教育長は学校教育の経験者が就くのが慣例だが、異例の人事に「子供たちがふるさと“相模原”に愛着心を持て、誇りに思えるまちにしたい」と意気込みを見せる。
教育長に就任してから早くも1カ月余り。市内に全109校ある小中学校を周り、校長から課題や要望を聞き取りしている。健康上の問題を抱える児童を預かる「特別支援学級」について、教員の負担が大きく人的支援を求める声が多い。
「現場の声を尊重する中で、事業の効率性や優先事項の明確化に配慮するなど、経営感覚をもった教育施策を実施していく」と強調する。
市教育委員会には、70人以上の教育主事が在籍し、授業内容の研究や支援教育の相談など、現場で指導に当たる教員の後方支援を行っている。市長部局との連携強化でいわゆる〝縦割り行政〟を解消し、組織的対応力の向上や情報共有の徹底に努めていくという。
野村教育長は「子供が将来の選択肢を広げるためには、学力と体力が必要と考えている。まちの環境や文化施設の整備も注力したい」と話す。「“オールさがみはらで創る子どもたちの未来”に向けて、市全体で取り組んでいく」と張り切る。
(2016年11月10日号掲載)