造管機や圧延機を開発・製造する三益(秦野市堀山下)は8月、伊勢原市鈴川から本社工場を移転した。総投資額は3億3千万円。工場を拡張し、国内既存設備の合理化支援とレトロフィット製品の販売拡大を本格化する。
新工場は、日産車体秦野事業所東側の敷地約3千平方メートルに建設。鉄骨造り2階建て、延べ床1299平方㍍の工場兼事務所棟。2015年10月に着工し、ことし8月に操業を開始した。
設計などを担当する社員を数人増員し、2次元コンピューター利用設計・製造(CAD/CAM)などのツールも増やす予定。機械設備の修理や改造を行うスペースも確保した。
同社は、自動車やプラント向け造管機を受注生産する一方、大手企業の大型設備の移設に伴うオーバーホール、メンテナンスなどの合理化支援も手がけている。景気回復に伴い、大手鋼管メーカーや建材メーカーの工場移転・集約など、設備投資の増大による依頼が増えた。
近年、同業他社の廃業や経済停滞に伴いユーザーの新規投資が凍結し、既存設備を長く使用するための修理や改造の相談が増加。「昨年から手応えを感じてきた」と宇野祐二郎社長。
また、不要になった古い機械設備を修理や改造、機能向上したレトロフィット製品をインドや中国などに販売することで、市場の新規の開拓や拡大に成功。工場が手狭になったため新工場の整備に着手した。
(2016年12月1日号掲載)